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プロローグ「突然の告白」

「私、白金命は柏木悠くんの事が好きです、だから私と付き合ってください!!」


僕こと柏木悠は学園の屋上で目の前の少女、白金命から告白を受けていた。

彼女とは幼なじみの関係で、生まれた日、病院、更には幼稚園から今までとずっと一緒に居た、家も隣同士で、恋愛モノなら運命を感じるぐらいだ

それに、彼女は完璧少女なのだ、容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群の三拍子、更に炊事洗濯等の家事も完璧なのだ、どうして知っているかというと、僕の両親は今海外に出張中で、家には僕しかいない、そのため時々彼女が家に来ては家事をやってくれている、というか両親が彼女に頼んで行った


「え……っと?白金さん…?どうしたの?」


悠は命からの告白に戸惑いながらもどういう事かを聞いた

確かに彼女とは幼なじみであり、昔から一緒に過ごしてきた仲ではある、しかも今も彼女にお世話になっている、しかし、彼女から告白される理由が見当たらないのだ

彼女とは仲が悪いわけではない、というか仲が悪かったらわざわざ家に来て家事なんてしない、だからといって仲がいいわけでもない、至って普通の仲だ、朝は会えば挨拶し一緒に駅まで行く、そこからはお互いの仲が良いグループに別れる、教室でも特に話すことはない、帰りはもちろん別々、何か用があっても用を伝えてはいお終い、名前だって苗字で呼び合っているぐらいだ


「……うぅー…私は悠くんが好きだから、恋人になってって言ったの!!恥ずかしいからあんまり言わせないでよー!!」


頬を赤く染めた命が口を尖らせながら悠に告白の内容を簡潔に伝えた


「えっと…白金さんが僕を好きだから彼氏彼女の関係になりたい……って事?」


悠は未だに釈然としていない表情で、告白の内容をオウム返しの様に命に言った


「…命」


「えっ?」


「昔みたいに下の名前で呼んでよ…」


どうやら命は悠が苗字で呼んでいたのを気にくわない様子で、自分の事を名前で呼ぶよう言ってきた、悠は本当に名前で呼んでいいのが悩んだが、下手に答えたら何をされるか分からなかった為ゆっくり頷くしかなかった


「そ…それで…しろ……命…ちゃん…どうして僕を?」


やはり彼には彼女から告白される理由が分からないのである、彼女とは幼なじみではある、がそれ以上でもそれ以下でもない

そもそも彼女と関わらないようにしたのは他でもない柏木悠本人なのだ、彼と彼女は中学の半ば頃まではもう少し仲が良く一緒に行き帰りをしたり休みには遊んだりしていた、だが、成長する上で白金命の完璧ぶりがどんどんと目立ち始めた、成績では一番、運動でも上位、そんな彼女に比例されるように毎回悠は周りからいろいろ言われてきた、それはクラスメイトだけでなく両親にすら同じように比較対象とされてきた、そしてそんな彼女に対して壁を作り彼女と比較されることから逃げた


「そんなの…好きだからに決まってるでしょ?それ以外に告白する理由ってあるの?」


「い…いや…そう…だよね……」


命は腰に手を当てて少しムッとした表情になり、悠の質問に正論を唱えた


「で…でも……僕なんかじゃ命ちゃんと釣り合わないから……その…他にいい人いるかもよ?」


悠は命をあまり傷付けないような言い回しで告白の答えを返した、がやはり命はそんな答えでは納得するわけもなく


「…やっぱり悠くんは私の事…嫌いになったの?」


涙目になりながらそう呟いた、誰だって告白の答えがNOならショックだろう、完璧少女である命でもそうだ


「ち…違っ……嫌いじゃないよ……その、命ちゃんは美人で可愛いし、勉強も運動も出来るし…家事だって全部できるから……僕よりももっといい人が出来ると思うよ…ほら生徒会長みたいなカッコイイ先輩とか……」


悠は命の事が嫌いではない、そう、彼女が完璧であるがゆえ自分では彼女の隣りに立てる自信が無いのだ、容姿端麗である命にそこそこな見た目な悠、更に成績優秀運動神経抜群なら成績運動神経そこそこと向こうが完璧ならこちらは中途半端である、そんな自分では彼女の隣りに並ぶなど到底出来ない


「……悠くんのバカ…私は悠くんじゃなきゃ嫌なの……」


そう言いながら命は肩を震わしていた、そして、一度深呼吸をすると、顔を上げて真っ直ぐ悠を見つめた、今さっきの涙目ではなく、なにやら決意をした表情で


「なら、悠くんが私を彼女にしたいって思うような……悠くんにとって完璧な理想な女になってみせるから!!」


こうして柏木悠と白金命の青春ラブコメ的なモノが始まるのだった

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