第60話謎キャラに話を訊きますか?
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「人っ……」
「うん。あの二人の方が、私より先にこの階に来てたから。その、何か知ってるんじゃないかな?」
インターンに来たという女性が、通路に現れた二人を見つつ言った。
黒縁眼鏡の少女と、蒼い瞳に薄金色の髪の青年。
どういう組み合わせかは疑問だが、今は彼らが頼りだ。
恋達の行方を知らないか尋ねようとした袈刃音。
ただ、眼鏡の少女が口を開く方が早かった。
「あの、あのっ!下から来られたんですか?」
「えっ、あぁ……うん、そうだけど」
「はぁ~良かった、本当良かったぁ。私、心細くてですね。誰か来ないかずっと待ってたんです!いえ、そちらの隣の方は、確かにさっきまで一緒にいたんですけどね。一度目を離したら、いなくなってまして――」
「はいはい、ニイナそこまで。話が進まない。向こうは確か、俺達に何か訊きたいみたいに話してたじゃんか」
「ぁっ、すみません。つい……」
青年に諭された新奈は、ハっと気付いたような顔をすると、申し訳なさそうに言った。
「で、何を聞きたいんだっけ?えっと」
「袈刃音、三浦袈刃音です。人を探してて、あの、このフロアに子どもいませんでしたか?中学生で、男子なんですけど」
「……へぇ、ミウラ・カバネか」
「?」
「あぁいや、何でも。そうだね俺の見た限りだと――」
しかし、そこで青年の声が、何かが落ちる音によって途切れた。
袈刃音達の視線が音のした方へ向くと、女性が倒れていた。
近くには最上階へ続く階段。まさか転落したのか。
女性が痛みを堪えながら、むくりと起き上がる。
「……ぁ、ぁあ。た、たす、助けて…………」
少し距離がある所為で見えにくいが、血塗れだった。
片足を引きづってこちらに近付きつつ、女性は血で汚れた手を縋るように伸ばす。
そうして――突然階段から転がり落ちて来たゾンビに襲われた。
「「「「ッ!?」」」」
甲高い悲鳴が聞こえて来たが、女性は既に救える状況になかった。
ゾンビに巻き込まれるようにぶつかり、倒され、貪るように噛み付かれてしまっていた。
袈刃音が新奈を見ると、両手で口元を覆って言葉を失っていた。
けれど、そんな彼女や袈刃音達を置き去りに、事態はさらに悪化していく。
「ッ!クソ。あいつ等、下に集まって……ッ」
続々とゾンビが九階から降りて来る。
袈刃音は、亡者達の群がる方へ駆けた。
一体目、二体目、三体目……と、少年の振り回すバールが、生ける屍共を次々に薙ぎ倒していく。
そんな中、背後の階段から新たに現れた不死者が一体。
敵に気付いた袈刃音だが、迎え撃つ前に薄金色の青年がゾンビに体当たりした。
怯んだ不死者。すかさず袈刃音はバールを振るった。
数秒、階段を睨むと、少年は小さく息をつく。
――もう、降りて来ないか……。
青年の方に顔を向ける。
「ありがとうございます」
「いや、俺が何かしなくても、君なら何とか出来た風に見えたけど。カバネ君」
「それでも、助かりました」
外国人。いや、日本語を話しているしハーフだろうか。
どちらにしても、この建物では未だ神の【守護者】のゲームが継続中だが、敵意は感じない。
「俺はイチジョウ・ビャクヤ。堅苦しい話し方はナシでいいよ」
「……そ、そっか。えっと、分かった」
「ん、そうだ。さっきの質問だけど、子どもはいないよ。てか、この階には俺達以外に人はいないね。死体ならあったけど。もしその子がいるなら、多分この上だろうね」
「――っ!それ、ホントに?」
ビャクヤが告げると、袈刃音は焦りを滲ませた声で訊き返した。
「あぁ。少なくとも、俺と向こうのニイナが見た限りではね」
ビャクヤの後ろに佇む新奈の方に目を向けると、彼女はコクコクと無言で首を縦に振った。
一応、その隣の女性にも視線を寄越すが、頼りなさげな眼差しでこちらを見るだけだった。
「マジかよ……っ」
九階には複数のゾンビがいた。
もしも恋か来道のどちらかが、そこにいたのだとしたら――。
「教えてくれてありがとう。非常階段は安全だから、皆そこから一階に降りて。多分、俺と同い年の緑髪の女の子がいると思う」
出来る限り短く伝えるべき事を話し、袈刃音は最上階への階段を急いで上って行った。
文月です。
お知らせしていたとはいえ、投稿が遅れて申し訳ありませんでした。
ギリギリ木曜までに投稿出来てよかった……。
カクヨムでの投稿も進んでます。来年の1月末までになろうの最新話に追いつけそうですね。
読者さん、どのくらい付いてくれるかな。
それでいえば、なろうのポイント評価がもうすぐ100になりそうですね。
応援、ありがとうございます。モチベーションになっております。
それと、今話は先週投稿するはずの内容が遅れただけなので、ノーカンということで。
今週分はちゃんと投稿します、3日か4日以内に。
【・ご案内】
下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。
ブックマーク、感想などもよければ。
作者のモチベーションとなります。
《完了》
【次の話へ進みますか?】
【→はい/いいえ】




