表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/87

2-2 もしかしてアンタってマニアなの?(2)

「キミの封筒、届いてるよ。キミが話してくれた行動経路と時間、それと中の伝票からみて、キミの物に間違いないだろう」

「えっ? 本当ですかっ! よかったぁ!」

 思わず、横に立っている三条くんを見上げた。

 チラリとあたしに目をやった彼は、そのままなにも言わず立ったまま。

 あ……、ごめんなさい。

 ぜんぶあたしが悪いのです。

 お巡りさんが、ちょっと顔を低くしてあたしを覗き見上げる。

「ただ、キミが宝満日向さんだと証明するものが必要かな。学生証とか、パスポートとか。顔写真付きで、キミが宝満さんだって証明できる公的なもの」

「えっと、パスポートなんて持ってないし……、学生証も、まだもらってないんです」

「もう四月も終わろうかっていうのに、まだ学生証もらってないの?」

 今年から、学生証が交通系ICカードをベースにしたものに変わるらしくて、一年生のぶんはまだ作るのが間に合ってないんだって。

 学割定期券とか買う生徒には、個別に在学証明書を発行しているみたい。

「そうなんだ。そしたら、親御さんに来てもらってもいいよ?」

「え? でも、お母さんは無理です」

「お父さんは?」

「お父さんは……、その……、居ません」

 お巡りさんが、ちょっと怖い顔であたしを見た。

「なるほどね。キミ、これ本当に支払いのために持ってたの? 家のお金を勝手に持ってきたんじゃないだろうね」

 あたしがそんなことするわけないじゃないっ。

 でも、この状況からしたら、やっぱりそう思われても仕方ないよね。

 ぜんぶあたしのせい。

「えーっと」 

「それならもう、学校の先生に来てもらおうか。先生にキミの身元を証明してもらおう。そして、お金のこと、先生と親御さんと一緒によく話してね」

「え? いや、あの――」

 そう言ってお巡りさんが電話の受話器に手を掛けたとたん……。

「ちょっと待ってくれませんか」

 ハッとして見上げる。

 三条くん、ものすごく怖い顔。

「ん? なんだい? 彼氏さん」

 かかか、彼氏さんっ?

「これって、わざわざ学校に連絡してことさら荒立てることですかね。彼女はまだ学校へ連絡することに同意もしていませんが、それはプライバシーの侵害に当たりませんか?」

 三条くん、ちょっと怒ってる。

 でも、すごく冷静。

「俺が彼女の身元を証明します」

 三条くんはそう言うと、お尻のポケットから革のお財布を取り出して、そこからカードのようなものを出した。

 あれは、運転免許証だ。

 え?

 運転免許証?

 どうして、高校一年になったばかりの彼が免許を持っているの?

「三条くんか。しかし未成年のキミでは、彼女の身元保証人にはなれない」

 お巡りさんは、三条くんの免許証を見ながらなにかメモをとっている。

 なにがどうなっているのか、意味が分からない。

「それなら、俺の父親ならいいですか?」

「キミのお父さんは彼女のことを知っているの?」

「知っています。なんなら父をここへ呼びます」

 えええ?

 なんで三条くんのお父さんがあたしのこと知ってるのっ?

「俺の父は三条建設のさんじょうきんです。こちらの警察署連絡協議会の委員で、会社を挙げて警察に協力させて頂いているので、ご存じと思いますが」

「あー、あの三条建設の社長さんか」

 お巡りさんがちょっと考えている。

 社長さん?

 三条くんのお父さん、社長さんなんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ