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郷に従え!(9話、短め)
しかし、国の習わしとは言ったものの、そもそもこの国の名前すら知らない。それにこの町の名前も知らない。
もしこの店がつぶされてしまったら、ぼくは野垂死ぬしかない。
というわけで…
「リクシャリアさん。この国のしきたりや法律などを教えてください!」
あくまでも仕方なく、リクシャリアさんに教えを請う。本当に仕方なく。
僕が頭の中で言い訳をしていると、リクシャリアさんは意気揚々と話し始めた。
「ふふ…!このような可愛い女子に教えを請われるとは…!」
前言撤回。ただ舞い上がってただけでした。
「はぁ…リクシャリア様ったら……えっと、リンさんですよね?」
後ろに控えていた騎士さんが話しかけてきて、リクシャリアさんの代わりにこの国のことを話してくれた。
「この国は、『プラセーノ公国』と言います。面積は3.78ビリザン、人口は約500000人です。」
次回はプラセーノ公国の話です。




