人は、見た目では分からないもの。(7話)
例の女性をなんとか落ちつかせて、席に座らせる。落ち着かせるにはかなりの時間がかかってしまった。
この女性はどうやら喫茶店に興味津々らしく、カップやレジスター、ミルやペーパーフィルターなどを見るたびに目を輝かせながら、
「おお!これは…カップか?」
とか言っている。というかカップくらいこの世界にもあるだろうに…
「さて…まず自己紹介をしましょう。僕の名前は『華原 凛』といいます。」
「ハナハラ・リン?変わった名字だな…」
あっ…やっぱりここでは名前→名字の順番なのか。
「いえ…『華原』が名字です。」
「む……では、『リン・ハナハラ』でよいのか?」
「はい。それで大丈夫です。」
大丈夫とは言ったものの、違和感MAXだ…
「では、『リン』と呼ばせてもらおうか。」
こちらは普通に受け入れていらっしゃるし…
「…私の名は、『ローザベル・リクシャリア』と言う。」
なんか貴族っぽい名前だ…
「王族騎士団、最高騎士長の二つ名を持っているぞ。」
………すごく偉い人じゃないですか!
もしかしたら刺される可能性も…
「何を怯えているのだ?安心しろ。女子には手をださん。」
やっぱりこの人も僕のことを女として見てたんだ…
「あの…僕、男です…」
ようやく名前が登場したローザベルさん。
ここから彼女の内なる性格が浮き彫りに・・・?