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フィーニス・ウィア ❖終焉の軌跡❖  作者: AlphaLD
1章 血肉啜る悪魔の元に
39/81

38話 10連戦と言っただろう?

 1体目である〈帝の蛮皇者(エンペリアル・オーク)〉を倒したアソビト。それに対しエルガは笑みを浮かべ、紐をガブッと噛んだ。


「さすがはあれの脚を取った英雄様だな。特に難はないと見える。だが、ここからが難しくなってくるから、気を張れよ」


 そう言ってエルガは紐を引っ張る。釘門が開き、次なるエネミーを誘き出した。

 そして奥からぞろぞろとエネミーが出てくる。


地に群れる虎の蠱(ラビュレメッフェ)

Level(レベル)84


 虎の形はしているが所々爛れて骨が隆起している。それが6体ほど釘門から湧いてきた。

 それを見てアソビトは複数体じゃないかとツッコもうとしたが、視界に入ったエルガが何も言うなという圧をかけてきたため、言葉をグッと飲み込み、大剣を構えた。


「さてと?どれほどのもんか、拝見させてもらおうか!」


 そう言ってアソビトは〈地に群れる虎の蠱(ラビュレメッフェ)〉に向かって大剣を振り下ろした。そして、2分後。

 アソビトはベッドの上に寝転がっていた。


「……ふざけんなよアイツら」


 プルプルと震えるアソビト。そんなアソビトの元にエルガやレモン達がやってきた。


「惜しかったな、アソビト。奴らが呪いの類を使ってくると分かっていれば確実に勝てていただろうな」

「……初見殺しがすぎるだろ」

「主様、ドンマイです。次頑張りましょう」

「……慰めが今一番効く」

「そうなのですか?では言い方を変えましょう。何負けてるんですか雑魚ですね。ほら早く立ってください、さっさと壇上に上がってください」

「……なんで罵倒になるんだよ、それは違うだろ」


 一悶着ありながらもアソビト達はまたコロッセオの舞台上と観客席に戻った。


「そうだアソビト、言い忘れていたことがひとつあった」


 エルガの言葉にアソビトがなんだと切り返す。エルガは笑みを浮かべ、元気いっぱいに口を開いた。


「途中で負けたらまた1体目からやり直しだ」


 その言葉にアソビトは唖然とした後、頭に手を置いて天を仰いだ。


「難易度どうなっとんじゃくそがあああ!」


 その叫び声など気にせずエルガは紐を引っ張った。

 ここからはダイジェストにアソビトとエネミーの戦いの勝敗を伝える。

 2体目〈地に群れる虎の蠱(ラビュレメッフェ)〉クリアまでの戦闘回数:8回。

 6体による全体連携に合わせ、〈呪削じゅさく〉というデバフを扱う強敵。〈呪削〉はHP(体力)を時間経過と共に削るデバフ。また、プレイヤーやエネミーのHPの数値によってHPが削られる速度が変化する。

 〈地に群れる虎の蠱(ラビュレメッフェ)〉の弱点としては〈呪削〉を付与されなければただの連携の取れた獣の群れになる。

 更に6体全てのHPが共有されているため、1体だけを狙って集中攻撃をすれば苦戦せずに倒すことが出来る。そのことに気づいたアソビトは8回目でクリアすることが出来た。



 3体目〈エルフーレ・コメンデ〉クリアまでの戦闘回数:3回。

 エルフーレ・コメンデ、木の妖精のような見た目をしたエネミー。近接戦闘は一切行わず、距離をとって魔法攻撃をしてくるかなり厄介なやつ。

 使う魔法は自然に関係した魔法オンリー。火属性が付与された武器を手に持つアソビトにとって相性はかなりいい相手だが、ただひたすらに距離をとってくるせいで近接型にとってはストレスが溜まる。

 距離をとられなければ倒すのは簡単な部類だとアソビトは語る。


 4体目〈天翔る一角獣(センブルス・ユニコ)〉クリアまでの戦闘回数:1回。

 名前からわかる通りユニコーン。翼を背から生やし、空を文字通りかけることができる。

 特に難しい点もなく、アソビトは難なく突破した。


 5体目〈モーゼン・ベシュベル〉クリアまでの戦闘回数:5回。

 頑丈だが動きが鈍い機械仕掛けのゴーレム。遅い動きで不規則な攻撃をしてくるのが特徴。更に広範囲攻撃を多用し、なるべく敵に距離を詰めさせないようにしてくる。

 広範囲攻撃は連続で使用できず、それ以外はほとんど攻撃パターンが同じなため、広範囲攻撃の間隔さえ掴めればあとは頑丈な表面を突破するだけの作業ゲーエネミー。


 6体目〈アッシュベルジュ・ブレイザーク〉クリアまでの戦闘回数:58回。

 全身から剣を剥き出すことができるアルマジロのようなエネミー。頑丈なくせして〈モーゼン・ベシュベル〉よりも機動力があり、オマケに体から剣を出すことで攻撃範囲を大幅に拡大することが出来る。

 背中から剣を生やして転がってくる攻撃がかなり厄介で、ホーミング性能もかなり高い。前が見えていないはずなのに直前回避にも対応してくる。

 6体目とは思えないほど強敵だったとアソビトは語っていた。


 7体目〈デスペラード・ベアー〉クリアまでの戦闘回数:2回。

 ただただパワー特化な熊。厄介な点もやりやすい点も無く、なんとも言えないがまぁ強かったとアソビトはため息をついていた。


 8体目〈海をも統(シーラウジルズ)べる竜骸(ボーノドラゴン)〉クリアまでの戦闘回数:6回。

 水を肉体として持つ竜。骨が丸見えで、目などがないがハッキリとアソビト達を認識できる。恐らく微量な空気の揺れを水の体が感じ取り、敵の位置やサイズなどを把握しているのだろう。

 体が水で出来ているため、切りつけても切りつけても再生されてしまう。だが、骨を直接攻撃することでダメージを与えることが出来る。

 足がかなり骨に攻撃しやすいため、足から体勢を崩させて攻めるのがセオリーなのだろう。

 それでも6回もアソビトが戦った理由はコロッセオの舞台上の全ての範囲を飲み込むことが出来る攻撃を保持しているから。それは肉体である水を骨から引き剥がすというもの。全身の水を解放することで舞台上を一瞬で湖へと変え、アソビトが攻撃できない間に水の中へと引き摺り、溺死させるという攻撃だ。

 水中では水の抵抗により武器を振っても大した攻撃にもならずただ死を待つ飲みになってしまう。

 その攻撃を攻略する唯一の方法は観客席と舞台上を隔てる崖に登ること。それをすることにより、骨本体は水の中へ沈める前に攻撃されるため、水を再度纏い直すしかない。

 しかも足の骨につけた傷は残ったままなため、地味な戦法だがこれを続けることによって倒すことが出来る。

 強い弱いとかじゃなくただただ面倒くさい相手だとアソビトは語った。


 9体目〈ヴァルパインドウルフ〉クリアまでの戦闘回数:2回。

 孤高の一匹狼、片目に傷があり、歴戦の猛者であることを示している。

 魔法や翻弄してくる動きなどはせず、真っ向から勝負をしかけてくるバリバリの脳筋系我が身一つタイプ。

 攻撃パターンも豊富で今までの9体のエネミーの中でもダントツに戦ってて楽しかったとアソビトは嬉しそうに言っていた。


 連続9体切りを果たし、アソビトは息を切らしながらもエルガに顔を向けた。


「9体、連続で倒したぞ。残り1体だな!」


 その言葉にエルガは笑みを浮かべて頷いた。


「あぁ、残り1体だ。よくここまで頑張ったな。それじゃ、最後の1体──」


 そう言って紐を引っ張ろうとしたエルガ。だが、突如門の上にミカエルが現れ、エルガは紐を口から離した。


「あ?ミカエル?」


 アソビトが首を傾げてミカエルの方を向く。門の上に立つミカエルの脇には何やら細長い物が挟まれていた。


「話はちゃんと聞いている。9体目を倒したのだな」

「あぁ、ちゃんと連続で倒したぜ」


 親指を上げ、ミカエルに手を突き出すアソビト。それを見てミカエルは笑い、脇に挟んだ物を舞台上へと放り投げた。


「さすがはアソビトと言ったところだな。タイミングもちょうどみたいだ」


 ──9体連続切りを完遂したことでフラグが立ったのか


 アソビトはそんなことを思いながら投げられた細長い物に目を向ける。


「アソビト、お前の力は重々承知している。だからこそ、お前と戦う最後に相応しい奴を連れてきた」


 ミカエルが喋り終えた瞬間、細長い物がグギゴギッと音を鳴らして動き出す。

 突然動きを止めたと思いきや、細長い物を包んでいる布の間から黒い靄が漏れ出る。

 突如空の色が黒く染まり、視界を悪くさせる。どんどんと溢れる靄。気づけば細長い物を包んでいた布がヒラヒラと地面に力なく潰れる。

 だがアソビトはそんなものは見ていない。目の前に黒い靄が形を成し、エネミーを生み出していたからだ。

 そのエネミーが完全な姿を現した直後、ウィンドウが表示された。


闇に禍いし(シュラウドメイン)死の宣告(ドデスメイザー)

Level150

ダイジェストとか王(お頭)が10体目のモンスターを持ってきたりとかフラグが立ったとか完全にシャンフロだけど良いよね

作者様にまだしばかれてないからヨシ!!!

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