非能力者
17話!14話ぶりの主人公、カグヤの登場。
「なぁ!ソウヤ、オマエも真剣組入らないか?」
教室の後ろの方でアラタとソウヤが話している。雨宮 ソウヤはクラスでも最強レベルの能力者だ。
「誰が入ってるの?その組織。知り合いがいるなら、、、」
「カグヤ先輩に、ラクに、ハルキに、、、」
「うわ、カグヤ先輩がいるから成り立ってる組織だな、、、」
「オマエの知り合いはこれくらい。」
「女子は?」
「今んとこ二人。」
「、、、胸のサイズは?」
「、、、片方側は貧乳だが、もう片方は大きいぞ、、、」
「乗った!」
バカだ。バカ丸出しでソウヤは組織に入りやがった。それにしても、カグヤ先輩たちが真剣組という組織を作っていたことは驚きだった。トーナメントで闇の軍と戦闘したのは知っていたが、、、そういえばラクがゲームチャットでそんな事言ってたな、、、軽く受け流したけど。
三神 タカマはそんなことを考えながら一人で席に座っていた。タカマは黒髪、メガネで少しぽっちゃりしている。昔スポーツクラブに入っていて、カグヤ、ラク、アラタ、ハルキ、ソウヤ、トモヤとはそこで知り合った。だが、スポーツが苦手だったタカマは途中でそのスポーツクラブを抜けた。ラクとは交流が続き、ゲームのチャットでよく話している。
学校が終わり、タカマは家に帰る。夏の日だ。暑い。タカマは息を少し切らしながら帰る。すると、後ろからエンジンの音が近づいてきていた。こんな時間に、こんな時代に暴走族ってまだいたんだな。タカマは暴走族が通りすぎるのを横目で見る。すると後ろから今度は聞いたことのある声が聞こえてきた。
「待てー!この暴走族ども!」
「アラタ、オマエはもっとスピード出せるだろ?止めれないか?」
「無理っすよ!カグヤ先輩!今能力で相手の先回りしたら轢かれて終わりです!なんなら、俺が轢かれたことが原因で玉突き事故とか起きたら溜まったもんじゃないですよ!」
「ダメだ!速すぎる!深追いしても昨日や一昨日みたいに無駄に終わるだろうからまた策を練り直そう。」
タカマの隣でカグヤとアラタは足を止める。
「、、、あっ、、、」
「、、、あっ、、、」
タカマはカグヤ達と目が合い、気まずい沈黙が続く。
「、、、カグヤ先輩、久しぶりです、、、」
「タカマ、久しぶりだな。また大きくなった?」
「うるさいです!」
「あはは、オマエは相変わらずそうで安心したよ。」
カグヤは前と変わらないような態度で接してくれた。するとアラタがカグヤに話しかける。
「そうだ、先輩、コイツにも聞き込みしませんか?」
「そうだな。こんな道端で聞くのもあれだ。場所を変えよう。」
カフェの中でカグヤ、アラタと向かい合うような席にタカマは座る。
「2つ、今聞き込み調査していて。1つ目はさっきの暴走族。逃げ足が早くてね。」
「俺は何も知りませんよ。」
ジュースを飲みながらタカマは答える。
「ブラックコーヒー、大人の味、、、それを優雅に飲む俺はかっこいい!」
アラタの発言は無視してカグヤは話を続ける。
「そうか。じゃぁ2つ目。とある少女を探している。」
カグヤはポケットから写真を取り出す。白い髪の少女だ。
「この子は突然家出をしたんだ。今は行方不明で、、、」
「この子、、、この前町中で見ました。」
「本当か?!」
「はい。俺、漫画買いに行ってたんですけど、その時泣きながら走ってるこの子とすれ違って、、、ないている少女なんてそうそういないから印象に残ってます。」
「でかした!後で出会ったところを案内してくれないか?」
「はい!」
その後、しばらくカフェで雑談を続ける。
「ラクとはよくゲームしてるみたいだな。」
「あぁ、アイツガチャ運だけ無駄に良くて、でもプレイスキルがあれだから弱いですね。」
「ハルキとミクも同じこと言ってたな、、、」
「ミクって誰ですか?」
「ラクの同居人。あっ、ラクは学校辞めて今は真剣組本部に住んでるんだよ。」
「、、、マジですか?」
するとSNSにカフェの写真をアップしていたアラタが口を開く。
「マジで。アイツが女の子と同居だぜ?2年前こんなこと予想できたかって話。」
「オマエ、少し羨ましいと思ってる?」
「、、、まぁね。」
そんな話をしているとカグヤがまた喋る。
「なぁ、タカマ。オマエも真剣組に入らないか?」
「あ、、、それは、、、無理です。」
「なんでだ?ラクもいるし、ハルキだっているのに?」
アラタにそう言われてタカマは重い口を開ける。ほんとはあまり知られたくなかったけど。
「俺、能力が無いんです。」
しばらく沈黙が続く。
「、、、悪かったな。さぁ、飲み終わったし、その少女と出会ったところまで案内してくれないか?」
カグヤが気を使ってくれた。タカマは少し恥ずかしかった。
「ここです。この通りです。ここからあっち向きに走っていきました。」
少し栄えた繁華街にタカマは二人を案内する。
「そうか、、、なぁ、この辺りに人が身を隠せそうな場所ってあるか?」
「俺はあんまり詳しくないので知らないですよ。」
アラタがカグヤの質問に答える。
「あのー、俺、一つ心当たりがあります。」
その廃ビルは4階建ての小さなビルだった。この辺りで唯一の廃ビル。昔は小さな病院と塾があった場所だ。今は何も無い。
「ここなら隠れるのにぴったりなんじゃないですか?」
「、、、少し不気味だな。アラタ、オマエから入れ。」
「嫌です。先輩から入ってください。」
「お、俺もついていきます!」
「本当か?ならオマエから行け!」
アラタにそう言われ、廃ビルの中にタカマは入っていく。1階には何もなかった。2階も何も無い。3階に行ったとき、鳴き声が聞こえてきた。
「アラタ、今の聞こえたか?」
「あぁ。女の子の鳴き声だ。俺が聞き逃すわけ無いでしょ。今行く!」
アラタは走り出した。
「ちょっ!待て!アラタ!」
「先輩、どうかしたんですか?」
「いや、この階は他の階よりボロボロだったから、、、もしかしてって思って、、、」
「うわっ!」
向こうから叫び声が聞こえ、アラタがふっとばされてきた。
「アラタ!どうかしたか?!」
カグヤが駆けつける。するとアラタが飛ばされてきた方向から少女の声が聞こえてきた。
「来ないで!」
カグヤたちは足を止める。
「来ないで!傷つけちゃうから!」
部屋の片隅で少女がないていた。少し紫がかったオーラをまとっている。
「落ち着いて!俺に話してくれ!」
カグヤが少女に話しかける。
「私、能力が暴走しちゃって、無意識に人を傷つけちゃうの!だから来ないで!」
タカマは黙って少女に近づく。
「来ないでって言ってるでしょ!」
ハルキのような風の刃がタカマをかする。タカマは黙って近づく。
「おい、タカマ!この子は今、精神的にも肉体的にも危険だ!一回ひいてラクみたいな相手を拘束できるやつを連れてくるのが得策だ!」
ソウマはカグヤの言葉を無視して少女に近づく。そうしないといけないと思った。自分には能力はない。だけど、自分にもできることはあるはずだと。
「どうして、、、私に近づくの?怖くないの?」
「俺は、能力がないから。バリアも張れないし、炎も出せない。すごい速いスピードで走ることもできない。だけどさ、誰かに寄り添うことはそんな俺でもできると思う。それに、スポーツもできないし、友達も少ない俺がここで君を見捨てたら、ほんとに俺からいいところがなくなっちゃう気がして。」
「あなた、私の攻撃で怪我しちゃうかもしれないんだよ?」
「構わないよ。」
カグヤは後ろからその様子を見守る。
「先輩、俺達も行きましょうよ。」
アラタが言う。
「いや、俺達みたいな能力がちゃんと制御できているやつが何を言っても無駄だろう。ここは俺達能力者より非能力者のほうが心に寄り添える。」
「お菓子、食べる?何も食べてないでしょ?」
少女はお菓子を無言で受け取ると、泣きながらそれを食べた。それと同時に能力の暴走が止まったようで、少女からにじみ出ていたオーラが消えた。
「一件落着だな。」
少女を家に送り届け、アラタが言う。
「今日は世話になったな。」
カグヤがタカマにそう言う。
「俺、アンタみたいな非能力者がちびっこを救うの見て少し感動したよ。」
「いや、あそこで逃げたらほんとに俺、何の取り柄もなくなるからさ。」
そんな話をしていると、カグヤがふと思いついたかのように話しかける。
「オマエ、パソコン得意だったよな?」
「えっ?まぁ、、、」
「今、真剣組のネット関連はラクとミクの二人がやってるんだけど、ラクは下手で、ミクは飽きっぽくて途中で作業を止めたりするからさ。今、そういったことをしてくれる事務作業用のメンバーもほしいなって思ってたんだよね。だからさ、真剣組、入らない?」
タカマは少し驚いた顔をする。
「俺が?俺は非能力者なんですよ?俺は何の戦力にもなりませんよ?!」
「だからこそほしいんだ。オマエは優しいから。誰かを救うのは武力だけなわけ無いだろ?」
カグヤはそう言ってタカマに手を差し伸ばした。タカマは迷ったが、その手を受け取ってみることにした。
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キャラ紹介
三神 タカマ(みかみ たかま)
この世界では珍しい非能力者。少しぽっちゃりしていて、髪色も能力により変色することはなく、黒色。アラタとは同じクラスだが話すことはあまりない。全員能力者じゃなくて一人くらいこういったキャラがいるほうが見栄えがいいと思って作られたキャラ。他のキャラと違ってガチ目の後付なので特に今後の展開や生死をどうするかもはっきりしてないキャラ。(他のキャラは決まってる。)




