人形遣い⑥
23話。コメントお願いします!
「死ね。」
カグヤの頭の中は怒りでいっぱいだった。この眼の前にいるマリオネットと名乗る少女が、自分の地元の人達を殺したのだ。許せないというものではない。さらに、自分が負けたら他の仲間もおそらくやられるというプレッシャーもある。それと、、、もし操られている人たちをラクが拘束しなければ、この人たちは殺されてなかったのではという考えが浮かんでくる。
「断血!」
カグヤは斬撃を連続でとばす。それですでに死んでいる人たちを粉々に切り刻みながらマリオネットに近づいていく。
「はやい、、、!」
マリオネットの顔がすこしこわばる。カグヤはどんどん距離を詰めていき、少女の首元に鎌がかする。このまま斬れば殺せる。カグヤは確信した。
『君には、まだ殺しははやい。』
あと一振りでマリオネットを殺せる、その瞬間、ソウマの声がカグヤの中で響き渡った。カグヤの鎌をふるスピードは落ち、マリオネットはその隙にカグヤから距離を取る。
「危なかった。後一振りだったね。君がためらってくれたおかげで助かったよ。」
「くッ、、、」
カグヤは少し後悔しながらマリオネットの方を向く。能力の副作用で疲労がすごい。はやく倒さないと。''保険''があるとはいえ、じぶんで相手のHPは削っておきたい。なんなら自分だけで倒しておきたい。カグヤは相手の体を観察する。ハルキとラクの攻撃のせいか、なかなかに傷まみれだ。それと、縛られていた痕もある。ラクのツタだな。それに、縛られた痕に沿って少し血が滲んでいる傷口もある。おそらくラクはトゲの生えたツタで相手を拘束したのだろう。
(アイツ、結構残虐なことするんだな。)
カグヤはこころの中でそう思いながら鎌を振りかざし、マリオネットにかかっていった。死んでも操られている人間たちが一斉に襲いかかってくるのが厄介。先程の技は使うと疲労が激しくなるため、使わない選択を取る。今じゃない。しょうがなくカグヤは一人ずつ対処していった。
「先輩!目をえぐり取りましたがコイツ、全然動きが止まらないです!」
「クソ!」
ラクとソウヤは化物相手に苦戦していた。ラクの片手にはえぐり取った目玉がある。少し腐っているところから、やはりこの化物はすでに死んでいたのだろう。
「すでに死んでいるならどうしたらいいんだ?!」
ソウヤは混乱する。
「わかんないですけど首チョンパじゃないですか?!口から攻撃してきてるので、体と頭を別々にしたら止まるんじゃないですか?!」
必死に怪物の肉をえぐりながらラクが答える。
「わかった、でもどうやったら、、、」
ソウヤがそういった瞬間、地面が地震のように揺れだした。
「な、なんだ?!」
ソウヤがそういった瞬間、地面から巨大な根っこが出てくる。それがそのまま動き出し、ムチのようにしならせて怪物を叩き潰した。ラクはとっさに避けたが、ラクが召喚した動物たちが何体か一緒に押しつぶされる。
「だ、誰だ?!」
ソウヤが大きな声でそういう。ラクは驚いて声も出ないようだ。
根っこの上に、一人の少年が立っていた。
「そうだね。神、だよ。」
カグヤはマリオネット相手に苦戦を強いられていた。死んでも操られている人たちの攻撃がやまない。その対処で手一杯だ。マリオネットはカグヤを警戒してどんどん離れていこうとする。
「おい!逃げるな!」
カグヤがそう言ってもマリオネットは聞くはずもなく、そのまま逃げようとする。
「カグヤ、お困りかい?」
突然、後ろから聞き覚えのある声がした。
「、、、トモヤ?」
「そう。柊 トモヤだ。」
そこには、他の人達がのぼってこれないような電灯の上には、カグヤの親友であり、真剣組に勧誘しても渋って入ってなかったトモヤの姿があった。カグヤは迫りくる操られている人たちを対処しながらトモヤに言う。
「おまっ!ここは危ないから早く逃げ、、、」
「お前もだいぶしんどそうじゃん。もしかしたら俺の力で戦況を変えれるかもって思ってきたんだけど、協力してやろうか?」
「随分、、、!偉そうだな!、、、っ!相変わらずと言ったほうが、、、!オラッ!いいかなっ!」
「じゃぁ、変えて差し上げよう。」
トモヤはそう言って指揮棒を出す。
「ほら。」
トモヤが指揮棒を降り出す。すると、近くにいた操られている人たちの能力による攻撃がやむ。さらに、物理攻撃も、空振るようになってきた。さらに、カグヤの体が驚くほど軽く、速く動ける。
「俺の能力は映律。リズムやテンポを操る能力だ。味方にはバフを、敵にはデバフを。な?戦況を変えれるだろ?」
「すげぇ!これは助かる!」
カグヤはしなやかに弱くなった敵を倒しながら、マリオネットの方へ駆け出していった。
「クソッ!」
マリオネットは波長が乱れたように、走るときも少しつまづきながら、そしてフラフラしている。
「追いついた!」
「ヒッ!私の駒たち!私を守りなさい!」
マリオネットがそう唱えると、どこからともなくものすごいスピードで操られた人たちがカグヤに飛びかかる。
「命火連斬!!」
カグヤはそう唱えて、ものすごいスピードで鎌を振り、近づいてきた人たちを峰打ちで吹っ飛ばす。そしてそのまま刃をマリオネットに向け、ふりかざす。
「クッ!」
マリオネットはいきなり口を開いて、そこから溶岩弾をカグヤに向かって吐き出した。カグヤはそのまま真っすぐ行ったら当たると判断し、マリオネットへ攻撃することをやめ、溶岩弾を避ける。
「クッ!私のとっておきの能力が!せっかくあの魔獣の腐った汚い体に触れたというのに!」
マリオネットはブツブツとなにか言ってる。
「諦めが悪いな、人形遣いさん。」
前、あの技を使った後は動けなくなったというのに、今は普通に動ける。これはトウマのバフのおかげだろう。さらに周りには操られている人たちはいない。今が絶好のチャンスだ。カグヤはポケットの中のスマホに手をかけ、送信ボタンを押した。
「さぁ、これで最後だ。」
カグヤは地面を蹴り上げ、マリオネットに急接近し、鎌をふりあげる。
「かかったわね。」
マリオネットがそう言うと、マリオネットの背中から翼が生える。
「あの黄色い子が召喚した鳥が、こんなところで役に立つなんて。」
そして、マリオネットは飛び立つ。鎌をよけ、鎌を空振らせたカグヤの頭をスッと触る。
「これであなたも私の駒。残念だったわね。」
「あんたも残念だ。」
カグヤは操られる瞬間にそう言って、笑みをうっすらとうかべる。
「想定内だ。」
マリオネットはその反応に焦る。その時には遅かった。ものすごいスピードで、一つの影が接近してきていた。
「さ よ う な ら !!!」
アラタはそう言ってマリオネットの腹に向かって思いっきり拳を突きつけた。
「グバッ!」
マリオネットは血を吐き、数メートル先まで飛ばされる。その衝撃で、操る能力が切れたのか、カグヤは普通に動ける。
「でかした!」
カグヤはアラタとグータッチをした。
「最後は、とどめを刺そう。」
カグヤはマリオネットの方へ、鎌を片手に近づき始めた。
キャラ紹介
柊 トモヤ(ひいらぎ ともや):カグヤの同級生。少し皮肉屋だが、根はいい人。身だしなみは綺麗で、掴みどころがないような性格。常に冷静。ハイカカオチョコレートが好き。
能力:映律。リズム、テンポを司る能力。敵のテンポをずらし、デバフをかける。また、仲間のテンポ、リズムを作り、バフをかける。万能サポーター。また、カグヤの命火の命の消費のテンポも操れるため、カグヤと非常に相性がいい。




