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endless the World War  作者: うぃざーど。
最終章 endless
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最終話 人の可能性








 12月28日。

事実上、戦争は終結する。「国境なき独立軍」は、その強大な兵器、ミサイル基地を持って徹底抗戦し、平和をもたらそうとする者達へ、攻撃を仕掛けた。また、この戦争の火種とも言える、アスカンタ大陸の主要都市への攻撃も実行し、各地で甚大な被害が出た。

 そんな独立軍は、全滅をもって消滅する。この戦争の本質、誰にも非を浴びせることなく、すべての国が責任を負い、新たな時代への再生、復興を行う。誰かに問おうとしても、独立軍は全滅し、戦線拡大を行ったエルジア軍も、崩壊状態にあり、民衆への統制など出来ていない状態であった。


 世界が、あらゆる方面で絶望し、崩壊していた。その絶望へ抗うために戦い続けた者、信じる者のために前を向き続けた者。様々な人がこの戦争により、命を落とした。多くの犠牲を必要として成り立った、12月29日。遂に、世界は対外的脅威をすべて消し去ることになった。そして、この50年間の戦争で生み出した多くの状況を目の前に、人々は幾つもの感情を募らせた。

 壮絶な年であった。不毛な時代であった。





 …。



 いくら希望を見出しても、人々の力の上に支配された欲求や野望といったエゴに押し潰され、結局は、こんな深い悲しみだけが取り残されていく。ならば…。


 人々が新たな技術を身に着けると共に、技術戦争と呼ばれる競争社会が形成された。競争は個々の利益を取って行われたが、それは同時に自分たちの力の強さ、在り方を証明する手段でもあった。強き技術力に支えられた国力、象徴的存在として認可された国家の権限。すべては、人々の成せる業が生み出した、新たな可能性であった。

 可能性は時に大きな希望の種をまくものとして信じられ、時に死地へ陥れる絶望の鎌となり恐怖した。政治家が進めてきた強制的な富国強兵政策。民衆を巻き込んだ武力的構想。すべての鍵は、人々の技術革新。そしてそこに始まる、人々の欲望であった。



 あの温かな光を目の前にしても、人は変わらない。人は人でいる限り、同じ過ちを繰り返す。混迷の時代、不毛な争いを終結させるための可能性、人々の意志を集中させた未知なる力を持ちつつも、その可能性を受け入れ、導きに従おうとはしなかった。


 人々は疲弊した。そして、人々の大きな社会という母集団から抽出された内なる者の存在が、やがて新たな思想と構想、そして抜き出た一つの可能性を生み出す。

 それが、新たな時代への核心に繋がったのだ。



 「…そうだな、カリウス。お前もまた、その核心の一人に…」




 12月29日。戦闘の終結により、連合軍は全軍を渓谷地帯から撤退させる。連合軍、独立軍、互いに多大な犠牲を出し、激しく疲弊した。



 本戦闘における功労者、直接的に戦闘終結に大きく関わった人物。カリウスをはじめ、レイ、アイク、フィルの4名が行方不明となる。



 「ゼータの英雄」と呼ばれた彼らの消息は、メロディを除いて全員不明となり、様々な憶測が飛び交うこととなる。



 年が改まり、西暦2181年1月上旬。改めて各国首脳部による協定が締結され、正式に戦争が終結する。



 連合軍の解体が決定。各国は戦争の悲惨さから、当面の軍事課題を自国防衛手段としてのみ、整備することになる。



 戦後処理の一環として、ソロモン連邦共和国は、エルジア共和国の再建指揮を執ることになる。



 あらゆる情報が、戦争という時代を気付いた一種の手段の中に錯綜し、そして真実を明らかにしないまま、闇に葬られていく。この戦争による数多くの情報の中には、一般の軍人でさえ知り得ない情報も数多く存在した。道化師ネオスは、まさにその一つの例と考えても良い。彼らが本来目指していた目的は、軍の中でも一部の人間しか知らず、また公表されることもなかった。彼らの存在、その行方と共に…。



 50年の歴史が今、新しい時代と共に書き始められる。

誕生した伝説が、新たな歴史を書き加えていく…。











 その歴史が、人々を変える力となるのなら。



 それでもなお、人々は変わらないというのなら。





 …その遺志は、新たな人間の統率によって、再び蘇る。






 Fin




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