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0-2 泥沼化した世界情勢

50年と経過し、未だに続いている「戦乱の時代」

人々の心に陰りが見え、徐々に闇が世界を包み込もうとしていた。


そして此処に、一つの伝説が始まる。


 戦争が長期化することが無ければ、劇的な展開に幕を下ろしていた可能性も十分に考えられる。むしろ、国家としてはそのような形でこの戦争を終わらせるべきであったのかもしれない。


 エルジア王国が事実上隣国併合を成功させ、アスカンタ大陸にある二つの大陸に対し、宣戦布告をする。同時期、宣戦布告こそ無かったものの、大国グランバート王国もアスカンタ大陸への侵攻を決め、動き出していた。

 エルジアにとっては、このグランバートの行動は予測の範囲内ではあったが、それでも自分たちの目的成就にグランバートは邪魔な存在であることに変わりはなく、やがて攻撃の対象をグランバートにも向けるようになる。


 こうして始まった、世界大戦。

はじめの戦闘は、アスカンタ大陸の南部やオーク大陸の北部で行われた。自走砲や陸上砲台を使った遠距離攻撃、近距離での近接戦闘。石器時代から続く戦いのスタイルは、この時代になっても、大きな変化を生むことは無かった。

 はじめ、どの国の首脳部も、戦争は長期化しないと考えていた。ところが、エルジアが国力を伸ばし、補給線を伸ばし、グランバートやアスカンタ大陸の王国を相手にし始めてから、世界の状況が変わってきた。



 「資源が目的なのか、それとも侵略が目的なのか。その時既に目的は失われていた」

 これが、エルジア軍中枢にいた当事者の言葉であったと、されている。

文字通り目的を見失い、しかし戦いは続けられ、それが何年も続くことになった。各国、大陸の各地で小競り合いが生じ、一時は小康状態になったかに思えば、再び大規模な攻勢が始まる。

 世界大戦はやがて泥沼化していき、軍備増強という点の裏では、生産力という問題が浮上し始めていた。このような状況が何年も、何十年も続き、お互いの戦争は歴史的大勝利や大敗を生み出しつつも、決して終わることなく、縺れ続けていった。


 50年。

その長い期間に、人類がどれほど死に追いやられたことか。この時点で既に、正確な統計を知る者は誰もいない。




 …そして、現在。西暦2180年。

戦争が始まってから、50年が経過した現代。


 古きを知るソウル大陸、グランバート城の敷地で、『彼』を見る。



 …。



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