拾いましたの!
「悪役令嬢、拾いました!しかも可愛いので妹として大事にします」を読ませて頂いていて
頭の中でマリアが動き出したので書きました
ああ 今日も婚約者様は浮気相手の侯爵令嬢ローズさまと
堂々と逢瀬を楽しんでいた…
もうしんどいなー
婚約破棄とかされちゃうんだろうなー
わたくしが見ていると気付いてて
ニヤリと笑って ローズさまとキスしてた…
見せ付けられた…
もうお父様に泣きつこう…
王子さまとの婚約者が決まった時は嬉しかった
わたくしと王子さまの子供が我が公爵家の跡を継ぐ約束の婚約…
ローズさまの美しい顏
心に響く美しい声
素晴らしいプロポーション
輝くようなブロンドの波打つ美しい髪
一を聞いて十を知る頭の良さ
話題の豊富さ
勝てるところなんて親の爵位だけ
落ち込みながら馬車で帰宅途中
ほにゃほにゃ
と言う声が聞こえたので
馬車を停めて貰い外に出ると
籠に白い布が被せてあり そこから声が聞こえる
籠には
「拾ってください」
の文字
きっと子猫に違いないわ
籠を持つと
重い…
大人猫?
え?
こんなに可愛い声で?
被せていた布を捲ると小さな赤ちゃん!!
このまま放っておけない!
連れ帰ることにしました
お父様とお母様にことの成り行きと
赤ちゃんを引き取りたいことを伝えると
「拾ったからには責任を持って愛情深く育てなさい」
とお父様が仰り、お母様は赤ちゃんを抱っこして
「懐かしいわね」
と笑顔
わたくしの乳母ではミルクは望めない
乳母を雇うか山羊を飼うか
おしめの事
そこから「自分でやりなさい。マリアが拾ったのでしょう?」と言われ
てんやわんやの生活がスタートした
この時 わたくしマリア10歳
ローズさま16歳
婚約者様は16歳だった
拾った赤ちゃんロザリア(ローズさまにあやかった)生後2週目?
3年がっ経った
ロザリアは可愛い!
我が家の天使!
お父様もお母様もお爺様もお祖母様も使用人全てもメロメロ!
養子にするのは難しいと思っていたところ
お爺様がロザリアを養女としたの!
可愛さ勝ちですわ!
そんな中、お茶会のお誘いがローズさまからきた
お茶会に行くと
他の参加者はいらっしゃらない様子…
何故 わたくしだけ?
ローズさまの隣には見目麗しい男性といらっしゃった
「マリアさまいらっしゃっいませ」
相変わらず素敵なローズさまの声にぽーっとしてしまいました
「お誘い頂きありがとうございます。
不躾で申し訳ございません。
お隣の素敵な男性はローズさまのご婚約者でらっしゃいますか?
美男美女でお似合いでございますわ!素敵!!!」
お2人が
「え?」
と
「申し訳ございません。
御挨拶だけでもと思い伺ったのですが…
わたくしの為だけでしたのでしょうか?
重ね重ね申し訳ございません。
用事がございまして、早く帰らねばなりませんの…
お父様とお母様が迎えに着てしまいました…」
不義理を詫びつつ
まあ ご婚約者と2人でお茶会で楽しまれるわね!
あら?お父様とお母様のお顔がおかしいですわね?
「申し訳ございません。このお詫びはまた!失礼致します!」
ペコりと挨拶をし、ロザリアと両親と祖父母の待つ馬車に乗り帰宅しました
まあ 用事ってロザリアのお誕生日会ですけどね
はぁー見目麗しいカップルを見れて眼福ですわ
うふふ
何故か、王城に呼ばれ王様と王妃さまからお詫びをいただきました
何故でしょう?
慰謝料とか凄い額頂いたのですが
何の慰謝料?
お爺様から邸に帰ってから質問すると(お父様もお母様も怖いお顔なので…お祖母様も)
王子様の有責で婚約破棄になった事を教えて頂きました
すっかり忘れておりました
年齢も年齢ですしお茶会も舞踏会も関係無いのと
婚約者様からのプレゼントやお手紙を貰ったこともありませんでしたし
すっかり忘れておりました汗
第三王子と婚約の話が出たそうですが、お父様はお断りになったそうです
可愛い天使のお世話をしないといけないので暫くは結構ですわね
元婚約者様はローズさまのお家に婿養子になられたそうな
お2人のお幸せを祈っておりますわね!
そういや、お茶会に呼ばれたけど
あれはなんだったんでしょうねぇ…
あ!
ローズさまの隣に居た素敵な男性が元婚約者だったんだわ!
多分…きっと…
自信が無いですけど…
ロザリアが泣いているから
行かなくちゃ!ですわ!
生き物を拾ったら責任を持ってお世話しましょう!
我が家のにゃんこの鳴き声は新生児の様なほにゃほにゃ鳴きです
7歳ですが(笑)