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endless the World War  作者: うぃざーど。
第2章 戦火
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2-4 ギガント公国

グランバートとの友好国。

思わぬ形で直接的な関わりを持った彼ら。


ギガント公国の姿を、その目で見渡すことになる。



 思わぬところで、ギガント公国の部隊の人と遭遇した彼ら。ギルド街襲撃事件の報を聞き、軍備が停滞しているグランバートに変わり、ギガント公国軍がその調査に乗り出そうとしていた。既に政治中枢部が存在しないことを知っているギガントとしては、何の障害も無く調査を行うことが出来る。

 彼らは、ギガントで既に何かが持ち出されたことを、現れたギガント軍のワーレンに伝える。彼は深刻な顔をしたが、その後すぐに彼らを本国へ送る手筈を整えた。ワーレンとしても、また本国の人たちにしても、この一件を知る者の情報が絶対に必要であった。


 彼らは、それほどまでに、大きな事件に巻き込まれていることにもなる。


 「あれが首都…!」

 「…なんて大きさだ…」


 ワーレンの手配で、垂直離陸型輸送機で本国まで移動を続けていた彼ら。それでも本国到着までに数時間を要したが、やがて減速していると分かり外を見ると、既に都市の光景が広がっていた。街全体の至る所に工場や高い建物が存在し、その大きさがよく見える。街の郊外に一つ、一際目立つ建物がある。まるで巨大な城のような形をしているが、あれがギガント公国軍の駐留基地だと言う。基地の範囲はかなり広く、隣接された空港などもハッキリと見えた。彼らは、ここまで大きい都市を見るのは初めてであった。

 飛行機を降りると、すぐに公国軍の兵士に出迎えられ、上から見えた基地内部に案内される。飛行機内から見ても相当大きいと思ったが、近くで見ると想像を遥かに上回る大きさで、彼らも驚く。基地の7階に案内され、しばらく通路を歩いた後大きな扉を開け、中へと入っていく。


 「ようこそギガント公国へ。突然お呼びしてしまって、大変申し訳ないです。私は、ギガント公国大公ドゴールと申します」


 中へ入ると、そこはとても大きな広間になっていた。赤いカーペットが敷かれ、金色などで模様が記されている。大公ドゴールの座る椅子の後ろには、ギガント公国を示す大きな国旗が掲げられていた。この広間にも、またこの都市全体にも、公国の力強さを証明する工夫がされているのだろうか。カリウスはその時考えていた。

 カリウスは、他の人より一歩前に出て、話し始める。


 「グランバート王国、王城親衛隊であった、カリウスと申します」

 「グランバート…あの事件の生き残りの方、ですね。あれは悲惨な事件だったと聞きます。友好国であっただけに、こちらとしても考え深いものです」


 カリウスは礼儀正しく、ドゴールと話を続けた。彼にとっては社交辞令のような態度だが、ドゴールは感心深く彼の対応を受け入れていた。もっとも、ドゴール自体形式的な立場上、礼節を整えなくてはならないが、本来はもっと柔らかに話を進めたい気の強い人であった。


 「さて、よろしければギルドで起こったこと、お聞かせ願いたいのですが」


 ドゴールがそう口にすると、カリウスは一呼吸整えて、自分たちが関わった街でのことを話し始めた。この間、アイクたちは一切何も話していない。街について日付が改まった夜中に襲撃され、評議会講堂が狙われたと。そして、その地下にある何らかの物が、国籍不明軍に奪取されたであろうことを、カリウスは伝える。それを聞いてドゴールは、少しだけ俯いた。その後すぐ、彼らに事情を話し始める。


 「内地での戦闘を考慮していなかった、我々にも問題はある。元々あの場所は、グランバート軍所有の駐留基地だった、というのは分かりますか?」


 「俺ぁ元々ギルド生まれだったからな。相当前の話だろ?」

 「えぇ、そうです。グランバート軍の情勢が圧倒的な時代に、兵士を前線へ送る機会を増やし、ギルド街もその対象となった。でもあの街には、絶対に外部へ流出させてはならない物があった。…ハザードシンボルを、見たかと思います」


 アイクは聞く。あのシンボルが示す物の正体を。ドゴールは答える。



 「…核弾頭、です」


 彼らにとっては、とても信じられないような話だった。自分たちがそのような事件に関わりを持った、ということではなく、あの活気ある街の下に核弾頭があったという事実が、彼らにとっては衝撃的であった。元々軍事利用されていた街で、何らかの兵器がそこにあっても不思議には思わない。しかし、疑問は新たに、なぜ国籍不明軍が核弾頭の所在を知っているのか、というところに向いた。


 「グランバートが世界情勢から姿を消そうとしています。大国エルジアと、肥大化を続けるソロモン連邦。もはやアスカンタ大陸の資源採掘など、問題の一つにもなっていません。あの部隊が核を狙ったのには、訳がある。正確なところは分かりませんが…」


 しかし、当事者たる彼らにしても、また、直接的な関係のあるギガント公国にしても、この一件がただの強奪事件で済むとは思えなかった。何か不穏な空気が立ち込めている、そのような気がしていた。


 「そこで提案があります。ギガント公国の兵士に、とは言いません。私たちに、協力してほしいのです」


 それはつまり、戦争の手助けをすることか、とアイクはすぐに聞いた。アイクの真っ直ぐな視線がドゴールにぶつかるが、彼もまた真剣に、アイクに対して回答する。彼らは直接的に、この事件に関わってしまった。その事件を知る者も一緒に、奪われた核弾頭を取り返す必要がある。戦争というよりは、この一件を解決するための協力であった。


 「もちろん、援助は惜しみません。貴方たちは…その若さにして、数々の苦難を乗り越えてきた」

 

 「たまたま、ですよ?」

 「私には、そうは思えません。私には…」


 ドゴールの頭の中でどのような思いが浮かんでいたか、彼らには知りようも無かった。実際のところは、その若さで分隊と遭遇したり、ギルド街襲撃事件に巻き込まれて、戦闘してなお生存している、その強さと力に、ドゴールは期待していたのである。

 彼らは当然、即答をすることが出来ない。返事は後日という形で、待ってもらうことになった。カリウスは話の最後、騎士団長のクラインから授かった親書を、ドゴールに手渡す。


 「なるほど…クラインが…いえ、実は彼、元々この国にいた人なんですよ」


 ドゴールがそう言い親書を笑顔で受け取ると、彼らはいったんその広間から離れた。ドゴールが話の後半で言っていたが、ギガント公国は技術進歩の強い国だという。

 それが一体どの程度までのものか、彼らは見ることにした。



 …。




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