2/35
現実と異世界。繋がるのは、今。
女性客は勿論中学、高校の時の同級生もよく来てくれていた。
来てくれた人は、ぼくの作ったケーキなども幸せそうな顔で食べてくれた。中には
『凛くんが作ってくれたから、尚更美味しい!』
と言う人もいて、喫茶店『パルフェ』にはゆったりとした優しい時間が流れていた。
風が吹き荒れ、雨が激しく打ち付ける嵐の日。こんな天候では常連客も来てくれるはずもない。
「今日は誰も来ないよなぁ。こんな嵐だし。」
そうつぶやくと、僕はコーヒー豆やケーキスポンジが痛まないように片づけをし始めた。
(明日はちゃんと晴れてくれたらいいな。)
そんなことを考えながら片づけをし、お風呂も同じことを考えながら浸かった。
いつもよりちょっと早めにベッドに入って、夢の世界へと沈んでいった。