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111/113

第111話本当に伝えますか?→YES/NO

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 束の間の沈黙、俯く恋の拳は固く握られ小刻みに震えていた。


 まるで何かを堪えているかのようだった。

 袈刃音への激しい怒り、表面上にはそう見える。

 けれど、ならばどうしてだろう。どうして恋は振り向きもせず、こちらに突き刺すような眼光を向けないのだろう。


 どうして――どこか、()()()()()()()()()


「……お前が性根の腐った悪党なら良かったんだ。響を騙くらかして、我が身可愛さに自分の盾にして殺して、そういう善人ぶったクズだったらこんな苦しい思いなんかしなかったのに。トゥラヌアの言った通りだと思ってられたのに。お前が馬鹿真面目に自分を殺そうとした奴まで助けようとするから悪いんだ。間違ってたのは俺だって、裏切ったのは俺の方なんだって急に惨めになったじゃねぇか」


「……れん」


「お前が悪いんだ……お前が」


 嫌な予感がした。胸がざわつくような、掌から不意に何かが零れ落ちてしまいそうな、そんな不安が袈刃音の心を撫でた。


 なけなしの力を振り絞り、不可視の壁を押し破ろうと()く。


 無論、その程度の事で壊れるはずはない。これは恐らく神の【守護者】が生み出した檻のようなものなのだ。


「れん、おい……!ま、て」


 けれど、今動かなければ、この壁の向こうへ手を伸ばさなければ……。


 恋には一度、裏切られたのかもしれない。

 今ですら、もしかすると嫌われていたっておかしくない。


 でも、それでも関係ないのだ。

 今や敵意で溢れかえったこのゲームフィールドの中で、味方のほとんどを失った中で、葉山恋は袈刃音を――


「ごめんな、もっと早くから信じられなくて。……ここからは俺が何とかする。大丈夫、トゥラヌアには上手く誤魔化しておくし、ちょっとくらいは時間を稼げるはずだから」






 そう言って歩き出した恋は、次の瞬間、横から飛び出してきた鋭い剣に頭を貫かれ絶命した。






お待たせ致しました。


【・ご案内】

 下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。

 ブックマーク、感想などもよければ。


 作者のモチベーションとなります。


 《完了》





【次の話へ進みますか?】

【→はい/いいえ】

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