なにィー!をさせるんですか?
ゴールデンウィークは終わりですが、こちらの話はまだまだ続きます。
今日はこのあと、説明があるそうだが王様は来ないようだ。
昨日から始まった歓迎パーティという名のお披露目会なんだが、王様には謁見の予定がびっしりだそうだ。国中から貴族が集まるため、仕方がないらしい。
そのための名代としてプルメリア姫が取り仕切っているって。一応、昨日顔を見せたから十分だろうってことなんだな。
「では、皆さん。おかけください。」
召喚の間から、会議室のような部屋に場所を移してプルメリア姫の話が始まる。法衣の男たちと騎士たちも変わらず部屋の中に待機している。
鑑定の儀が終わって皆、一様に落ち着きを取り戻している。一部、社畜を除いてだけど。
「単刀直入に言いますと、昨日もいいましたが魔王を討伐していただきたいのです。」
全員の顔をしっかり確認した上で言葉を続ける。今日は茶化すようなこともなく、真面目に聞いているってことは昨日のパーティでもそういう話があったんだろうな。スキル欄にも魔法のことが書いてあるし魔法やステータスがあるなら魔王もいるって考えには、すぐに行き着く。
「我が国の東部、ブラスウィズ王国の先に魔王の支配地域が広がっています。そこから魔王軍が侵攻しています。各国とも抵抗していますが、魔族と魔物は単体でも強力なものが多く苦戦を強いられています。単独でも魔族を打倒できる上位スキルを持つ高ランクの者達を中心に討伐を行っていますが、後手に回っているのが現状で無辜の民に被害が拡大しています。」
「状況を打破するために、魔族を倒せる人族を召喚したのです。伝承では魔王を打倒するのは勇者の称号をもつ者とされており、今回は複数の勇者が現れたことで王侯貴族の期待も高まっています。」
プルメリは姫は落ち着いて話しているが・・・ん〜信じる信じないで言うと微妙というのが第一印象だな。
周りの奴らは。
あっ
あかんやつや。決意に満ちているのが何人かいる。
「罪もない人たちが傷ついているのなら・・・俺に、俺達にその人たちを救う力があるのなら・・・俺はやるべきだと思う。いや、やらせてください。」
「・・・ふん、お前がそういうやつだってのは分かってたし、やるってんなら手伝ってやるよ。数は多いほうがいいだろ。」
「アンタたちねー、もっとしっかり考えて発言しなさいよ。知らない人のために戦うっていうの?何の見返りもなく?」
神宮寺と郷田が好きに盛り上がっているところに、相川が意見を言う。結構、真っ当な意見だ。意外だがしっかりしているようだ。報酬は大事。これ重要。
「もちろん、皆様には報酬はしっかりとお支払いいたします。地位・名誉・金銭・領地、それ以外でもお望みのものを望むまま、用意させていただきます。」
「・・・望むままかぁ、それは魅力的。でもお姫様になりたいって言っても叶えられるの?」
相川は意地の悪い質問をするもんだ。最早、才能だな。そんな意地悪な質問にもプルメリア姫に動じた様子はない。
「もちろんです、その場合は私の養女ということで王族へ迎えることをお約束します。私が女王となればカナミ様が王位継承権第一位となりますので、そのまま王配を迎えるも自由となります。」
「王配?婿養子ってこと?この国じゃ複数と結婚することは出来るの?」
「複数・・・あぁ、そういうことですか。女王に関しては王配を複数持つことは認められています。」
「分かった、了解よ。救いましょう、この国を!」
なんだろう、相川が一瞬でもしっかりしたやつだと思った自分が情けなく思う。こいつ逆ハーレム狙いだ、シンプルにゲスだな。むしろあからさまで清々しく感じる。そんなんでよく俺が同衾したこと責めたな。
にしても、プルメリア姫の受け答えには何かゾワゾワした違和感感じる。これはスキルが反応してる・・・のかな。慣れない感覚だ。何か詐称したってこと?
「俺も聞きたいんだけど、結婚で制限ってある?」
「制限・・・ですか?そうですね、王族と平民は結婚ができません。側室としてであれば、迎えることも可能です。貴族と平民で結婚ができるのは男爵まで、一夫多妻が基本ですので複数の妾をもつ貴族は多いです。もちろん、養うだけの経済力は必要ですが。」
「他には?」
「他ですか?・・・親子間の結婚は認められていません。」
「親子は駄目か、兄妹や従兄弟、同性はどうだ?」
「その辺りは特にありません。実際にそういった方もいます。同性も戦場では珍しくありませんので戦後も継続することもあり、婚姻まで至る方もいます。貴族の場合は家の存続のため、側室を迎えれば問題は解決しますので。」
「なるほど、分かった。」
他のやつも報酬のことを色々質問しているが、特筆するようなことはなかった。ただ、誰も聞かないことはあるんだが。
「元の世界に帰るのは難しいってことだったんですが、その難しい方法をお聞きしても?」
気になったので聞いてみた。
「もう少し読みたい」
「早く次の話を投下して」と思ってくださった方
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