第74話隠密行動をしますか?
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そんな満実が向かったのは、やはり施設の裏庭だった。
庭、と呼ぶには狭過ぎる場所で、「砂利を敷き詰めた広めの通路」と表現する方が適切かもしれない。
目的の場所へ辿り着くまでには、大して時間を必要としなかった。
――問題があったとすれば、満実一人では既にどうしようもない状況になっていた事である。
「何これ、塀が……っ」
裏庭の壁。それは「さくらい」全体を囲う、高さ百七十センチ程のブロック塀の一面であり、今は迫り来るゾンビ達の侵入を防ぐ防波堤である。
その一か所が崩れ落ちて、人一人が余裕で通り抜けられるようになっていたのだ。
砕けた瓦礫が積み重なって小山が出来ていた。あの壁の一部だったものだろう。
これでも満実は多芸で、プロ並みの料理は作れるし、施設で壊れたおもちゃは全部修理してきたし、椅子や本棚くらいならば家具だってそこそこ質の良いのを自作出来た。
けれど、こんなもの、これだけ粉々になってしまった壁なんてもの、たった一人で修復出来るはずがなかった。
時間も、知識も、材料も全部が足りない。
一体どうして、こんな……二日前までは傷一つなかったはずなのに。
「ど、どうしよう」
一つだけ解決したのは、あの窓の外にいたゾンビの侵入経路の謎だ。
凡そ、あの生ける屍はここから「さくらい」の中へ入って来たのだろう。
ともかく、どうにかしてこの崩壊した部分を塞がなければ。
「そうだ、ポイントを使って……!」
壁の残骸の前に屈み、満実はその一つを手に持って見つめた。
ポイントがもたらす奇跡を、彼女は既に何度か目にしていた。この『アンデッド・ゲーム』で消費すれば、どんな願いでも叶えてくれるのだ。
施設を守るための罠や、生活に必要な物資は袈刃音のポイントによるもの。
しかし、その魔法のような力は、何も彼だけが使えるものではない。
「ポイント表示」と唱えれば、ほら。
◆―――――――――◇―――――――――◆
【プレイヤー名:母屋満実】
【保有ポイント:100(あと二日ゾンビと接触しなければ、ウィークリーミッションの報酬としてポイントが貰えます)】
【ポイントを消費しますか?:→はい/いいえ】
◆―――――――――◇―――――――――◆
安堵に、緊張し強張っていた満実の表情が緩んだ。
これなら塀の修復が出来るかもしれない。
「よし」
――コロ、コロ。
「っ、え?」
瓦礫の山から小さなコンクリートの欠片が落ちて来たのは、その時だった。
今日の満実は決して迂闊だった訳ではない。
単に、こういった状況に不慣れだっただけだ。
至る場所に潜む人の形をした怪物との、命懸けの鬼ごっこに。
けれど、それでも、どうして眼前に浮かぶ黒いボードにだけ意識を向けてしまっていたのだろう。
どうしてもっと周囲に注意を払っていなかったのだろう。
――周りには人肉に喰らい付く不死者が隠れているかもしれないというのに。
「――ひっ!?」
満実が見上げた先には、ゾンビの無機質で血に塗れた顔があった。
文月です。
投稿が遅れてすみません。
気が付いたらリアルの方で、色々なものが迫って来てました。
ヤバかった……。
それはさておき、【重要なお知らせ】を。
というのもアンメモ(タイトル長いので略してます)、第2章終了以降のお話です。
結論から→3章、やります!
理由はいくつかあって。
まず、書くスピードが遅い事を気にしている、みたいな話を以前どこかでしていたと思います。
ので、今年は少し実験をしてみたいなと思いました。成功すれば御の字、失敗したら……まぁ、その時はその時で。
単純に、まだ書きたい内容から離れてないし、今後努力次第で面白くできるんじゃないか。そんなポテンシャルも感じています。
それと、やっぱりPt評価、ブクマ、いいね等のおかげでモチベーションが死んでいないというのも大きいです。
という事で、まだストーリーはあんまり固まってないですが、3章もやっていきたいなと思います。
応援頂ければ、マジでうれしいです。
よろしくお願いします!
――
【※追記・2024/4/16】
すみません、ちょっと投稿が遅れます!
今週の水曜くらいには上げられると思いますので。
――
【・ご案内】
下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。
ブックマーク、感想などもよければ。
作者のモチベーションとなります。
《完了》
【次の話へ進みますか?】
【→はい/いいえ】




