第104話掴まりますか?
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「うぉらッ、死ねぇ!」
怒鳴り声と共に男が大槌を振り下ろす。
一切の躊躇もない力任せの一撃を、袈刃音は後ろに跳び退いて回避した。
「落ち着いて下さい!俺は敵じゃ――」
「うるせぇ!」
「っ!?ちょッ」
制止の声を掻き消すように大槌が再び振るわれた。
袈刃音は同じように攻撃を避ける。だが、その背後に敵意を宿した影が迫る。
振り向いた瞬間、男の持つバールの切っ先がこちらへ叩き付けられた。
――鉄の塊が風を切って鈍い音を生んだ。
寸前の所で袈刃音が体を半回転させ、バールを躱したのだ。
それでも押し寄せる殺意の波は静まらない。
こちらの命を狙って続々とプレイヤー達が集まって来る。
「囲めぇ!逃げられるぞ」
「速く!もう時間ない」
「おい、そこの二人!さっさと殺れぇッ」
「殺せ!」
攻撃に、いや、それ以前に殺意を抱く事それ自体に一切の躊躇がない。
様子を見ているだけで分かる、この場にいる誰もが三浦袈刃音の死を心の底から望んでいるのだと。
――クソ……ッ
袈刃音は勢い良く駆け出し、プレイヤー達の包囲網を抜けて走った。
昨日から降り続いている雨の中に足音と息遣いを、明かりの消えた建物の闇に身を隠す。
「クソ、どこ行った?」
「まだそんな遠くに行ってないはずだ、探せ!」
追手は直ぐにその後を追って来たが、こちらの居場所を見失っていた。
今の内だ、と少年は気配を可能な限り消して一歩踏み出す。
その手を何者かに掴まれた。
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《完了》
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