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異世界  作者: カラス
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自殺

現代文の授業が終わり、珀真(はくま)は教室を出ていてしまった。

取り残された生徒、沙希(さき)の発言で授業が終わり、クラスには微妙な沈黙が流れる。

誰も口を開かず、静寂とした空気がクラスを覆う。

先ほど、誰が言っても必ず浮くような発言をした沙希はというと、ただ立ち尽くしていた。恐怖と不安で押しつぶされそうになり、歩くことすらままならない。

凍える空気の中で、視線はただ一点、机だけを見て、嵐が来ないでくれと願い、立ち尽くすことしかできないのだ。


沙希と同じ班で、うまい位置取りができる悠馬(ゆうま)は、静寂する空気の中で、沙希の隣の席に座り、頭の中で苛立ちながらも状況を整理していた。


沙希にとって、このクラスは地獄でしかない。だから変えようとした。

学校とは共に成長していく場ですという、悠馬(ゆうま)の意見を無視してでも、独断に踏み切ったのだ。


しかし、残念なことに、世の中は残酷だ。弱い物の発言は、誰の耳にも届きはしない。


クラスの中心人物が、帰りにマック行こうというのと、クラスの目立たない者が帰りにマックに行こうと誘うのでは、明らかに人間層も、集まる人数も違う。もしかしたら、誰も集まらないのかもしれない。

もし、革命権が弱い者にあるとすれば、クラスの絶対的な存在であり、中心人物ですら一目置く存在に、声をかけることだ。


沙希は、決して間違った選択をしたわけではない。

それでも届きはしなかった。無情にも穏やかな笑みを返されて、相手にすらされないで終わった。。


哀れだの、惨めだの、言うつもりはないが、詰めが甘いと、つくづく思う。


「なぁ、さっきのってお前たち班で決めたの。」「いいや、違うよ。沙希が勝手に発言した。」

ようやく季節が十一月になり、クラスのそれぞれの立ち位置は、はっきりしてきていた。

その中でも、決して口数は多くないが、どんな状況でもはっきりと答える悠馬という自己の確立は、周囲の人間からも一目置かれていた。

だから、悠馬は苛立ちを覚えていたのだ。安定したポジションに、少しでも危険がさすと感じたから。

しかし、悠馬には一つの武器がある。他人は全員敵、自分だけが自分の味方。こういう独立した思想を持っているから、他人を上手く扱える。

今まで、ずっとこのやり方をしてきた悠馬は、またしても難を逃れる。


「そうなの。うっわ、超ウケル。グループでまとめた意見無視して、あんなこと言って、カッコいいと思ってるのかな?笑える。」

「学校とは、いくつもの犠牲の上に成り立っている!!」

「それそれ、超似てる!」

「峰内、お前最高だわ。」

このクラスに最初から自分の居場所は存在などしなかったと、つくづく痛感する。女子の高鳴いた声。不良グループのリーダー、峰内から受ける毎日の暴力。悪口、モノマネ。

もう嫌だ。こんなに辛い思いするのは嫌だ。

たとえ、今日生きたとしても苦しみは明日に引き継がれる。

今日、死ねば苦しみは明日に続かない。

今日生きて、明日生きて、明後日生きて、毎日暴力を受けて、会社に入って、上司から罵声を飛ばされ、こんなのって、こんなのって無いよ!!

もう、今日死ぬ。死んでやる。いや、どうせだったら、今この場で死んでやる。丁度、席は窓際。窓から飛び降りれば、充分死ねるはず。

ここの校舎は五階。屋上のすぐ下。大丈夫だ、この高さなら死ねる。


沙希の行動に迷いはなかった。

「もう、死ぬね。死ぬのは確かに怖いけど、毎日、暴力を受けて辛かった。バカにされて辛かった。」


そう告げ残し終わった。


「う、嘘!!!ヤ、ヤバイって!!」







前回に引き続き読んでくださった方々、ありがとうございます(⋈◍>◡<◍)。✧♡


今回も、神様アランこと、私が後書き書いちゃうよ('ω')ノ


せっかく友達欲しくて頑張ったのに、死なないでほしかったな


で~も、読んでくださる方がいると、私自身も頑張れるから、本当にありがとう(⋈◍>◡<◍)。✧♡


今日も一日お疲れ様でした。






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