表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/87

2-2 もしかしてアンタってマニアなの?(4)

「ふん。あの日、保健室を出たあとすぐ、親父に電話したんだ。母親に知れる前に、俺から聞いたからもう連絡は要らないと学校に言ってくれって」

 あー……、そういうこと。

 仲がいいってわけじゃなさそうだけど、一応、お父さんは三条くんの味方ってことなんだね。

 でも、そんなにお母さんに知られたくないなんて、三条くんのお母さんっていったいどんな人なんだろう。

「あ、えっと、そうなんだ。それで、お父さんがあたしのこと知ってたのね。と、とにかく、今日はホントにありがと」

「まぁ、小夜の代わりに掃除することになった埋め合わせだ。それと、こんな大金、学校に持って来るんじゃない」

 いやいやいや、それよりもっと大きい額のお金をあなたは持って来ているじゃあーりませんか。そっくりそのままお返しします。

「う、うん。今後は気をつけるね。でも、どうして三条くんはそんなお金を持ってたの?」

「あ? これは独り暮らしの生活費だ。メシ代とか、そのほかもろもろ」

「生活費? そういえば、なんであのアパートで独り暮らししてるの? お家は近いんでしょ?」

「親父の勧めでな。まぁ、実のところ体よく追い出されたって感じだ。俺が居ないほうが、母親が穏やかに暮らせるんでな」

 追い出された?

 お父さんとは普通に話してたみたいだけど、お母さんと仲が悪いのかな……。

 ちょっと、返す言葉がない。

「えっと、その……、そんな大事な生活費で立替えなんてさせちゃって……、ごめんなさい」

「え? お前、なんでもかんでも謝るんだな。気にするな」

 なんか、複雑。

 軽薄なのか優しいのか、ほんとよく読めない人。

「あああ、あの、ごっ、ご飯はどうしてるの?」

「メシか? 外食はあんまりしないな。買って来たものを食うことが多い。一番食うのは食パンだな」

「そ、そうなんだ」

 ううう、ムズムズする。

 これはいかん。あたしのお姉ちゃんモードが……。

 待て待て待て。

 この人は、あの『パンツ見せろ』の三条聖弥だ。

 血迷ってはだめ。

 でもでもでも、あたしのためにあんなに一生懸命に……。

「えっと、それならまだ今日の夕ご飯決めてないでしょ? 今日のお礼もしたいし、前のお詫びもしてないし、よかったらうちに夕ご飯食べに来ない?」

「は?」

 うわぁぁ!

 なにを言っているんだ、あたしはっ!

「今日はカレーと唐揚げなの。朝、下ごしらえして来たから、あとはちょいちょいっと仕上げるだけ」

 いやいやいや、あたし、どうかしてるっ!

「お前がメシ作ってんのか。まぁ、それはありがたいが、そんなのお前の母親が賛同しないだろ。俺んちなら大変なことになるぞ?」

「大丈夫。お母さんにはいまから電話するから。たぶん歓迎してくれるよ?」

 ちょっと待てっ。

 お母さんには「そんなに親しくない」としか言ってないし、まだバッグを投げつけたことも話してないのにっ!

「そうか? お前の母親がほんとにいいのなら、邪魔させてもらうかな」

「うんっ。電話してみるねっ!」

 いいい、いったいなにをやってるんだぁっ、あたしっ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ