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誤解、目覚め。(第17話)


「それにしても……騎士長さんのこの癖はどうにかなりませんかね。」


「癖とは失礼な!私はリンとコミュニケーションをとろうとしているだけなのだぞ?」


リクシャリアさんはもう目を覚まして、騎士さんの言うことに反論していた。

それにしても、襲うのがコミュニケーションとは……プラセーノ公国、恐るべし。


「変な嘘をつかないでください。だいたい、コミュニケーションをとるなら会話でいいと思いますよ?」


「ぐっ……た、確かにそうだが……それはそれでだな……」


違った。リクシャリアさんの言っていたことは真っ赤な嘘だった。

とりあえず、さっきの悩みの解は出た。リクシャリアさんは、性欲の塊とも言えるべき人であった。


「そ、それ以前にリンが可愛らしすぎるのが問題なのだ!」


「「え……なんですかそれ……」」


リクシャリアさんの爆弾発言に、僕と騎士さんは声をそろえてリクシャリアさんを忌避するような言葉を放った。


「その嫌がった顔もまた可愛いぞ!みんな、分かってくれるだろう?」


周りの騎士さんたちは、リクシャリアさんを白い目で見ていた。当たり前だろう。この場で、堂々と変態宣言をしたようなものなのだから。


……本当にこの人は、パルフェの一員となれるのだろうか。 正直、不安でしかない。


「あの……リクシャリアさんっていつもこんな感じなんですか……?」


「あぁ……リンが何度も私の名を……」


「騎士長は黙っていてください。話が進みません。」


ものすごい言われようである。確かに、名前を呼ばれただけで恍惚とする人に丁寧に対応しろ、というほうが難しいかもしれないが……


「確かに騎士長さんはいつもこんな感じです。お城でも、街角でも、ずーっとかわいい女の子を見つけようとしています。」


もしリクシャリアさんが日本に来たら、あっという間に不審者として通報されそうな振る舞いである。本当に大丈夫かこの人。


「でも、やるときはしっかりやってくれます。……気が向いた時だけですが。」


落差がひどい。気が向いた時だけ頑張る、つまり気の向かないときはあまりやる気がないということだろう。


まぁでも、こんな性格でも騎士長をやっているということは手腕はかなりのものだろうし、人望も厚いのだろう。事実僕かってリクシャリアさんを結構信用している。


「ふふっ……そうですね。確かに人柄もいいですし、騎士としての実力も相当なものですから。」


……お願いですから、僕の心を読まないでください……


「あれ、嫌でしたか?ごめんなさい。」


騎士さんはおどけた様子で謝罪の言葉を述べた。この人の前では、うかつに変なことを考えられないな、と思った瞬間であった。




「……こほん。いいですか騎士長。今後、凛君を襲うのは禁止です。」


「ま、まぁ心得たが……それよりも……リン『君』とはなんだ?」


そうか。リクシャリアさんはまだ僕が男ということを理解していなかったのか。

少しヒヤリとしたが、男だと知った以上襲われることはないだろう。


「はぁ……騎士長。凛君は男です。正真正銘の。」


騎士さんが説明し、僕は大きく頷いた。誤解されっぱなしではたまったものではない。


「リンが………男……?これほど可愛らしいリンが……男……?」


少し不愉快な内容が聞こえた気がするが、今はどうでもいい。先にリクシャリアさんに僕が男ということを理解してもらわなければ。


「そうですよ。僕は男、リクシャリアさんの性別とは逆の性別です。」


こうして僕の貞操は守られた。いやぁよかったよかった。

ようやく安堵し、胸をなでおろす。









「…そうか……リンは、男なのか……フフッ…」


リクシャリアさんが妖しく笑ったことに気づかずに。

いやぁ…ね。2017年度二回目の投稿がKONOZAMAですよ。

これいつ完結するんだろうホントに。

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