第一章(きっと彼等の旅はここから始まった)Ⅶ
毎日、書かないとダメですね。
なんだか腕がなまった気がします。
もともと、そんなに技術はありませんがw
宿屋の一階が酒場になっておりそこで、二人の冒険者が帽子を被った女性に絡んでいる。
メイド服に似た制服を着ているため彼女たぶんここの従業員だろう。
「やめてください」
彼女は困ったようにそう言うが助ける人は居ない。
おそらく他の客は相手が冒険者と言う事もあり手が出せないのだろう。
視線をそらし、関わらないようにしている。
「お兄ちゃん。どうする」
アリシアの声は何処か醒めており彼女が不快に思っていることが解る。
「まぁ、まかせろ。なるべく、穏便に済ませてくるよ」
そうは言ったものの、穏便に済まないのだろうとは思っている。
面倒だと思いつつも彼等を止めなければいけない。
俺は彼等の傍へと行き従業員の女性に絡んでいる男性の手を取る。
「なんだてめぇ」
行き成り手をつかまれた事で驚いたのだろうか男達はギョッとした風に、こちらを向いた。
アルコール臭が鼻を突く。
如何やら、彼等はずいぶんと飲んでいるらしい。
「人様に迷惑を掛けるのはやめろ」
俺が言うが、男達には当然反省の色が無い所かニヤニヤと此方を見てくる。
「誰かと思ったら勇者の荷物持ちの兄ちゃんじゃないか」
なるほど、如何やら俺の事を知っているようだ。
それと同時に、勘違いをしているようだ。
これを態々、訂正してやるほど俺はお人よしではないし、せいぜい利用させてもらうとしよう。
絡まれていた従業員の方を見ると、彼女はちゃんと離れて逃げていた。
これならば大丈夫だ。
そう判断したため、男達に向かってもう一度警告する。
「俺が、誰だか解っているなら話が早い。人様に迷惑を掛けるのはやめろ」
「けっ、勇者の金魚の糞が偉そうに言うな」
言い終わると同時に一人の男は右フックを仕掛けてくる。
その攻撃を読んでいた為、余裕で攻撃を掻い潜る。
ついでに威力重視、狙いの甘いカウンターのアッパーカットを放った。
避けようと思えば避けれる攻撃ではあるが、反撃されるとは露とも思っていない彼には無理だ。
顎に当たり後ろへと勢い良く倒れこむ。
「野郎。やりやがったな」
もう一人の男は威嚇の為か大きめの声で罵って来るが、目を見れば彼が動揺しているのが丸解りだ。
まさに、狙い道理だ。
「どうした、金魚の糞にも勝てないほどの雑魚なのか」
煽ると、犬のように歯を剥き出しにて威嚇してくる。
「なめるんじゃねぇ」
技術が低い割りにプライドが高いのだろう。
半ばヤケクソにも似た、攻撃を仕掛けてくる。
勿論、そんな攻撃が当たる訳が無い。
きっちりと避け、腹に一発蹴りをかます。
それだけで、彼は脂汗を流して蹲る。
「さっさと金を払って帰れ」
倒れこんでいる二人を見下ろし告げる。
「クケケケケケ」
突然、蹲っているほうの男性が突然笑い出した。
「何が可笑しい」
「それで、勝ったつもりか今に見てろよ。お前もこの店もぶっ潰して―――」
「事情が変わった寝てろ」
彼が言い終わる前に踵落しを決め、彼の意識を飛ばした。
『ひでぇ………』
思わずだろうか、周りの客達がいっせいに呟いた。
非道だろうが、事情が事情だ。
あいつ等のあの自信はハッタリとは違うのだろう。
つまり、背後に何かが居る。
そうなると、兵士に引き渡さないといけないわけだ。
しかし、今からこいつ等を引き摺って詰め所まで連れて行かないといけないのか。
ここからだと、詰め所まで距離があるため憂鬱になる。
「アンネ無事かい」
突然、酒場に恰幅の良い女性が飛び込んできた。
それと同時に、複数人の鎧を着た兵士達が飛び込んでくる。
今にも剣を抜きそうな彼等だったが、この光景に理解が追いつかないのだろう。
すぐに警戒を解き、呆気に取られていた。
「どういう事か説明願いますか」
そう言ってきた兵士は入り口で俺達に尋問してきた隊長だった。
「かまいませんよ」
俺は成り行きと、彼等の背後に誰か居るのでは、と言う考察を説明した。
話を聞き終わると隊長は渋い顔をする。
「解りました。尋問の為に彼等を引き取らせていただきます」
隊長は部下に指示を出す。
すると、部下は、ずるずると引き摺るように彼等を運んでいく。
「ご協力、ありがとうございます」
隊長はそう言うと敬礼をして、酒場から出て行った。
『おぉ………』
彼等が運ばれて、安堵したのだろう酒場に賑やかさが出てきた。
「あんた。助かったよ」
「お兄ちゃん大丈夫」
アリシアと恰幅の良い女性が寄って来た。
「えっと………」
「あぁ、すまなかったね。私はこの宿の女将をしているフィリンっていうんだ」
同時に声を掛けられて返事に困っている俺を見て、勘違いしたようだ。
「今日、泊らせてもらう。ヒューイとアリシアだ」
間違いに便乗して、自己紹介するとアリシアは隣でペコリと頭を下げた。
「それでアレが娘のアンネだ」
そう言いフィリンが指差したほうを見ると、先程絡まれていた女性が多くの客から謝罪を受けていた。
おそらくだが、助けられなくてすまないとか言われているのだろう。
「先程は気付かなかったが、もしかして彼女は獣人なのか」
「そりゃそうだろう。アレを見れば解るだろう」
フィリンは、嬉しそうに揺れるアンネの尻尾を指差した。
お読みいただき有難う御座います。
久々の戦闘シーンを突っ込んで見ました。