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更紗と彩香の日常2

6月9日。透子と伽耶は登校した。私たちは[なろう]への小説投稿を再開したが、実に1年ぶり。「アクセス解析が変わってるわね」「前の方が見やすかったわ」私は[狂い咲きの向日葵]。彩香は[萌ゆる果実]というタイトルを付けた。ただ事実をなぞるだけでは味気ない。私は煮え切らないバロンを追いかけて異世界へ。彩香も優柔不断な彼らが名古屋に来ないのを待ちきれず異世界へ押しかけるカタチにした。ジャンルを[現代ドラマ]にしたのは[真夏のエルニーニョ]への挑戦。「6月から始まる女の子の汗臭いドラマなんてあり得ないわ」「だから私たちがソレを実証してみせるのよ」[絶対にあり得ないトンデモ小説への挑戦]が私たちを燃え上がらせた。「あの世間知らずのなんちゃって小説家にひじ鉄を食らわせてやるわ」「私たち第1話しか読んでないけどね」異世界の舞台を踏んだことで参戦のイメージも湧いてきた。「登場人物は仮名にする?」「私たち以外は実名でいくわ」私たち[サフィールナイツ]はバロンと蒼きめぐり逢いを果たすが、雑貨商人のアマトたちにとって名古屋はしょぼいし旨味がない。私たちは彼らとすぐ音信不通になりヤキモキするが、梅雨時期にエージェント活動するのもかったるい。私たちはバロンに言われるまま6月末に参戦するも当初から受難続き。虫が湧いたり夕暮れの廃神社に藁人形を見つけたり。女子高生並みに丈を短くされたグレーのミニになかなか馴染めず。だがアマトたちには大好評。私たちは夏服に徐々に馴らされていった。白のセーラーはおヘソがチラ見えする程度で動きやすい。夏服は生地を薄く軽くして動きやすさを追及していた。安っぽいコスチュームがかえって私たちの魅力を引き出す。バロンも実は虫が苦手で私たちは毎回盛り上がった。だがソレは恋のから騒ぎではなく虫が湧くから。でも虫が私たちの関係を密にするのに寄与した。真夏はハプニングの宝庫であり、使い方次第。「ノワを出す?」「難しいわね」ほのぼの路線ならふつうにアリだが、ダーク路線なら要らないかも。「ダーク路線ならなおさら事務員を巻き込んだ方が私たちのか弱さが引き立つわ」「確かにね」「ノワのコスチュームは?」「白のミニが似合いそうね」「じゃあ白のチア?」「ソレは後回し」「このままでもいいわね」白の半袖の体操服と赤のブルマーでいき、どこかで白のチアにスイッチ。「ヘレンのコスチュームは?」「色とりどりのチアらしいわ」赤とパープルとブルーと白。「事務員とヘレンが被るわね」「白のチアは要らないかも」「ノースリーブの紺のスク水にレモン色のミニスカート付けたら?」「ソレいいわね」私たちは尻上がりに調子を上げていくが、お盆休みに入る。お盆休みまでが前半。「後半は?」「アマトたち次第かな」バロンは秋の成績がよくない。「たぶん夏バテ」「でもこのまま私たちが彼らを圧倒したんじゃつまらないわ」小説はメリハリが命だし、もとよりアマトたちとの力の差はない。ましてやガッデムシティー在住だからこのまますんなりいくわけがない。「前半はほのぼの。後半はダーク路線にしようかな?」「その逆はムリだもんね」前半は笑いあり涙ありのラブコメ。お盆明けから徐々にシリアスな流れになっていく。気合い満タンの私たちと体力のないおじさんたち。「バロンの即興がポイントになりそうね」「でも意外と抜け道が隠れてそうね」アマトたちは即興を仕掛けてもどこかに抜け道を用意しててくれそうな気がするわ。「見つけたら私たちの勝ち」「見つけられなかったら彼らの勝ち」抜け道アリの即興なら私たちも満喫できる。「[ヤッターマン]みたいな流れかな?」「そうね」憎めない敵との牧歌的な戦いが理想的。お盆明けからが本当の勝負だが、立ち上がりから乗れないとしんどくなる。「小説ならむしろ追いかける流れの方がいいけどね」「でもリアルならきっとしんどいわよ」リアルなら追われる流れ。小説なら追いかける流れが理想だが、実際にやってみなければわからない。「お盆休みまでにリードして終わりたいわね」「そうね」私たちは対戦場所でジャンプやキックなどの練習をしてはならないという制約をつけられた。どうやら抜けがけした子たちがいたらしく、そのコンビはアモン公国への強制参戦が決まった。アモン公国はアビス制度を採用。彼女たちはアビスと呼ばれる両性具有の少女兵士と戦う。[カナン]の奥村由香はサイラ。娘の那美はデボラが受け持つ。「な、なんか強そう」「名前からしてアカン気がする」しかもカナンはエージェント活動をサボりがちらしいからなおさら厳しそうだ。活動は義務ではないがたまにナマイキな子たちがいる。アモン公国への強制参戦はお灸を据える意味合いがありそうだが、8月1日からというのが不可解。「秋が猛暑とか?」「わからないわ」エージェント活動を真面目にやれという意味か?私たちは首を傾げた。

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