ミレーニア
少し短めです。
そしてここ最近会話ばかりで描写が少ないですね……。
ご意見ご感想お待ちしております。
つい魔獣ってファンタジー要素たっぷりな言葉に反応して遊んでしまいました……。
だって丁度目の前に竜が居たんですもの。
昼になり、いつも通りの時間にアマリーが来客を知らせに来ました。
「あれ?ミレーニア様だけ?」
確か昨日陛下と二人で来るって……と言うか、陛下が居ないこと自体おかしいです。
「えぇ、お兄様はクラレスに外出禁止令を出されましたので部屋に軟禁されてますわ」
可哀想にと扇子で顔を隠しながら言っていますが、扇子の隙間から覗く目元は本気でそう言っているようには見えません。
ミレーニアの少し後ろに立つアマリーを見ても少し困ったような表情をするだけです。
「ミレーニア様……?その、嬉しそうに見えますけど……?」
「だってサキとお話出来るんですよ!お兄様だけずるいわ!」
あぁやっぱり嬉しかったんですね。
直ぐこう言っちゃうあたりとても素直な方なのは分かりました。正直最初に羽交い絞めにされて以来会っていなかったのでどういった方なのかは知りませんでした。
でも、こんなに私に会いたかったと言葉にして言われると嬉しいですね……ついつい顔が緩んでしまいます。
「ふふふっ。ではミレーニア様、ゆっくりお話を聞かせて下さい」
嬉しそうに微笑むミレーニアを見ていると、申し訳ないですが陛下がいらっしゃらなくて良かったと思ってしまいました。
ミレーニアは最初に陛下と行った森の奥に行きたいと言うのですが、それはもうおいくらか聞いてはいけない様な程見事なドレスを着ているので今回は室内でゆっくり過ごす事にします。
「ねぇサキ、もうお兄様と竜皇様どちらにするか決めましたの?」
「ぐっ……ごほっ……!まだ陛下に会って3日目だよ?そんな直ぐには……」
食事を始めていきなりその質問ですか。思いっきりパンが喉に詰まりましたよ。
「まぁまだですの?深く話さなくてもお兄様はあんな感じだと思いますわよ?私早くサキに妹になって欲しいんですのっ!そうしたらもっと堂々と会えますのに……!」
おぉさすが素直な性格ですね、陛下の為や国の為では無く、はっきりと自分の為って言い切りましたよ。
「それに私の他に後二人弟も付いて来るんですのよ?」
「弟……」
「一気に家族が増えますわっ!」
「家族……」
そうか、深く考えていませんでしたがそれは家族になるって事なんですよね。この世界で家族を持つ……不思議な感じです。
「家族なら我もたくさん作れるぞ?」
窓際のソファで気持ち良さそうに寝ていたはずのマクスウェルが突然話しに参加してきました。
あまり知らない人の前では声を出さないので少し意外です。
「サキを餌で釣るのは止めてもらおうか」
「あら、餌ではなく事実ですのよ?」
ミレーニアはマクスウェルの言葉をコロコロと楽しそうに受け流しています。
さすが高貴な方ですね、こんなチクチクした掛け合いも慣れっこのようですね。
「竜皇様といい、クラレスもスキ有らばサキを娶ろうとか考えてそうですし……早くお兄様とくっつけなければ……」
「ミレーニア様……声に出てますよ?」
周りの声が聞こえていないのか腕を組んで考え込んでいるようです。と言いますかその思案顔も絵になりますね……。
ひとしきりブツブツと何か一人で話した後、思い出したかのようにはっと顔をこちらに向けます。
「そう言えば今日は宰相室に行くのよね?何時からですの?」
「今日は昼を済ませたら直ぐにお伺いする予定です」
その言葉を聞くと、不敵な笑みを作り口を開きます。
「ではその間竜皇様をお借りしてもいいかしら?」
「へっ?マクスウェルを?」
その意外すぎる提案に窓辺で驚いているマクスウェルと顔を見合わせます。
と言うか、なぜ私に聞くのでしょう?それはマクスウェルに尋ねたほうがいいのではないでしょうか?
「ふふふっ。今日は午後から時間が有りますので森にお花を見に行きたいんですの。ちゃんと装いを変えれば問題は無いでしょうし……竜皇様、宜しいですか?」
「我は別に何もせず寝ているだけの予定だが、それではつまらぬだろう?」
「ゆっくりお花を見るだけですので問題無いですわ。それに一人で森に行くのはお兄様に怒られてしまいますが、竜皇様と一緒なら大丈夫かと思いまして」
マクスウェルは私の顔を見て何か考えているようです。
なんでみんな私の様子を伺うんですか?マクスウェルが嫌でなければ問題無いじゃないですか……。
私が不思議そうに見上げていると、マクスウェルはすっと視線をミレーニアに向けます。
「……うむ、サキが宰相の元に行っている間暇だしの。寝てても良いのなら断る理由も無いな」
「本当ですの!?では午後もう一度こちらに来ますのでよろしくお願いしますわっ!」
花が咲き誇ったかのような笑顔を作り、嬉しそうに手をぎゅっと握り締めています。
そのままマクスウェルも会話に加わり、上機嫌なミレーニアが一人で色々な話をして賑やかな昼になりました。




