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日本消滅

作者: 一般言及人

202×年、日本は大きな危機に瀕していた。

国にはアジア系の他国人種が溢れ、数年前までの日本とは様変わりし、まるで昭和初期にまでタイムスリップしたかのようにスラムだらけに荒廃しきっていた。

貧富の差が歴然と生まれ、富を得るのはごくわずか、片手で数える数の企業トップとその数十倍の人数となる議員様だけである。

「日本は地の底まで落ちた。」

自国さることながら、海外先進国だけでなく、発展途上国であるはずのアフリカ諸国でさえ口を揃えて皆言った。

富を求めるため優秀な日本人はこの国から出ていき、飢えに追われた人々が重なり合っている。生きているかさえ分からない。

日本円は大暴落、現在ではまだ復興しているが、ピーク時は1ドル100万円台と化し、まるでジンバブエドルの再来であった。

もはやこの国は日本ではない。連合日本人民共和国と化していた。一昔前は首相がトップであったが、今はその首相の上に大統領と首席がいる。

まるで中国だ。

その通り。この国は日本ではない。中国の傀儡国家である。なぜこうなったのか。あの時の選挙、違う党に入れていれば…そのような後悔をする民はもういない。

なぜなら皆死んだから。

もっと早く気づくべきであった。あの時、すでに日本は掌握されていたということを。

最後の選挙、国民は皆立ち上がっていたはずだ。投票率も80%という水準に戻していた。とにかく、今の貧困から立ち直るために…

結果は右翼政党の惨敗。結局政党は変わらなかった、それどころか議席を増やしたのだ。意味がわからない。拮抗するならまだしもなぜだ。

その後外国人優遇政策が嵐のように可決されていった。

こうして日本は日本で無くなったのである。

現在の割合では純血日本人が2割にとどまり、在国、または他国純血の人種が8割である。

先ほどあげた富の座にいる議員に関しては9割以上が外国人である。

純血日本人は少子高齢化がさらに加速、ただでさえ辛かった重税がさらに重くなりほぼ生きれなくなった。

純血日本人はもう絶滅寸前である。

税収は3割上がったらしい。だが、まだ足りない。どういうことだ。

議員の懐に入ったのか?あるいは外国に譲渡したのか?そんなことは知ったこっちゃない。ある程度の知見のある人は全て投獄、死刑、あるいは無期懲役に課され、急に可決されたスパイ防止法は全て純血日本人に適用され、ついに、政府に疑問を抱くものはいなくなった。あとは脳死状態で死にゆくのを待つだけである。

このような未来を望んだ"本物の日本人"はいない。

そして、203×年、日本という称号は消えた。

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