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endless the World War  作者: うぃざーど。
第3章 Revenge of the Despair
46/65

3-15 significance

その時は大した意味を持たなかった。

誰もが気付かないところで、既に意味は発生していた。


後に、誰かが思い出すまで。



 やるべきことは、分かっている。それをしなくてはならないのだということも、理解できている。


 ただ、世界が悲しかった。



 連邦軍と公国軍で構成される連合軍は、バトラー少佐らによる攻撃を受け、全軍撤退をする。バトラーらによる核攻撃は、世界中を震撼させ、改めて戦争による脅威が絶対的な敵であることを、一般市民に思い知らせた。全くの罪もない人を巻き込んだ、壮絶な殺戮行為。この攻撃により、エルジア軍は事実上終戦宣言を行った。大兵力を失い、これ以上の損失は国の存亡が危うくなると、判断したためである。

 しかし、それでもまだ、戦争は終わらない。連邦、公国両政府は会談ののち、今回攻撃を行ってきた第三勢力に対し、徹底抗戦をすることを決定した。無論、政府の決定は軍人が第一に動くことになる。世界情勢はこのたった数ヶ月間で、大きく変わっていた。グランバート王国の崩壊、エルジア王国の終戦宣言。


 そして再び。戦火は大陸へ、大陸から世界へ広がろうとしている。



 「カリウス殿…結局は、これが運命なのです。戦争はこのような事態を迎えた。そして再び、新たな敵を倒すために、平和のための戦争を始める」


 …貴方にも、分かっているでしょう。それが人の愚行であり、それを本来許すべきではない、とね…?


 「私も、ようやく準備が整いましたよ…強い力を認められ、ひとつの目的の成就のため、戦える。そう、貴方ともね…」




 第三勢力、いわゆる、バトラー少佐率いるルウム公国残党軍排除の意向が示されてから、2日後。方針が決定したとしても、両軍ともすぐに行動に移すことが出来ない現状、彼らは今も待機を続けていた。しかし、軍の基地に出向いて、内務に触れる機会があった。全く時間が空いている訳でもなかった。

 その日。カリウスは夕方に、政府の上院議会の人たちに呼び出しを受けていた。政府の関係者に何か気にされるようなことを、彼はした訳ではない。どのような理由があったとしても、彼としては早めに終わらせておきたい時間でしかなかった。


 「君の働きは、よく軍の上層部から聞いたよ。公国軍の方でも、前線で戦い続けたとか」


 「…はい」


 そのようなことを上院議員に言われたとしても、何も感じなかった。褒められたとしても、嬉しいなどという感情は一つも湧き出てこない。


 「君のような存在には是非、今後我が連邦軍の中軸を担ってもらいたいが…君は、この戦争がもし終わったとしたら、どうする気かな」


 「国へ帰ります」


 カリウスは、端的にそう答えた。あまりに簡潔だったので、議員たちも話の筋を立てるのに苦労した。すると、一人の男が資料を取り出して、彼に向って話し始めた。


 「君は、グランバート出身か。その目で、最後を?」

 「はい」

 「そうか…ここにいるも、国へ戻るも構わないが、その後自分の身をどうするつもりなのだ。君ほどの男は、軍にも、政界にも通ずると思うのだが」


 「今は、まだ何も。ですが…人の行いを正せる道を、選びたいものですね」



 その時は、大きな意味を持つような言葉では、無かったのかもしれない。それは、彼にしても、彼の話を聞いた政治家にしても、そうであった。しかし、今後自分がどのような人生を送るかは、自分でさえ分からないものである。

 思わぬ形での展開も、十分にある。それが、本当の自分が望んでいたことでなかったとしても。



 時代の変化は、さらに加速を続けている。新たな目標を持ち、新たな敵と対峙し、再び戦火は広まっていくだろう。



 本当の意味での、大義を見出すために。




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