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第38話約束を覚えていますか?

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「そっか……行くんだね袈刃音。そうしたら、またちょっとだけ寂しくなるなぁ」


 記憶の中の少女が紡いだ言葉は、真っ白い吐息に混じって空気へ消えた。

 寒空が泣いていた。その冷たい雨に濡れないよう、少女は傘を差す。


 水玉模様の小ぶりな赤い傘を、太陽を失ってくたびれたような周囲に映える真っ黄色の傘を、可愛らしいピンク色の傘を……。

 脇に多く抱えた傘を、足元にいくつも立つ手作りの墓へ順に立てかけていく。

 そうして、自分の雨傘を中央の一際大きい墓へと持っていった。


母屋(おもや)満実(まみ)


 それが墓石に彫られた名前だった。


「私はまだ、この世界に家族がいるから。血なんて繋がってなくても、お母さんの代わりに守んなきゃだから。だからさ、約束」


 こちらへ軽やかに振り向いて、彼女は袈刃音を送り出すように、優し気な微笑を浮かべた。

 それは、三浦袈刃音の中に眠るかつての記憶。


「袈刃音の時間遡行が上手くいったら、私も袈刃音のことを思い出す。【ポイント】で絶対に。それで一緒にやり直そう」


 あるいは、とある少女との間で確かに交わされた約束だった――。












文月です。

ということで、第二章開始です(章のタイトル決めてないけど、どうしよう)。


つたない部分もありますが、ぜひ応援いただければと思います!


【・ご案内】

 下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。

 ブックマーク、感想などもよければ。


 作者のモチベーションとなります。


 《完了》





【次の話へ進みますか?】

【→はい/いいえ】

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