カスの寿命
久しぶり!!
零れたのだろう菓子のカスがこたつの天板にある
それをだれも見て見ぬふりして掃除しないから
これはきっとなかなかの寿命があるとみた
私もこれを見て不快に思い目を瞑る
目を瞑れば暖かく熱いこのこたつは
私を眠らす
外は廊下は部屋は寒いものだから
よく眠れる
誰も起こさないが自然と目は開く
身体は起きないのだが目は開いてくれる
何れぐらいたったのか
五時を知らせるチャイムが外から聞こえた
重たく怠い身体をどうにか起こす
すると菓子のカスはまだあった
誰も見て見ぬふりするから
黒い天板にはまだ菓子のカスがあるのだ
そのカスは次第に動きだし
天板を縦横無尽し我が物顔で居座る
なんとも不健康そうな男性をみた
男性は咳をし血を吐く
吐かれたその血は次第に酸化していき
黒く固まる
その塊は次第に黒い天板となった
天板のしたにあるこたつは
よくよくみていたら餓鬼の塊だった
緑なこたつの布団は不思議と煌めき
依然と薄汚れていた
とある清掃員がそのこたつを見て
まとめて捨てた
その中にいる小さな私はそのまま
清掃車の中に入って
圧死殺され
抽出されたその血は酸化していき
黒く固まった
これは幻想か幻想を夢見たか
天板にはまだ菓子のカスがあった
私はそのカスを近くにあるゴミ篭をよせて
塵紙でまとめ捨てた
つづかない( ̄ー ̄)