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endless the World War  作者: うぃざーど。
第4章 The Birth of the Endless
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4-5 control

残党軍の要。この戦争における重要な鍵。

苛烈さを増す攻防は、新たな展開を迎える。


武器は、その役割以外に、存在する理由が認められない。



 「何だと!?」

 「既に敵からは丸見えです。このままでは地上攻撃の集中砲火の的です!」


 「くそっ…イプシロンのエネルギー供給レベルを引き上げろ。何者も近づけるな!」


 対空防衛用化学レーザー兵器イプシロン。その強大な兵器を倒すべく、連合軍は空からの接近を試みた。対空兵器としての威力を如何なく発揮するイプシロンの前に、連合軍は前線を押し上げることができず、ジャミングの妨害もあり、苦戦を強いられていた。既に十数機もの戦闘機が撃墜され、被害はさらに拡大していくだろうと考えられた。

 そんな時。カリウスは自分たちよりもはるか上空を旋回し続ける不審な機体に気付き、撃墜をした。それこそが、残党軍を支える電子支援管制機、ジャミングの発信元であった。レーダー妨害が全くなくなり、敵の姿が丸見えとなった連合軍は、一気に攻勢の手を強める。

 カリウスたちも、輸送機の武装を最大限に利用し、上空から地上の対空車両などを攻撃し続ける。この間にも、至近距離によるイプシロンの攻撃を受け、撃墜される輸送機や戦闘機が相次いでいる。早めに突入を決行しなければ、陸戦部隊さえ困難に追い込まれる可能性があった。


 「何とかならないのか!?」

 「駄目です!自走砲や対空砲は次々と破壊されています!」


 「…これまで、なのか…!!」


 ジャミングが晴れてから、30分後。遂にイプシロン周囲の対空砲は全滅し、連合軍の生き残った輸送機が、次々と施設の前に着陸をする。一気に施設内部へ突入し、エネルギー供給システムを切断し、制圧するという作戦に出た。カリウスら3人も輸送機から降り、3人で前へ進んでいく。後ろには、陸戦部隊の兵士たちがついてくる。


 「…ここを陥落させれば、戦争の状況が一気に変わる…」


 彼らも、そして連合軍の兵士たちも、そう信じていた。核攻撃の影響を受け、エルジア軍が完全沈黙をし、今、再びオーク大陸は戦火の渦に巻き込まれている。しかし、このイプシロンはおそらく、敵としても戦力維持の要であり、ここを失われると、もう後がない状況となるだろう。その判断が正しいかどうかは、この時点ではわからない。

 施設内での激しい戦闘が始まる。狭い通路での近接戦闘、大きいフロアでの銃撃戦。敵の抵抗も激しく、各隊は特に大きなフロアで足止めを食らうことが多かった。一方、カリウスら3人と少数の部隊は、とにかく次々とフロアを制圧するために、近接戦闘を仕掛けながら移動を続けた。カリウスは、飛んでくる銃弾など弾き返してしまい、敵に恐怖を植え付けるに至っている。


 「な、なんて奴だ…」

 「連合にあんな奴がいたのか…!?」


 カリウスたちが施設に突入してから、わずか1時間ほどで、最初のエネルギー供給施設の全フロアが制圧される。当然この施設は、イプシロンと電力供給を行う重要なポイントなので、これが使えなくなると、イプシロンは最大出力でレーザーを撃ち出せなくなる。地上部隊が制圧行動を続けている間も、イプシロン本体に向かって航空機による攻撃は続けられていた。対空兵器による脅威にさらされながらも、それをうまく潜り抜けて攻撃を続ける戦闘機集団。いつしかあのパイロットたちが、この国や連合軍を代表とする戦闘機乗りになるだろう。たとえ本人たちがそう望まなかったとしても。


 「さらに出力低下!!」

 「レンス隊長!!」


 イプシロンを制御する施設内部。ここにはまだ連合軍の攻撃が行き届いていない。イプシロンのエネルギー供給施設は、本体の大きさゆえ、至近にその施設が配置されている。が、本体を制御する施設そのものは、やや遠くても出来る。しかし、既にエネルギー供給施設はほぼ制圧され、時間を経たずして、イプシロンは攻撃不能となるだろう。

 その直後。この施設にも非常に激しい揺れが襲いかかってきた。たった一度の揺れで、計器類から警報を示す信号が何度も発せられた。


 「…ここまでだ。総員退避!急げ!!」

 「隊長は…!?」

 「俺は他の人にも命令を伝える。早く行け!」


 「敵の攻撃は既に限界点に達している。攻撃の手を緩めるな」

 「了解!」


 連合軍の激しい攻撃が、容赦なく残存部隊を襲う。今まで傷つけられた分を、ここで復讐するかのように。復讐をする立場は本来、残存部隊の方であった。しかし、復讐を成功させるだけでは、すべての目的は果たしたとはいえない。


 復讐は、新たな復讐を生み出す。憎しみと共に。


 「少佐…どうか、我々の分まで。我々の、意地を…戦争を…!!」


 エネルギー供給施設をすべて制圧し、他の軍事施設も沈黙した。遂にイプシロンはその動力を停止し、大地に聳え立つただ一本の剣となった。剣は剣にしか生きられない。動力を失った兵器はもはや、武器ではなかった。


 「やったなカリウス!イプシロンは完全に停止したってよ!」


 連合軍の残党軍に対しての攻撃作戦が、また成功した瞬間であった。それも、おそらくは残党軍の最大の武器である、対空防衛用化学レーザー兵器を沈黙させるという、連合軍にとって非常に大きな勝利であった。そう、彼らは戦いに勝った。再び一つの勝ちを得た。この巨大で強大な兵器が使えなくなれば、戦争の状況は大きく変化する。

 そう、信じたかった。


 「…カリウス?どうした?」

 「…あの男がいない」


 「…バトラーって奴か…!!」



 残党軍にはまだ、手段があった。この戦争の切り札。終わりへの道。扉は、開かずして閉ざされることはない。




 …。




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