表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

名探偵・藤崎誠シリーズ

メール問題

作者: さきら天悟
掲載日:2016/09/22

「名探偵の藤崎さん、どう思いますか?」


人気芸人Uは藤崎に視線を送った。

前回の出演が好評だったため、U司会の番組から再びお声がかかったのだ。

(前回は『ゴーストバスターズ』)


「私は、親が見ても良いと思います。

中学生までなら」


「へー、藤崎さんは少数派ですね」

Uは驚いて見せた。

「中学生はもう大人だから、プライバシーを尊重するべきだ、

という意見が多いですが」


今日の討論テーマは、子供のメールの閲覧についてだった。

メールの文書に「バカ」とか「死ね」などの言葉が使われていると、

親にメール送信する機能についてだった。

自分の子供がイジメられていないか、

また逆にイジメていないかを心配する親が多いという。


芸人、教育評論家らは、

自分がされるのはイヤだ、

子供にも人権がある、

などと反対意見が多く、意見は出尽くされた。



あと、7分。

藤崎は計算した。

Uは番組のまとめを藤崎に求めていると察した。


「なぜ、そんなに嫌がるんですか。

メールを見られて」

藤崎が芸人に視線を合わせる。

カメラがその芸人をアップにする。

藤崎がUにアイコンタクトする。



「今、はやりの不倫でもしてるんですか?」

Uは芸人にツッコむ。

観覧の客が沸く、芸人は首を振って否定する。


藤崎にカメラが向く。

「私は小中学生にケータイやスマホを持たせることに反対です。

インターネットで無制限に閲覧することは、

深夜の繁華街をさまようのと同じくらい危険な行為です。

閲覧やメールに制限を付けるのは、親として当たり前の行為です」


司会のUは眉をひそめる。

もう、次はないな。

番組のまとめを期待したが、藤崎の答えは常識過ぎた。


「これは親の愛なんです」

藤崎は熱く語った。


Uは何か予感を感じた。


「私はメールにこの親の愛を注入するべきだと思います」


「具体的にどうするんですか」

Uは藤崎の答えを引き出す。


「メールをすべて親に公開できるようにします」


えー、と番組閲覧の客らが声を上げる。

ゲスト出演者らも眉をひそめる。


「子供に、ケータイを持たせる条件にすれば良いと思います。

ケータイを持ちたいならこの条件を飲めと。

そうでなければ、高校生になるまで待てと」


ん~、と客の歓声が変わる。


「この新しいSNSを『見え~る』と名付けます」

藤崎はカメラに視線を合わせたまま、資料の裏にペンを走らせる。


「ダジャレかいな」

藤崎の隣の芸人がツッコむ。


「いいえ、メールに愛を込めました」

藤崎はUを見る。


Uは大きく頷く。

「そういうことですか。

メールに愛を注入するとは」


Uはアシスタントが持っていたフリップを取り上げ、

『ME-RUメール』と裏にペンで書く。


「これに愛を加えるんですね」


『M(I)E-RU』


「メールにIを加えると、『見え~る』にという訳ですね」

Uの解説に観客の歓声が上がった。

そして、番組は終了した。



Uは、資料の裏側を向けている藤崎に視線を合わせた。

にこりと微笑み、藤崎に大きく頷いた。

昨日、バイキングを見て書こうと思いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ