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第63話ボス急襲イベントが発生しました

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「……ぇッ?」


 神の使徒たる少年が(くう)へ跳び上がり、頭上より振り下ろしたのは、影のような(もや)を纏う大剣。

 鉄製の盾を構えてですら、容易く人間の体を一刀両断してしまえる斬撃だ。


 だが、それは常人であればの話。


「っ、おや?」


 ならば、同じ運命を幾度となく繰り返し、その中で獲得した能力を継承した者ならばどうか。

 受け継いだ力が、【剛力】だけに(とど)まらないとすればどうか。


 ◆―――――――――◇―――――――――◆

【プレイヤー名:三浦(みうら)袈刃音(かばね)

【ギフト名:鉄壁。50ポイント消費に付き、身体(フィジカル)能力(アビリティー)の内、防御力を1強化】

【防御力値:5→5(鉄壁による補正値+0)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)(+20)】

 ◆―――――――――◇―――――――――◆


「……くッ」


 恋に届くはずだった神の【守護者】の一撃は、その前に立ち塞がった袈刃音の右肩で停止していた。


 食い縛る歯と服に滲む血。

 同じく鮮血が伝う左腕は、刃がこれ以上肩の肉を裂かないよう刀身を防ぎ止めている。


「何してる、逃げろ早く!」


 恐怖に体を支配され、動けないでいる恋に向かって袈刃音は叫んだ。


 直後、腕で大剣を押し退ける。

 そうして、跳ね返され、着地のため宙で体勢を整えようとした【守護者】に――少年は横からバールを叩き込んだ。


 漫画のように吹き飛んでいった敵を尻目に、背後の恋へ振り返る。


「ほら、今の内に!」


「ぁ、ぇ。う、うんッ」


 言われるがまま、少年は部屋の外へと走り出した。


 敵は腐っても神からの刺客だ。

 今の殴打くらいでは、また直ぐに起き上がってくるはず。


 一刻も早く恋をここから避難させなければ。


「逃がさないのですよ」


 正面に顔を向け直した直後、背後より届いたのは、袈刃音の眼前にいるはずのシャーエイドロードの声。


 後ろに視線を戻した時、既に奴は左手で恋の腕を取っていた。


 予備動作を終え、虚空に置く右手の大剣。

 敵の手は、振り払おうにも、まるで石像に掴まれたかのように動かない。

 恋が味わったのは、一時間が一秒に凝縮されたかのようなあまりに濃密過ぎる時間。


 その中で、【守護者】の口元が鋭く裂け、残酷な笑みを形作るのを少年は確かに見た。


 狩られる。


 巨大な剣が振るわれる寸前に、そう悟った。


 ――だが、横から猛スピードで駆け抜けて来た(ほのお)が、シャーエイドロードの拘束を強引に断ち切った。


(あつ)ッ」


 咄嗟に後ろへ跳んで回避したシャーエイドロードだったが、直後、背中にナイフを突き付けられたような殺気を浴びせられる。


「ッ!?」


 見れば、赤い焔を纏う()がそこにいた。

 三浦、袈刃音が。


 焔によって浮き彫りになった影によって、半ば隠れている俯きがちな顔。

 しかし、その闇の中で、切り裂くような眼光がこちらを睨み付けていた。


「……(さわ)んな――ソイツにッ」


 ともすれば、袈刃音の言葉に宿っていたのは明確な殺意だった。


「っ。ほう……いつぶりでしょうか、ワタシが後退るなんて。面白いのですよ、アナタ」


 シャーエイドロードは、大剣の切っ先を袈刃音に向けて言った。

 幼くも不敵な笑みと威圧的な瞳が向かい合う。


 張り詰めた空気の中、敵に気取られないよう注意しつつ袈刃音は恋を一瞥した。

 死を直感したからか、あるいは袈刃音の怒気に気圧されたからか。

 いずれにしても、出入口の手前で完全に腰を抜かしている。


 ――いっそ、連れて逃げるか?


 そんな考えが脳裏に過った。


「カバネ君」


 その時だった、ビャクヤの声が恋のいる方から届いたのは。







文月です。


ここまでで約16万文字、もうちょっと投稿出来れば良かったなぁ……というのが本音でしょうか。

来年の抱負は「執筆速度を上げる」で確定ですね。ストーリーの質も上げていきたいところっ。

兎にも角にも、書籍化作家を目指して引き続き頑張っていこうと思いますので、応援よろしくお願いします!


【ちょっとお知らせ】

1月の投稿はちょっと少ないかも。忙しくなりそうな予感と、もう一つの連載の方も書かなきゃなので。あと、3が日の連投はやっぱり理想で終わりそうです(※なお、活動報告ネタ)……無念。


《完了》


という事で、良いお年を!



【・ご案内】

 下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。

 ブックマーク、感想などもよければ。


 作者のモチベーションとなります。


 《完了》





【次の話へ進みますか?】

【→はい/いいえ】

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