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endless the World War  作者: うぃざーど。
第4章 The Birth of the Endless
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4-3 Operation

情報の収集により、判明した兵器の存在。

避けては通れぬ道の障害を、破壊することを決定する。


大陸の、失われた空を、取り戻すために。



 「依然として、戦火は消される状況にない」

 今も健在の各国報道メディアは、今日の戦争の状況を、端的にそう伝える。戦争による状況は、無論ほぼ独断という形で調査を続けているが、あらゆる情報の前に、作業は難航していた。その情報を聞く人々でさえ、今の報道には大した信頼を寄せていない。中には、信頼できる情報屋に話を聞く人もいるくらいであった。

 人々が、そこまで情報の獲得に引きたてられるようになったのは、ここ最近の話なのかもしれない。

 季節は冬へ突入し、もうすぐ年も変わるという頃。ルウム残党軍とほぼ決定付けた残党部隊、無国籍軍に対し、連合軍は次々と攻撃を開始。戦場における情報の取得により、エールバシオン郊外のエルジア基地を襲った兵器が、残党軍所有の対空防衛科学レーザー兵器であることが判明した。それほどまでの兵器を今まで隠しながら作り続けていたという点に、疑問と評価の声が一斉に上がる。人々の情報源にまた一つ、巨報がもたらされると、人々は大陸の空が今、たった一つの兵器によって支配されていることを理解した。


 そして、流れはやがて、残党軍討伐へと向かっていく。


 「最近、姿見せないから、心配だよね。元気にやってるのかな?」

 「忙しいんだよね…きっと」


 連邦政府から与えられた仮住まいに、メロディとフィルは二人で暮らしていた。彼女たちは、戦争に直接かかわる機会があまりない。それでも、軍関係者は、前線で大活躍するあの三人の友人、ということで、丁重な対応を指示している。


 「あの三人がまさか、軍の中枢にいるとは、私予想できなかったなー」

 「そうね。…ネオスを追うだけの戦いなら、こうはならなかったよね。世の中、以外と不思議だね」


 「何が起こるか分からないって、本当はこういうことを言うんだよね、きっと」


 もちろん、二人にも彼らに対する不安はあった。だが、不安を持っていたとしても、彼らの助けをすることが出来ない。それでも、彼らの力になりたい。目の前で戦っている人たちに、協力したい。その気持ちは強かった。世界情勢が揺らぎ始めている時、また何か途轍もないことが起こるのではないか。そういった漠然とした不安が、彼女たちをよりいっそう身震いさせる。


 「戦争をしたい、という気持ちはない…けど、カリウスたちを見ているだけ、というのも…」


 「今度軍の人に言ってみる?私たちも同行させてほしいって!」


 笑顔でメロディがそうフィルに言うと、フィルは少しだけ笑って返した。この状況下でも、メロディはいつも通り、明るいメロディであった。それに比べると、自分は何と精神面が弱い女性なのだろうと、少し恥ずかしく情けない思いもした。メロディとの会話が楽しみの一つで、それをすることによって、漠然とした不安感、メロディとは違う不安感を無理に和らげることが出来る。


 「…バトラー…」


 そう信じていた。そう、信じたかった。



 「よぉカリウス。作戦内容決まったそうだぜ」

 「なんでかな、こう…いつの間にか偉い立場にいる感じがね」

 「最初は傭兵だったのにな」


 などと、笑顔で言うアイクの前に、カリウスが立って話をしていた。相変わらずカリウスは、スレンダー院長からもらった長いローブを身にまとい、連邦基地内を歩いていた。二人の言うとおり、いつの間にか彼らは、普通の兵士や傭兵よりも高い地位の存在として、認められるようになっている。彼らが戦場で味方に貢献している、という点がとても効いているのだろう。それ以外にも、理由がない訳ではないのだろうが。

 上の立場に行くことをあまり好まない彼らだが、だからといって、戦場で気を抜く訳にはいかない。敵がいるなら、敵を倒す。そうする以外に、道はなかったのだ。

 先日の基地強襲作戦から最も近い位置にある、連邦軍基地内部の作戦司令室へ入る。かなり暗い部屋の中、いくつもの計器が作動し、情報を常に入手し続けている。敵の基地で得た情報により判明した、化学レーザー兵器の存在。それを倒さなくては、この戦争に終わりはない。連合軍も、政府も、そう判断していた。

 そうして、それに対する攻撃作戦が伝達される。


 「お、来たか二人とも。進行ルートはこんな感じだ」


 一体何分前からいたのか、レイがモニターに地図を投影した。二人は少し笑みを浮かべて、そのモニターを見る。丘陵地帯にある、巨大な兵器。


 「最悪な場所にあると言われても、無理もない。真正面から陸戦部隊でいこうとすれば、その前にある防衛線で殲滅が予想される。空から行こうと思えば、レーザーに狙い撃ちにされる。だが、空から行くしかないんだ。狙いは、レーザーが連射出来ない点と、レーザーの攻撃範囲を防空レーダーでキャッチ可能だということだ」


 「施設周辺には大量の対空火器か…こりゃすげぇや」

 「逆にいえば、そこへ肉薄すれば、投下爆弾を使用するなどして、一気に陸戦へ持っていける可能性もある」


 先に司令室に来ていたレイは、すべての作戦内容を既に聞いていた。戦闘機などの航空戦力で接近し、そこから輸送機を着陸させて、一気に室内戦に持ち込む。目標は、すべてのフロアおよび施設の制圧。カリウスは、現代科学の進歩がこのような作戦を作り出せることに、感謝しつつも、皮肉を抱いていた。

 彼ら二人も作戦内容を聞き、この作戦では最前線で動くことを命じられた。これも政府の指示だろうか、とカリウスは一瞬だけ考えたが、すぐに考えなくなった。


 「この作戦では、全体戦力の3割を失う覚悟でいる。だが、避けては通れぬ道だ。三人とも…心してかかれ」



 大陸の空を取り戻すための、作戦。

 平和な世の中を得るための、戦争。


 冬が深まるこの時期に、再び激しい戦火が大陸を支配しようとしていた。



 …。




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