33話 誘惑、魅惑、蠱惑な溺惑
※性的表現がかなり濃く含まれるため、苦手な方は閲覧をお控えください
そこまで重要なシーンでは無いので閲覧せずとも今後の会話内容に問題はありません
運営ストップの場合、書き直しとさせていただきますので、ご了承いただけると幸いです
車を下り、見馴染んだ家を前にする。遊渡の頬を撫でる冷たい風、雪の積もった玄関ポーチが冬だということを思い出させる。
3月の中旬、家を出てからちょうど半年が経った。その月日を思い返しながら遊渡は家へと近づく。
遊渡の後ろにある車の運転手は遊渡に一礼し、車を運転して離れていった。
遊渡はそんなこと気にも止めず、家の鍵を開けて扉を開いた。ガチャッと音を立て扉を開けたその瞬間、遊渡に何かが飛び込んでくる。
「ぐえっ!?」
腹に何かが激突し、思わず声を漏らす。何とか転けずに体勢を保ち、激突してきた何かに目を向ける。
そこには明らかな薄着の麗華が遊渡にピッタリ抱きついていた。
「え、ちょっ、姉さん!?なんでそんな薄着、風邪引くって!」
心配してそう声をかける遊渡、それに麗華はゆっくりと顔を上げて遊渡の顔を見た。
「ゆうと……?ゆうとだ、かえってきた……ゆうとかえってきた……やっと、やっとかえってきた?……ゆうと、ゆうとだぁ……」
力の抜けた声、かなり火照った顔、そして恐らく上しか着ていない服装。そこから麗華が今の状況になった原因はある程度わかるだろう。追加情報を加えるなら、麗華が着ているTシャツは遊渡の物だ。
「ね、姉さん……ちょっと、えっ、とりあえず中に……」
「へ……?うん……?なか?なかぁ……ゆうとはえっちなんだぁ……」
「なんの話しをしてんだっ、早く入るぞ」
遊渡は抱きついてくる麗華を軽い力で押しながら家の中へと入る。
扉を閉め、鍵をかけ、遊渡は安堵のため息をついて麗華に目を向ける。
──たまたま人がいなくてよかった。さすがにこれを見られるのはまずすぎる
遊渡と目が合う麗華。その瞬間麗華はトロけた笑みを浮かべて体をゆっくりと起こし、顔を遊渡の顔に近づける。
「ねぇゆうと?ずっと……ずぅぅっと、まってたんだよ?はんとし、ずっとがまんして、がまんして……もういいよね?」
「ちょ、ちょっと待って姉さん!まだ帰ってきたばっかりだし、ここ玄関──」
麗華を抑えようとする遊渡だったが、あっさりと唇を奪われる。
明らかに荒い鼻息が遊渡の顔をくすぐる。
「ゆうお……ゆうおぉ……」
拒む遊渡の口に強引に下をねじ込む麗華。扉に背をつけ、麗華に接吻される遊渡。麗華の口と舌は止まらず顔を強く押し付ける。
時折漏れ出る声が甘く遊渡を誘惑し、鼻息が遊渡の欲を掻き立てる。
麗華に抱き締められ接吻されること10分、麗華はゆっくりと唇を離す。離れた遊渡と麗華の口からは糸が引き、麗華の口の端から涎が流れていた。
麗華はゆっくりと手を自分の唇へと運ぶ。人差し指が唇にピトッと当たる。麗華はニッコリと笑みを浮かべ、溶けた笑い声を出した。
「……えへへ……ひさしぶりの、きすだ……」
唇を舐める麗華に遊渡は唾を飲み込む。だが、時間や今帰ってきたということを加味し、遊渡は考えを改めるために首を横に振って麗華の肩を掴んだ。
「姉さん……今は、ちょっと、待って」
久しぶりに帰ってきたため、遊渡はとにかく体を休めたかった。何しろ初対面の人と半年間、盗聴器に気をつけながら毎日過ごしていたのだ。精神のすり減る速度は尋常ではないだろう。
麗華の目を見て真剣に話しかける遊渡。しかし、そんな考えなど知らず、麗華は笑みを浮かべ、服を少したくし上げる。
そしてその時ようやく遊渡は気づく。麗華が下着を何もつけていないということに。
「あのね?まいにちね?ずっとがまんしてたの……きょう、ゆうとがかえってくるから、わたしじゅんびしてたの……そしたらゆうとのふくも……べっども……びしょびしょになっちゃって……わたしも……いっぱいびしょびしょになっちゃっ、た……♡」
その瞬間、遊渡の中の何かが切れる音がした。遊渡はスッと立ち上がり、麗華に両手を伸ばす。
遊渡の伸ばされた両手を見て首を傾げる麗華。次の瞬間、麗華は遊渡に抱き上げられ、麗華は遊渡の腕の中で遊渡の顔を見上げる。
苦しそうに眉を顰める遊渡の顔を見て麗華は笑みをこぼし、遊渡の頬に手を伸ばした。
「くるしいの?」
「……誰のせいだと」
喉を締め、声を押し殺しながら言葉を口にする遊渡。それを見て麗華は優しい言葉を遊渡にかけた。
「おねえちゃんが……くるしいのとってあげるからね、ゆうと……だいじょうぶ……ぜんぶ、おねえちゃんにまかせて?♡」
遊渡はその言葉に歯を食いしばりながら家の中を進み、寝室に迷わず向かう。
扉を開け、寝室に入る遊渡と麗華。ベッドの上には遊渡の服が散乱しており、麗華が言っていた通り、少し湿っていた。
遊渡は扉を締めもせず、ベッドへと向かって麗華を寝かし、その上に遊渡が覆い被さる。
麗華の両腕を押さえつけ、遊渡は麗華の顔を直視する。少し痛そうに片目を瞑る麗華だが、とても嬉しそうに笑みを浮かべた。
「すきにしていいんだよ?ゆうと……ぜんぶ、おねえちゃんがうけとめてあげるから……♡」
「……優しくなんてできないからな、麗華」
遊渡の手が震える。その手に麗華は顔を近づけ、頬をピタリと付ける。そして麗華は遊渡に不敵な笑みを向けた。
「やさしくなんてしないで、らんぼうに……ね?♡」
半年ぶりに2人は濃厚で濃密な時間を過ごす。酸いなどない、胸焼けするほどの甘い時間を。
これ、R15で出して大丈夫なんでしょうか……汗
結構葛藤しながら書いてたんですが、ホントにいいのかなってすっごい悩みましたね
俺が書きたいものを書く、が一番の目的ではあるんですけど、さすがに運営からR18ストップかかる可能性が出てきましたよね
運営からストップかかれば33話は書き直しとさせていただきます
ストップがかかった場合、この話を読めたあなたは幸運です、多分金色の虎がやってきます
書き直しの際は話がガラッと変わると思われます、その時はよろしくお願いします




