2-4 ぜんぶ、ぜんぶ、あたしのせいだ!(6)
うわ、翔太、すごい顔。
「なんだぁ? 三条のやつ、いきなり身内みたいになりやがって。日向、イイ感じはよそでやってくれよな」
なによそれ。
イイ感じじゃないもん。
あ、翔太、もしかして……、ヤキモチ?
あたしと三条くんは、そんなんじゃないよ?
でも、今日はちょっとだけ甘えちゃったけどね。
みんなにはナイショ。
「姉ちゃん、俺たち箱詰めやるから、姉ちゃんは家のことやりなよ」
「ほんと? みんなごめんね? じゃあ、夕ご飯の支度とお洗濯してくるね」
みんなが、うんうんと頷いてくれたのを見て、あたしはくるりと背を向けた。
土間を背にして台所へと向かう。
「あ、翔太兄ちゃんたちはメシあんの? 聖弥さんは今日も食って帰るだろ?」
後ろで聞こえた晃の声。
晃、ナイスっ!
今日お手伝いをしてもらったぶんのお給料代わりに、今夜も三条くんに夕ご飯を食べて帰ってもらおうと思ってたけど、翔太の前でちょっと言い出しにくくて。
翔太のお父さんが、申し訳なさそうに言うのが聞こえる。
「あー、俺と翔太は晩メシあるからいいよ。三条くんは日向ちゃんのご飯、よばれていったらいい」
ちょっと沈黙があって、すぐに三条くんの声。
「いや、俺、昨日もご馳走になったんで。今日は帰って食います」
えー?
すぐに、晃の偉そうな声が続く。
「いやいやいや、あの様子なら、姉ちゃんは最初から聖弥さんに食って帰ってもらうつもりだな。たぶん給料代わりだとかなんとか言って、絶対食っていけって言うよ」
「あ? 俺は金にもメシにも困ってねぇぞ?」
ううう、恥ずかしい……。
晃のやつに見透かされてたか。
さて、まずは洗濯物を取り込もう。
そうして、台所の端に置いていたカゴを手に取ると、さらに聞こえたのは翔太のとっても不機嫌そうな声。
うわ、なに?
なんか三条くんに突っ掛かってるみたい。
「おい三条、お前、もう日向とチューしたのか?」
えええっ?
もうっ、なんてこと聞くのよっ!
「なんだそれ? お前に関係ねぇだろ」
「お、したのかっ? したんだな? なんてぇ不潔なやつだ。タメとは思えん」
「あー? なんだ、ケンカ売ってんのか? それに、俺はお前とタメじゃねぇ」
「なにぃ?」
え?
タメじゃない?
そういえば、昨日、晃が変な事言ってたな。
それに……、あの運転免許証。
へ? もしかしてっ……。
「あー、翔太兄ちゃん、聖弥さんは兄ちゃんたちとタメじゃねぇよ? 一コ上」
「一コ上だぁ? どういうことだ、三条」
思わずカゴを投げ出して土間へ顔を出した。
うわっ。
土間の真ん中、輪になって箱を組み立てているみんなが一斉にこちらを見る。
「さささ、三条くんっ、いまの話っ」
「あれ? お前、小夜から聞いてなかったのか」
翔太がポカンとしている。
ちょっとニヤリとした三条くん。
「お前、この前の一月十五日で十五歳になったんだよな?」
「え? うん」
そう。つい三か月前まで、あたしは十四歳だったのです。はい。
「俺の誕生日は四月四日だ。ついこの前の四月四日で、俺は――」
えええ、まさか。
「この前の四月四日で俺は、十七歳になった。お前とは一年九か月差だな。俺、去年は浪人してたんだよ」
「えっ? ええっ? ええええーーーーっ?」




