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知らぬが仏?
え…?この人、何で僕の名前を……?
確かに名札は付けてるけど、どう考えても初めて名前を知ったような呼び方ではなかった。
そう、ずっと昔から知っていたような…
「あ、あの…あなたって…」
勇気を出して声を出したはいいものの、どうやらこの声はあの騎士さんに届いていなかったみたいだ。
僕が呆気にとられ、無防備なまま突っ立っていると…
「リーンっ!」
リクシャリアさんが思い切り抱きついてきて、僕は勢い余って床に倒れこんでしまった。今の体勢は、所謂馬乗りというものだけど…
「リンっ!早速ここの仕事の内容を教えてくれ!」
リクシャリアさんはそんなこと意に介さず、鼻息を荒くして僕にぐぐっと顔を近づけてきます…
「近い近い近いっ!!」
…僕は今日だけで何回『近い』って言うことになるだろうか…
時間空くと文章構成が変わる癖どうにかしたい




