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第82話作戦会議をしますか?

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「……さてと、これからどうするか」


 あれから二日が経った。

 正確には、遊戯神の【守護者】・テラによるあの謀略を阻止してから、まだ三十六時間程だが。


 それでも、この世界で袈刃音は、『アンデッド・ゲーム』開始から遂に一週間目の朝を迎えたのである。それが持つ意味の大きさを考えれば、残りの十二時間など誤差に過ぎないだろう。


 少年が拠点にしている児童養護施設「さくらい」。その外では、数体のゾンビが行く当てもなく彷徨っているのみで、特段差し迫った脅威はない状況だ。

 とはいえ、それはここにいるのが袈刃音と響であったからに他ならない。

 人通りの少ない場所ではあったが、ここに辿り着くゾンビの数はかなり多かった。


 二日前のゾンビの大群に比べれば数段劣るものの、響の話によれば、少なくとも時間遡行前のこの時期よりも明らかに数が増えているのは確かである。

 袈刃音や響のようなゲーム経験者でなければ、とっくにこの施設はゾンビ共で埋め尽くされていただろう。


「そうだね。あの【守護者】連中の所為で、前よりも目に見えてゾンビが増えたけど、多分今日を乗り切れば段々マシになって来るだろうし」


 早朝、七時前。

 施設の応接室の中、袈刃音の声に反応を示したのは響だった。

 その隣で、時空神・クロノが足を組み直して彼女に視線を向ける。


「それは前の世界までの話じゃろう。かような事態にまでなっておるというのに、前回と同じようにいくとは思えんが」


「まぁ、多少はね。けど、時間が経てば、いずれ皆状況に適応していくのは確実でもあるよ。一応、一週間も時間があった訳だし」


「――だから、問題はやっぱ、これからどうするかだよな。ちょっとずつゾンビの勢いが弱くなって行って、暫くすればプレイヤー同士での殺し合いが始まる。逆に言えば、その間まではまだ平和。そろそろ、こっちの勢力も整えねぇと……ってのが、初めの目標だったんだけど」


 そこで袈刃音は言葉を切り、溜息を零した。

 脳裏に蘇るのは、人でもゾンビでもなく、それよりも遥かに上位の存在に関する記憶。


「【守護者】。アイツ等が何しでかすのか分からない、ってのが怖い。だったら、無理せずに、取り敢えずはこのメンツでやって行くのも悪くないんじゃないかと思ってさ。千華も真白さんも、ゾンビ相手なら大分戦えるし」


「……いや、それじゃ多分駄目だよ」


「え?」


 響の反対は少年にとって予想外の事だった。

 こちらと同じく、彼女は【守護者】の脅威を既に目の当たりにしている。

 袈刃音一人の時は旭が、響と出会ってからは恋と来道が、その直ぐ後には満実が命を危険に晒された。


 神出鬼没で、的確かつ徹底的に弱い部分を突いて来るような、連中のこれまでのやり口は、袈刃音達を動き辛くさせるには十分過ぎた。


 故に、響ならばこの考えを理解してくれるだろうと踏んでいたのだ。

 狐に鼻をつままれたような顔をする袈刃音を前に、響は口を再び開く。


「袈刃音、私達の最終目標は何だっけ。このゲームにおいて、私達が迎えたいと思うエンディング。それって一体何だっけ?」


「それは……決まってるだろ、全員生きてのゲーム終了だ」


「うん、そうだね。あのふざけた神には何も奪わせない。人も、未来も、生きる希望すら。――そのために、【守護者】は私達の手で排除する」


「……ッ!」


「反撃するんだ。奇襲は向こうからじゃなく、こちらから。罠を仕掛けるのも、思考の裏をかくのも、全部相手の先を行って」


 しかし、そこまで言うと、響は熱を持ち始めた自身の頭を冷やすように小さく息を零す。


「まぁ、今の所、奴等とまともに戦えるのは袈刃音だけだからね……私も、ほんの一太刀受け流しただけで腕が持っていかれかけたし」


 言いながら、彼女は布と板で固定した自分の左腕に視線を落とす。

 簡易的なギプスが守る彼女の腕は、確かシャーエイドロードとの戦いで負傷したのだったか。

 その後の無理もあって、少し悪化したらしく、出来る限りの処置はしたが今はまともに動かせられない状況だ。


 確かに、【守護者】の持つ異能力は総じて強力である。

 袈刃音が彼らの能力に対応出来ていたのも、【想焔】という規格外の性質を持った力があってこそだった。


「だから私達は、当然私も含めて、強くならなきゃいけない。けど、その前に人手だ。出来る事を増やすために、強くなるために、これまで通り仲間を増やすっていう方針は変えない方が良いと思う。で、反対意見は?」


 袈刃音は一瞬戸惑った。

 が、直ぐに決心し、響に向け静かに首を縦に振った。


 それを見て、クロノも小さく頷く。


「まぁ、妥当よな。神を相手に、逃げの一手では勝てる道理などない。文字通り命を懸けて戦って、やっと五分五分の勝負に持ってゆける。少なくとも、今のお主らではなぁ」


「そういえば、クロノさん、遊戯神の【守護者】ってどれくらいいるの?」


「十三人」


「結構、いるね……」


「そうじゃな、小娘。其方の言う通り、奴は手駒が多い神じゃ。(わらわ)も一部の【守護者】についてしか詳しく知らんが、連中は、腐っても神から力を授けられし者共。質の低いのは恐らくおらん」


「だろうね、厄介だ。じゃあ、早速動き始めようか」


 朝の作戦会議は、響のその言葉で終了となった。





























文月です。


忙しくなって来たり、短編作業にも追われていたり、風邪を引いたり……そうこうしている内に、大分間隔が空いての投稿となりました。

申し訳ありません(汗)


風邪は喉以外治りました。

※治ったと思って余裕かましていたら、また痛くなって来たという……。今回の風邪(アイツ)、中々やる奴ですよ。


さて、そんなこんなで第3章、遂に始まりました!

章のタイトルは既に考えていますので、あとでつけておきます。

若干の不安もありつつですが、頑張ってやって行きたいなと思います。


……と、言いたいのですが、もしかすると来週か再来週、どっちかで投稿休むかもしれません。

休まないかもしれないんですが、ちょっとその可能性があるなと。


ので、その埋め合わせも兼ねて、宣伝をっ。

はい、そうです。今年も夏がやって来ました、なろうの夏のホラー企画が。

今年も短編を出します。


タイトル:『怪奇探偵・不二峰レイカの幽霊譚』


多分、数日以内に投稿するかと思いますので、暇潰しにどうぞ。そんなに怖くはないので、気軽に読めると思います(ホラーとは?)。



【・ご案内】

 下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。

 ブックマーク、感想などもよければ。


 作者のモチベーションとなります。


 《完了》


【2024年7月21日・追記】

→今週の投稿について、数日遅れになるのですが投稿できると思います。

多分、水曜日くらいには間に合うかと……。



【次の話へ進みますか?】

【→はい/いいえ】

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