レッドドラゴンの背中
アンデット系がいる村がある!
そこに四人で乗り込んだが……。
次の朝 カーテンからの木漏れ日で目が覚めた。
「さて 今日は レベル100に挑戦だ!
レッドドラゴンの実力も見てみたいからな。」
リビングに出ると 既に朝食が用意されていた。
「おはようございます アキラ様」
「おはよう! キララ! いやー美味しそうな
朝食だねぇ やっぱりキララは上手なんだね」
「ありがとうございます。昨日はゆっくり
されましたか?」
「あぁ 寝れたんだが 夢の中でユーアが出て
来たよ 俺の隣で 寝てたんだよ はははっ」
「アキラ様 申し難いのですが それは現実で
ございます。 朝方に アキラ様の寝顔を見たい
とユーア姫が 突然言い出しまして 部屋を出て
行ってから 30分程で 戻って参りました。
てっきり いい仲になってしまわれたのかと
思いました。」
「はぁ アレ 現実? ユーアには困ったもんだ」
「アキラ様 ユーア姫は 母親の愛情をあまり
知らずに育ちました。そして新しい母は
毎日の様に イジメが続いておりました。
側から見ても お可哀想でなりません。
どうか アキラ様 ユーア姫にも お声を掛けて
出来れば 夜にでも お誘い下さいませ。
本人も そう願っております。」
「いやーそう言ってもね 隣の部屋は マリアも
いるしさぁ そこんとこ 分かってくれるかなぁ」
「はい 充分理解しております。ユーア姫は
結婚願望よりも 肌の温もりが欲しいのです。
ですから そこら辺をどうにか……。」
「うむ そうかでは 頭の隅でもいれておくよ」
「どうも ありがとうございます。」
「おはよう!アキラ!」
マリアが起きて来て
続いて ゼファーも出て来た。
「おはようございます ご主人様」
「おぉ おはよう! 今日はお前が頼りだぞ!」
「お任せ下さい! 存分に発揮致します!」
「アレ ユーアは?」
「見て参ります。」
暫くして ユーアとキララが 来た。
「おはようございます アキラ!」
「おはよう!ユーア 大丈夫なのか 何か具合でも
悪いのか?」
「いえ 体は大丈夫なのですが 朝方アキラの
寝顔を見ている内に 何故か悲しくなって……」
「ちょっと ちょっと アキラの寝顔って何?」
マリアが突っ込んで来た!
「マリア何でもない 俺が少しからかっただけ
だよ 気にするな。」
相変わらず 頬っぺたを膨らまし 拗ねているマリア
「ご主人様 今日は何処の狩場に 向かわれます?」
ゼファーが 良いタイミングで 話しを折ってくれた
「うむ ゼファーに聞こうと思っていたんだが
レベル90-100位で 良い狩場はあるかい?」
「はい ございます。 ここから1時間程ありますが
山の麓に 小さな村がございます。 その村は以前は
人間達の村だったのですが 今は死霊の棲家と化し
ております。奴らは炎に弱点があり 私とは相性が
とても良いと 思われます。」
「ほほう いい所を 知っておるな。そこにしよう!
マリアも 炎系の魔法で頼むぞ! えーとユーアは
どうする?今回はレベルが高いぞ 残るか?」
「いえ 私も行かせて下さい! 実は私はヒールを
使えますので、後方からの支援を致します。」
「おぉ それいいぞ! ヒーラーがいるとは
頼りになる!」
「では キララは 夜の美味しい食事を 頼むな!」
「はい、お任せ下さい!」
城の外に出て少し離れた所で ゼファーが ドラゴン
に覚醒した!
それを見て ユーアは驚きを隠せなかったが俺が
経緯を説明し 理解してくれた。
「ねぇ アキラ〜 レッドドラゴンも 味方にする
って一体貴方は……。」
「はいはい ユーアさん 分かってます。アキラは
本当に素晴らしい方なんです!」
「ご主人様 私の背中に お乗り下さい。人間の
三人位なら 何ともございません。」
「おぉ そうか では皆んなゼファーに乗せて
もらって向かうぞ!」
アキラ一行は 山の麓の村に向かったが
疾風の如く飛ぶ ドラゴンの背中は大きくて頼もし
い背中である。
ゼファーを仲間に出来た事を 今更の様に感激した
アキラだった。
「ご主人様 下に見えるのが その村でございます」
「よし 少し離れた所に 降ろしてくれ。」
「了解しました!」
一行が降りてから
「ゼファーよ お前は空からの攻撃で
あのお得意のブレスを 奴らに見舞ってやれ!」
「はい!ご主人様!」
ヅサーーーーーーーーー!!
ゼファーは空高く羽ばたいて行った!
「よし 俺達は地上からだ!
マリアは後方で 魔法攻撃を連発!!
ユーアも やはり後方で ヒール支援管理!!
俺はいつも通り 撹乱しながら止めて 倒す!
いいな!」
「はい!」
「了解!」
三人は 村の入り口に立ち 様子を伺うと いきなり
リッチロードのオンパレード!
コイツらは アンデット系でも 魔法を使えて更に
ロードとなると HPも断然格上の魔物だ!
それが20体以上も ウロウロしている!
「システムよ コイツらのレベルは?」
[システム]
リッチロード: 25体 レベル101-102
スケルトンファイター:30体 レベル95-98
スケルトンロード:18体 レベル101-103
デスナイト:26体 レベル105-106
デスファイター:35体 レベル110-112
「おい! これは不味い! リッチロードだけじゃ
ない! 100体以上も まだ見えない所にいる!
下がるぞ!」
三人は ゆっくりと後ずさりしたが 一匹の
リッチロードに見つかった!
すると連携して他の 魔物達が 此方に気づいて
一斉に襲って来た! その数100体以上。
「逃げろーーーーーーーーーー!!」
慌てて三人は 村から遠ざかったが 間に合わず
100体もの魔物は 後を追って来た!
その時だった!
遥か上空から 超音速で迫る一体のドラゴン!
レッドドラゴンが 急降下しながら得意のブレス
攻撃を発した!!
そのドラゴンのブレスをまともに受けた アンデット系の魔物達は 一面 火の海に投じられて 次々と
倒されていった。
ものの10分足らずで 簡単に勝負はついた。
レッドドラゴンの 完全なる勝利だ。
三人の前に降りた ゼファーは
「ご主人様 全て アンデットは焼き尽くしました」
「炎が弱点のアンデットだとはいえ 一人で全て
倒すとは 全く恐れ入ったよ。やはりお前は
ドラゴンの王だな 認めるよ。」
「お褒めの言葉 ありがとうございます。」
「ゼファーって 本当に強いね ねぇ一回人間に
戻ってくれるかな?」
「はい こうですか?」
「ご褒美よ!」
ユーアが ゼファーに口づけをした。
「あっ ご主人様の前で その様な事……」
「いや ゼファー 俺からも したいくらいだよ
本当に ありがとう!」
「ご主人様 ご冗談を……」
「あぁ 冗談だよ ははははっ!」
「ハハハハハッ」
[システム]
アキラ: レベル101になりました。
マリア:レベル99になりました。
ユーア:レベル66になりました。
ゼファー:レベル110になりました。
「さぁ 今日は帰ろう! キララの飯が待ってる!」
「オォーーーーー!!」
俺達は ドラゴンの背中に乗って 我が家に帰って
行った。
まだまだ冒険は続く