更なる明日へ
兵と経済を立て直した デュークアキラは
再び冒険の旅に出る決意をした!
俺とゼファー マリア ユーア キララは会議室にい
て朝から昨日の兵の事で 会議をしていた。
「先程の通り 確保した1万の兵の 住居をまず
ユーア国務大臣 手配を頼む。それと兵役の無い
時は 畑を耕せる様にして 土地も与えよ。
また 前に申した ユーアとゼファーのサブの職だ
が 決まったか?」
「はい 武のクラスは5人を決めております。」
「文の方は10名を 決めております。」
「よろしい! では武の者5人を将軍とする。
そして文の者を将軍のサブとして2名 づつ隊長
職でつかせる。そして更にそのサブの下に 1万の
兵の中から 秀でたる者を20名選び 隊長の下に
2名づつ 小隊長としてつけろ。
小隊長は500人を管理し 隊長は1000人を管理し
将軍は2000人を管理する体制を作る。
そしてその全てを 束ねるのが ゼファーお前だ」
「はっ 謹んでお受け致します!」
「それから 将軍と隊長、小隊長職は住居も別格に
しなさい。家族も同居出来るの様大きくな。」
「心得ました!」
「これで 兵はよろしい。 次に税の事だが ユーア
どうだね 国民の暮らしは?」
「はい 実は昨年の干ばつの影響もあり あまり
よくありません。景気自体は農業が中心ですので
天気に左右されます。農業からの脱却もある意味
必要と思われます。」
俺はふと馬車を乗っている時を 何故か思い出し
その時のガタガタ走る馬車が 道路も舗装されて
いないのも手伝って 乗り心地が非常に悪るい。
それで 酔いそうになった事を 頭に浮かんだのだ。
俺は前の世界では 舗装道路の上 車を乗っている。
だから 余計に感じたのかも知れんが もしこの世界
の人が 車の様な 乗り心地良い馬車に乗ったら…。
そうだ この世界に 工業を発展させて 乗り心地良
い 馬車を作って見よう!
「君達は バネを知っているかい?」
「はっ バネ ですか? ゼファーは知ってる?」
「あっ いや存じておりません。」
「うむ 知らない方が 都合いい
では 剣などを作る工場は 何処にある?」
「はい 城から少し離れた所に ドアーフの工場が
ありますが それが何か?」
「では ユーア そこに案内してくれるか。
会議は一度解散する。」
それから 俺と ユーアはドアーフの工場を訪ねた。
少しバカにしていたが そこは結構立派な工場で
鉄を鋳造し 剣や盾 防具などを生産している
「ここの責任者と 話がしたいので お願いする。」
「これは これは 城主自ら こんな無愛想な所に
お越しになるとは どんな風の吹き回しですか?
私が ここの長で アイザックと申します。」
「アイザックさん 早速だが この様な物はここで
生産可能だろうか?」
俺は サスペンションの絵を描いて来ていた。
それを見て アイザックは
「この グルグルしたものは なんですか?見た
事が無いですが」
「はい これは馬車に使います。 コレをバネ
正式には サスペンションと言います。
それと この鉄の板との組み合わせで 馬車を
より快適な物とする装置です。」
「ほう そんな物を作ってどうするので?」
「はい 世界にこの馬車を売り込むんですよ。
そして それに携わった人達に もっと金儲けを
して頂き 税を納めて貰うんです。そうすれば
国民も 管理する国も 豊かになりますから。」
「デュークアキラ様 貴方様は コレを国民の為に
作ると おっしゃっるのですかい?」
「そうです。 農業ばかりに頼ると 天気に左右さ
れ 昨年の干ばつの影響などで 一気に暮らしが
悪くなってしまいますが この工業を発展させる
事で、天気に全く左右されない 産業が出来ます。
それにより 国民は より豊かになるのです。」
「ほう 貴方様の 言う通りなら それは凄い事なの
だが そんな馬車を 買ってくれるかね?」
「まっ 作って見ないと 分かりません! どうです
か 国民の為 世の為に挑戦して見ませんか?
出来れば 貴方が第一の鍛冶屋として 世界にその
名声は 届く事でしょう!」
「名声? いや〜 このドワーフが そんな〜
分かりました! やって見ましょう!」
その後も 何度か試作品を作って 馬車に取り付け
走ったが どうも 強度不足で上手くいかなかったが
アイザック申し出で 少しのミスリル鋼材を混ぜる
事で その問題点は すぐにクリア出来た。
しかし アイザックの技術は 大したもので 俺が
設計したパーツを 精密に 具体化している。
なんと 2ヶ月で どうにか走る馬車が 完成した。
まぁ 見た目は 普通の馬車だか その下回りが
違う。 あの未舗装の ガタガタ道しかない 道路で
全く 不快感を持たずに 走る事が出来た。
そして 馬車の車輪には 革で作った被せ物で覆い
いわゆる タイヤを作った。
このサスペンションとタイヤの組み合わせで
馬車の走りは 一新した。
それをまず 王に報告し 1台献上したのだ。
「デュークアキラ殿 この馬車は 普通の馬車と
何処が違うのであろう? 見た目は全く…おぉ
車輪が少し違うかのぅ。 」
「王様 とにかく一度公用の際に ご使用下さいませ
この馬車は 王に献上させて頂きます!」
「分かった 今度各国の集いで 舞踏会がある。
その時にでも 乗って行くとするとしよう。」
「どうぞ お願い申し上げます!」
あれから 更に1ヶ月が経過したところで アイザッ
クが訪ねて来た。
「おぉ〜デュークアキラ様 ご機嫌麗しゅう
ございます。 」
「おいおい アイザック殿 なんか変だぞ!
どうかしたのか?」
「はい デュークアキラ様 この前作りました馬車
のパーツですが あの馬車自体ではまだ注文は皆無
ですが それを応用した ベッドを作ったのです。
それが 大ヒット致しまして。注文が殺到しており
ます。もう武器作りから切り替えている程です。
本当に ありがとうございました。」
「そうですか それはそれで成功ですね。
コレからも アイデア次第で あらゆる物が出来て
行く事を 信じて製作して下さい。」
「はい ありがとうございます。それと 人手が
足りなくなりましたので 人間からも手伝って
貰う為 100人程 雇い入れました。今後更に
雇い入れする事なるでしょう。
コレが貴方様の言う経済活動なのですね。
やっと分かりました。貴方様は この城主に最も
相応しいお方と心より 尊敬しております。」
「ふふっ 本当に今日は 変におだてるねぇ。
しかし、ありがとう コレからも 協力を頼む!」
アイザックが 丁寧に挨拶して帰って行き
入れ替わりに 会議室にユーアが入って来た。
「アキラ! 大変よ お父様からの 伝言でこの前の
馬車が舞踏会で 話題になり 各国から注文が入った
そうで とにかく100台は必要と言ってます!」
「おっ それは何より! コレで農業からの脱却が
出来るじゃないか! 経済を制する者は国を制す
と言ったところか……。後はユーアに任すから
サブと一緒に 国の経済を立て直してくれよ!」
「はい! 了解致しました!」
俺は 兵と経済を 確率させた事で 周りの諸国から
も一目置かれる存在となった。
以前より増して 諸国からの往来が多くなり
商人が行き交う 交易が盛んになって来た事もあり
諸国との往来の道路を整備する事も始めた。
森や林を切り開き 魔物が出にくくする事も行い
所々に 警備兵を置き 往来の安全も確保した。
そして俺は ここの城主職を降り 後をデルモントに
頼んだ。デルモントは快く承諾を受けてくれ
俺は 再び冒険の旅に 出る決意をした。
俺とマリアの二人で……。
更に冒険は続く