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第98話転移しますか?

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 袈刃音が真っ先に向かった場所は二階に設けられたとある一室だった。

 一切の迷いも見せず、まるでそこへ急ぐ事が当然であるかのように少年は走った。


 彼がそうしたのは、辿り着いた先にある六畳程の部屋のベッドに母屋満実が眠っているのを知っていたからだ。


 満実はゾンビに噛まれた影響で、定期的にクロノの力によってゾンビ化の進行を抑えなければ生きていけなくなった。

 一日に一回の頻度で問題ないとはいえ、彼女は常に大きな爆弾を抱えている状態だ。

 未だ昏睡状態であるのもあって、満実の様子は基本的にクロノが見ていた。


 そう――部屋には、時空を操る力を持つクロノがいるのだ。


「何じゃと?其方、もう一度申してみよ」


「だから、俺を今すぐ日通戯(ひつぎ)通りの建物に送ってくれって!旭が危ないんだッ。お前の力なら簡単だろ?」


「愚か者が!袈刃音よ、其方(わらわ)の言葉を忘れたようじゃな。言ったはずじゃ、ここから――時花のおる場所から離れるなと。短時間であればいざ知らず、今出て行って、ここに戻って来るのにどれだけの時間を要すると思っておるっ」


 クロノは厳しい視線を袈刃音にぶつけて言った。

 だが、少年は怯んだ様子もなく短くこう返した。


「十分」


「ん?」


「俺を向こうに送ってから十分後、送った場所と同じ座標にあるモノを転移してくれ。その時に俺がそこに立ってれば、十分でここに戻って来れるだろ?」


「……おらねばどうする?位置を知らねば転移の術は使えん、故にその荒業で行くつもりなのだろうが」


「絶対、その時間に戻って来る」


 単独行動をクロノが許さないのは想像していた。


 それに、普通の転移では【ポイント】の消費が激し過ぎる。

 遊戯神からの妨害も避けられるなら避けたい。


 大勢を一気にこちらへ引っ張って来る方法としては、これが今、袈刃音に出せる最適解だった。


「「……」」


 あれだけ派手な身なりをしていたクロノも、今は下界に馴染む簡素な服装に身を包んでいる。

 淡い黄色のTシャツと短パン。長い髪はシュシュの代わりに(かんざし)で束ねていた。

 ともすれば、他の者の瞳にはただの若い人間の女性としか映らない外見だ。


 だが、その美貌から滲み出る迫力が、眼前の時空神を凡庸で無力な()であると袈刃音に認識させなかった。


 両者は視線を結んだまま微動だにしない。

 一瞬でも動けば固く縛った意思が緩み、動揺が生まれ、そこから一気に崩される。

 それは一種の根競べ。見えず触れず重くもない、しかし、確かに感じる圧力をどれだけ受け続けられるかの我慢比べ。


 目を瞑り、疲れたように溜息を吐いたのはクロノの方だった。


「……その言葉、努々(ゆめゆめ)忘れるでないぞ」


「分かってる」


 例え手足の一つや二つ失っても、時間通りに全員をこちらへ転移させてやる。


「転移術のため、【ぽいんと】を貰う。準備は整っておるのだろうな袈刃音」


「あぁ、いつでも行ける」


 所持【ポイント】の譲渡が完了すると、クロノは【基地システム】に組み込まれた権限を行使する。


「【転移】」









【・ご案内】

 下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。

 ブックマーク、感想などもよければ。


 作者のモチベーションとなります。


 《完了》





【次の話へ進みますか?】

【→はい/いいえ】

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