迷子センター佳奈子
気分で書いたけど膨らまなかった
迷子センターの、佳菜子。三十歳。
私はピンポンパンぽんの後に迷子の放送の声をやっている人だ。
実はこの仕事ヒマだ。
スマホの普及とともに私の仕事は減少の一途。
だから私の元に来るのは、とても幼い子供とスマホで解決出来ない子供だ。
前回来た子は
「隠れんぼしてるから黙っててね!」
などと言ってきたのでテーマパーク中に居場所をバラしてやった。
しかし最近はむしろ迷子来てくれ、と思う。
というのも、無駄削減の方針で迷子センターにはとんと私一人しかいない。
寂しい。
迷子が来てくれればその間、一応は遊べるのに。
というのはなかなか馬鹿らしい考えだと今はとおもっている。
最近はぼーっと座っているといつの間にか寝ている。閉園のチャイムで起きる。
ある時、館長に「今日はお疲れさん。大変だったね」と言われた。
なんの皮肉だよこのオヤジ。
と思えばその夜に、「あ、あの時のおねぇちゃん! ありがとう!」と帰り道で出くわした親子の子の方に言われた。記憶にない。
そして私はもはや、寝ていても仕事ができてることに気がついた。
後は楽チン。寝ていればいつの間にか仕事が終わっている。非常に快適だ。
よし今日もワンダーテーマパークの迷子ちゃんを、助けるぞ!
・・・・・・・・・・・・休館日