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異世界少女の保護者は竜  作者: 鹿熊織座らむ男爵
第一章  始まり
9/30

スケジュール

前回に引き続きカット予定だったところです。

まだ詳細の書き込みや箇条書きのままな所が多いです・・・。

「と言うわけで、これから毎日サキにはこの国の事について勉強して頂きます」


そう言うとクラレスは大量の本をテーブルの上に置きます。

これは昨日私がクラレスにお願いした、手持ち無沙汰解消の答えって事だと思いますが……。


「……クラレス様、少し体調が」

「却下」


解っておりましたとも、解っておりましたとも。

仕事がいただけるのかと思っていたのですが、私の想像の斜め上を行っていました。


「まずは国の歴史から始まり、産業、外交、マナー等々……。まだどうなるか分かりませんが、皇后になるのでしたらこの位の一般教養は必須ですのでしっかり覚えてくださいね?」


一般教養ですかそれ……?積み重なった本が凄い存在感を放ってますよ。


「あぁ。本日は私がこちらまで来ましたが、私もそんなに自由に動き回れる立場でも無いので、明日からは時間をお伝えしますので宰相室に来ていただく形になるかと思います。少変装して頂く事になりますがその辺はアマリーに任せますので」

「まさかのクラレス様直々ですか!?」

「他に誰が居ると?」


そう言われると返す言葉もありません。ただただ恨めしい目で本を睨み突っつくしか出来ませんよ。


「午前は自由にお過ごし頂いて昼は馬鹿陛下と、午後は私と勉強です。良かったですね、今後のスケジュールが決まりましたよ」

「はい……ありがとうございます……」


そしてクラレスは、今日もう一度午後こちらに来るのでここまで覚えて置いて下さいと、宿題を残し戻っていきました。

明日からは宰相室でのお勉強ですか……逃げれませんね。

完全硬直している私を尻目に、アマリーが何かを準備し始めました。


「サキ様、明日から宰相室に行く際の服装なのですが……」


そう言って見せてくれたのは何点かの服と……カツラ?ですか?


「サキ様のその容姿は目立ちますからね……公にされていないので万が一にでも不審者扱いされないように色々ご用意させていただきました。この中で私の一押しは侍女服ですね」


取り出したのはアマリーが着ているのと同じ侍女服です。

確かに一番城内をふらふらしていても不振に思われない装いです。その他にはいかにも貴族っぽい装いの物や、売り娘のような簡単な服などです。


「サキ様っ早速着付けさせて下さい」

「何で楽しそうなの!?」

「こんなに愛らしいサキ様を着付けれるんですよ?楽しいに決まってるじゃないですか。私妹が居たら色々したいことがあったのです。ふふふ……」


笑顔が怖すぎ何ですがアマリー!?

結局午前中はずっと着せ替え人形状態で過ぎてしまい、アマリー渾身の『妹に着せたい今流行のドレープたっぷりワンピースと、清楚なパッツン前髪のロングヘアー』姿のまま陛下が来る時間になってしまいました。


「サキ!?何でそんなっ……可愛い!」

「わぁっ!」


着付け終わってぐったりしている所にタイミング悪く陛下登場です。

私を見つけるなり目を輝かせて飛んで来る様は大きな犬のようでした……。


「何々!?何!?アマリーが着せたの!?さすがアマリーいいセンスだ!」

「ふふっ。もっとお時間があれば色々準備出来たのですけれど」


あぁ幼馴染って息ぴったり。

小さな妹を溺愛する兄と姉って感じです、二人とも自分の事の様に楽しんでくれてますが……。


「あ、あのっ!さすがにこれで宰相室に行くにはどうかなーって……やっぱりアマリーと同じ服がいいなーなんて……」

「ん?何でクラレスの所に行くのにこんな可愛い格好を!?私の為ではないのかい!?」

「あぁえっと、簡単に説明しますとー……」


既に疲労困憊の私は、ここまでの経緯をダイジェストでお伝えします。


                 ・

                 ・

                 ・


「成程。それで毎日変装してクラレスの所に行く事になったのか……羨ましい……。と言うか勉強なら私が見ようか?これでも多少の事は知っているよ?」

「へ?いえっ大丈夫ですよ!?只でさえわざわざ時間を作って会いに来て下さってるのに……それに陛下自ら教えてくるとなると完璧に覚えなくてはいけない気がして正直プレッシャーです!」


 きっと分かるまでしっかりと教えてくれると思いますが、さすがにそんな贅沢な家庭教師は身が持ちません……!

 正直マクスウェルも人に興味が無いとはいえ、相当長寿なので多少の事は知ってるんじゃないかと思いますが、ただいま絶賛日向ぼっこ中です。


「ふふっ。では陛下、猊下がサキ様にみっちり教え込んだ後、その疲れを癒す担当と言うのはどうですか?」


 私が断ったことですっかり落ち込んでいた陛下が、アマリーのその一言で溢れんばかりの笑顔に戻ります。

 さすが幼馴染です、アマリー最強です。


「そうしよう!クラレスの所に行くのは夕方位だったよね?では午後の公務が終わったらまたこちらに来よう!宰相室まで迎えに行ってあげたいけど、さすがに私と一緒に居るのは目立つしね……」

「そんなっ……陛下も忙しいんですから休めるときに休んでくだ……」

「サキの所で休むから大丈夫!心配してくれるなんて……可愛いなぁー」


 うん、全く私に拒否権は無いようです。

 こんなにぎゅっと抱きついて喜ばれるともうこれで良いやって思ってしまいます。順調に流されて行ってる気がします……。


 今日は昨日のように森には行かず、私が使わせてもらっている部屋の隣のリビングのようなスペースで過ごします。

 途中でマクスウェルが戻ってきたので昨日のように抱き付かれたりとかは無かったですが、勉強と言うほどではないですが、少しだけこの国のお話をしてくれました。



 どたばたと昼休みも終わってしまい、本格的な自習の時間になりました。

 正直今から宿題が終わるとも思えません!と言うか今日は宰相室に行かないので、午前中に着せ替え人形にならなくても良かったのではと今更ながら思います! 流されて生きては駄目と学習しました。


 幸いにも今日はアマリーを捕まえるのに成功したので、分からない事はしっかり聞くことが出来ました。

 そんなアマリーもソファでゴロゴロしているマクスウェルにせっせと毛布をかけたり、伸びをした時に無意識に出てしまった翼がぶつかって割ってしまった花瓶を片付けたついでにプチ説教したりと、この間にすっかりとマクスウェルとも打ち解けたようです。


「……そんな着飾って出迎えて頂けるとは思いませんでした」


 必死に頭に入れた時に丁度クラレスが入って来ました。

 私の服装もそうですがマクスウェルが掃除用具を持ってアマリーにくっついて歩いてる事や、そのアマリーがマクスウェルに掃除の指示を出しているカオス光景にクラレスが絶句しています。

 私もこの光景だけを見たらそうなるのは分かりますよ、すっごく。


「昨日の夜に問題集を作りましたので、試験と思って解いてみて下さい。間違えた箇所分からなかった箇所は後日再試致しますので」

「……クラレス様の仕事の速さに軽く引きます」


 昨日の夜に作ったと言った問題集なのですが、辞書まではいかないですが私の記憶の中にある問題集と言われる類いの物では無い厚さをしています。

 クラレスは問題集を手に取ったまま硬直している私の横で、大量の書類を広げて仕事を始めてしまいました。

 これはやるしかないですね……。

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