形が変化しても、見なければ変化には気付かない。
温かい朝日で目を覚ました。今日はいっぱいお客さん来てくれるかなーと思いつつ、メガネを掛ける。
…なんだか外が騒がしいような気がする。そんなにお客さん来てくれてるのか…あんな嵐の次の日だというのに。
とりあえず開店時間にはまだ早いので、歯を磨いて朝ごはんを食べよう。
二階のキッチンで朝ごはんを作り始めた。今日の朝ごはんはベーコンエッグとサラダとコーヒー。栄養バランスの整った食事は大事。
昼ご飯をインスタントラーメンだけで済ませる、ということに憧れているのだが、きちんとした食事をとらないとじゃないと虚弱な僕は体の調子が悪くなってしまう。
全く面倒くさい体だとつくづく思う。
朝から少し憂鬱な気持ちになりながらもジュ―ジュ―と小気味いい音を響かせる。
サラダは…キャベツや大根を切ってドレッシングを和えるだけで良いかな?とサラダに関しては少々雑に考え、コーヒーはやっぱり自家製。ブラックが朝には一番だとつくづく思う。
この心地よい苦みと、目を覚ますためのカフェイン。
それに豆から挽くので香りがたつ。
喫茶店の店主としても、コーヒーに関してだけは譲れないこだわりがある。
昔タンポポコーヒーを飲んでみたのだが、やっぱり何か違和感があった。
これはこれで良いのだろうけど僕的には好きになれない味だった。
「おっとっと…ベーコンエッグが焦げるっ」
いろんな思考を巡らせている間に、ベーコンエッグが焼きあがっていた。