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更紗と透子のお仕事2

6月14日。私たちはノワの事務所の更衣室で白の半袖の体操服と紺のブルマーに着替えた。事務員のみ赤。ブラジャーは私がパープル。娘が黒。ノワがラベンダー。私たちがブランカ公国に着くと整備する対戦場所は廃キャンプ場。「今日も綺麗だね更紗」「ウフフ」「今日も可愛いね透子」「エヘヘ」事務員もバロンに褒められてまんざらでもない表情。廃キャンプ場を見渡すとゴミが点在しているが、作業は楽そう。彼らが用意したフィルムカメラやビデオカメラを見て私たちは期待に胸を膨らませた。「フィルムやビデオテープは大丈夫?」「大丈夫さ」私はアマト。娘はセレイと組んでゴミ拾いを始めた。ノワも付かず離れず私たちが集めたゴミを分別していく。13時だが名古屋ほど日差しが強くないし、カラッとしてて過ごしやすい。17時までの4時間は作業を兼ねたデートでもあった。バロンはまず事務員を撮り、私たちを安心させた。[いかにもテスト中]という感じ。ソレから徐々に私たちへと被写体が変わっていくが、適度にノワが混じることでバランスが取れた。彼らは内輪で試写会を催すが、他人に私たちを見せない。「フィルムは?」「僕たちが現像してるよ」撮り溜めた写真はアルバムに飾られるが、もちろん非公開。アマトたちはアマチュアだから撮影技術はないが、被写体への熱が感じられた。私たちは木の枝を使い、ゴミ拾いを効率化した。ゴミはリアルに似たモノが多いが、ラベルは昭和を思わせた。休憩に入ると缶ジュースを振る舞われた。地方にしか出回らないようなマイナーなジュースだが、意外といける。空き缶はバロンが持ち帰るし簡易トイレも快適。作業が再開され、スキンシップが増えてきた。だがノワがいる安心感があるせいか違和感は感じない。しっかりと指を絡め合い、私たちは手を繋いだ。事務員も手を繋いでるから特に不自然さは感じなかった。実は対戦場所の整備で不祥事を起こし、謹慎処分を受ける男性兵士がいた。すると現役復帰まで数ヶ月を要し、せっかくのひと夏を棒に振ってしまう。だが写真やビデオ撮影は許可されているし、非公開ならばOK。私たちは[いかに美しく撮られるか]しかアタマになく、ソコには母も娘もない。3匹のオンナしかいなかった。私たちは性行為だけでオンナにされはしない。性行為を伴わずともいとも簡単にオンナにされていった。休憩に入ると私たちはホッとした。たまには休息も必要。まだココロの距離はあるが、ある程度の距離感は保たないといけない。でないと勝負にならないし、バロンを失望させちゃう。甘え切るのは対戦が終わってから。彼らだってクロスゲームを期待してる。私たちはアマトたちとの雑談に花を咲かせた。「ビーフカレーになま卵!?」「僕たちは最先端だと自負してる」「そ、そうなんだ」私たちは遠い目をした。「ソレ私も大好きなの」「そ、そうか?」「見た目はイマイチだけど合いますよね?」「確かに合うんだ」それがノワの機転なのか好みなのかは知らないが、バロンはかろうじて面目を保った。「僕はずっとモヤモヤしてたんだ」「僕はハヤシにすべきだったか?と本気で悩んだ」「いやセレイ、ハヤシになま卵はないよ」「そ、そうかな?」「カレーにはゆで卵だよ」「じゃあハヤシは?」「ハヤシ?酸味が強いから何がいいかな?」私たちはカレー談義で盛り上がった。やっぱり食べ物は無難だし、地雷を踏みにくいわね。作業が再開され、私たちの撮影も再開された。大木に両手をつき、私たちはアマトたちにズイッとお尻を差し出した。バロンは背後からなめるように撮影していくが、事務員が混じってるから平気♥私たちはノワを言い訳にし夏をも言い訳にし、大胆になっていった。帰宅した私たちはからだの火照りがおさまらなかった。「事務員は必需品ね」「あの子がいると盛り上がるわ」ノワは明晰ではないが育ちがよくて無邪気だからアマトたちもイジりやすい。逆にいてくれないとしんどい。私たちは彼らとの関係を深めていくが、かと言ってあんまり親密になり過ぎてもよくないのだ。「適度な距離感がいるわ」「ベタベタしちゃいけないしね」私たちがバロンと距離感を保ててるのは彼女がいるから。対戦前に親密になり過ぎたら食われちゃう。対戦場所の整備が3回なのもそのためだ。「お盆休みに1回やるかもしれないわ」「ホント!?」彼らとの休みが合えば実現する。お盆休みには墓参りくらいしか用事がなく私たちには好都合。「アマトたちも都合がいいみたい」お盆休みはパチンカスがオクラだから部屋にいない方がいい。お盆休みの対戦場所の整備は双方の利害が一致。私たちは夕食でも盛り上がった。2週間後に訓練に入るが、特に不安はない。「ヘレンとうまくやれるかな?」「きっと大丈夫よ」私たちはヨガのエクササイズをこなした。実戦で転びにくくなれば勝負になるはずだ。床に就いてもなかなか興奮して寝つけなかった。

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