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endless the World War  作者: うぃざーど。
第4章 The Birth of the Endless
59/65

4-13 I.A.S.F

国境なき独立軍。

破壊という名の創造で、すべてを作り直す。


この歴史に通ずる記憶の物語として。




 「声が…どこからだ?」


 四方八方から聞こえてくる、一つの声。恐らくスピーカーを通して伝えられているものであった。カリウスは、名前の書いていない部屋から、恐らくこのミサイル基地のミサイル本体を制御するための部屋を見つけ、そこへ向かおうとしていた。既に幾度も戦闘を経験し、疲労も感じられたが、それでも彼は留まる訳にはいかない。



 「この世界固有の概念として存在し続けてきた、国を隔てる線は、常に争いの火種として存在し続けた。争いは破壊を呼び、破壊は復讐を巻きお越し、復讐は憎しみを生む。憎しみは人の力となり、力は人を支配し、行動を起こさせた。すべての根源である線引きを、今我々が消し去る。これからは、国家や国籍などは、意味を成さない。国境なき独立軍が創造する、新たな世紀を起こす」




 歴史は今、再び変わる。






 「何…?」


 その瞬間。カリウスは再び足を動かそうとしたが、壁にかけられている液晶スクリーンに、何か時間のようなものが表示された。残り30分から、時間がさらに減っていく。


 「…カウントダウンか…!」

 「司令部より各隊員へ!敵がミサイルの発射シーケンスを開始した!」


 カリウスが予想した通りで、スクリーンに表示されたのは、ミサイル基地からミサイルが射出されるまでの時間であった。どこからともなく聞こえてきた声が切れた瞬間のことである。急いでカリウスは施設の中を走り始める。一刻も早くミサイル発射を食い止めなければ、更なる被害が発生する。そして次にどこが狙われているのか、カリウスにはまだ分かっていない。とにかく、彼は走り続けた。


 「野郎どもめ…あと30分だと!?」


 一方で、アイクと残党軍の豪腕兵士との戦闘もまだ、続いている。アイクが窓ガラスから突き落とされた時以来、お互いに体力ばかりを削り合っていた。一歩も引かない戦いが続いており、それは周りの兵士たちも同じ状況であった。司令部から、兵士たちに発射装置が作動したことを知らされると、状況の悪化に伴い、戦闘も激化していった。


 「邪魔だ!時間がねぇんだ!!」

 「それが本気か!?この程度…!!」


 二人は戦場を移動しながら、攻防を続ける。そのうちアイクの背後には格納庫のような大きなスペースが迫り、そこには、武器弾薬倉庫という名前が書かれたプレートがあった。

 一方、レイと目の前にいる強敵との戦闘には、ほぼ終止符が打たれていた。お互いに疲労し、お互いに傷を負ったが、レイの一撃が相手の腹部から胸部にかけて命中し、それが致命傷に至った。


 「…理想は、終わることなく続く」


 「…」


 激しすぎる死闘に、生き残ったレイも疲弊していた。静かに剣を持ったまま、大量の血を流して倒れている、その男のもとへ寄る。理由ではなく、理想を持った者の戦い。レイには、国境なき独立軍が目指す理想が、理解しようにもすることが出来なかった。


 「いつまでも消えることなく…私が、いなくとも…」


 レイはその間、一言も発することが出来なかった。その男は遂に絶命し、すべての動きを停止する。レイはそれを見て、何とも言えない複雑な心境を胸に、剣を仕舞い込む。既に周りには人はいない。少し遠くでは、両軍兵士の死体が数多くある。消耗戦に突入すれば、どちらの勝利にもならない。


 「いや、元々この戦闘は…」


 レイは、スクリーンを見た。残り、17分。このミサイルが発射されれば、再びこの世界のどこかで、悲鳴が響き渡る。レイは、とにかくも施設の中を再び走り始める。今強敵と戦ったばかりなのに、走り出した後何度も敵と遭遇し、戦闘が始まれば、すぐに片付ける。自分の中にある疲労感に耐えながら、目の前の数も知れない敵を倒し続ける。その戦いはあまりに過酷で、この戦闘の激しさを物語るに十分な光景でもあった。

 そんな中。敵の少数部隊を突破したところで、レイの行く手に人が見えた。


 「待ち伏せなのか…ん?」



 レイは、その人をよく見た。右手に剣を持ち、左手には何も持っていない。防具を身に着けている訳でもなく、兵士のようには見えなかった。その空間に若干の風が吹いたような、そんな感覚がした。


 「…女性…?」



 レイと、その女性が対峙した空間からは、遠い位置にある場所。専用の暗証番号を入力し、その部屋のドアを開けるある一人の男。狭くやや長い通路を抜けた先に見えた、一つの扉。中へ入ると、まず巨大なスクリーンが目に映る。その周囲にはパソコンなどの機器が並んでいる。室内は暗く、ただ機械の明かりだけがついていた。壁に窓などは無く、外からの光が届かない部屋であった。


 「…これで、歴史は変わる。多くの者を犠牲として…」




 コツン。

たった一つだけ、足音が一瞬なり、そしてまた無音になる。



 「…やっぱり、貴方だったのね…」

 「…」



 …フィル。



 …。

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