夢をみたの
夢をみたの
私はなりたい顔をしていてナイスバディで
好きな人と愛し合っていて
なりたかった職業に就いて
大好きな友達と美味しいディナーを食べて
お母さんとお父さんに挟まれて眠るの
甘く幸せな夢をみたの
朝起きて
顔を洗って鏡を見ると
私は私でしかなくて
それは恐ろしいくらいの現実
夢とは正反対な現実
眼は小さくて丸い背中で
好きな人とは付き合えなくて
代わり映えのないOLで
友達とは疎遠で
両親とは数年に一度しか会えていない
それでも、目が覚めてよかったの
甘く幸せな夢の中に
私だけはいないから
朝日に向かって伸びをする
私が今日も私であって
それがとても
幸せなの
人の夢の話を聞くのが好きです。
たくさんの突拍子のない話は、どんな短編小説より面白いと思うのです。