話術ってスキィー!ル
GWですがいかがお過ごしでしょうか
イーデスさんの日々はもう少ししたら動く予定ですので、まったりお付き合いください。
驚いているところ悪いが、話はまだ終わってないんだな。
「まぁ、選んでもらうには信頼する関係が必要だ。これは信頼すべき相手というか、信頼するしかない相手がお互いしかいなかったってことが、いい意味で働いたと思っている。」
「どういうことですか?」
「誘拐まがいに連れてこられた挙げ句、粗末な部屋に閉じ込められ、食事もないってくれば王城にいるやつを信じられるなんて、そんな聖人に見えていたのか?」
「それについては・・・申し訳ありません。配慮が足りませんでした。」
「・・・謝ってくれればそれでいい。今後はそこんとこしっかりと配慮してくれればね。もちろん、彼女のこともね。」
「・・・はい。もちろんです。」
「ちなみに、彼女と俺は同期している状態だから、お互いの状態が何となく分かるから、無体はしないでくれると助かる。」
「そのようなことは、いたしません。ご安心を。ところで同期とは何でしょうか?」
「まぁまだ自分のスキルもピーキーな能力みたいだから、把握しきってないから有効に使うのはまだ無理みたいっていうのは覚えててくれ。同期っていうのは能力を共有している状態みたいだ。今は盗賊の能力の一部だけってことだから。」
ここでじっと織田くんを見つめる・・・見つめる・・・見つめる・・・見てる・・・
はっ!とした顔で目が合いおずおずと話し出す。
「こ、これはかなり有用なのでは・・・」
ちょっ!ちょっと!声もっと張って!目で訴えながら促す。促す促ーす!
「これって!かなり!有効だと!思います!」
突然の大声に皆びっくりして織田くんを見つめる。見つめられてフリーズする織田くん。
おい・・・
話進まんぞ。しっかりしてくれ。
「こ、こ、こちらでは盗賊って・・・犯罪者みたいですけど・・・僕たちの世界じゃ盗賊っていうのはスカウトって呼ばれたりして、罠・・・罠を外したり、見つけたりしたり偵察へ行ったり・・・忍者みたいな人達だったんです。だから、これからダンジョンとか行くなら必要な人たちだとお、思います。」
「罠を外したり偵察・・・ですか、(称号がこちらの基準だとは限らない可能性がある、ということか。)それは有用だと言えますね。こちらにも似たような兵站があります。」
「そういうことなら、そこで学べばもっとスキルを伸ばせるかもしれませんね!」
「俺たちを、放ったらかしで話が進んでいる気がするんだけど?」
「あっもうしわけありません。そういうつもりではなかったのですが・・・ただ、イーデス様の能力の検証もありますし、その他に皆様と交流を積極的に取ってもらい信頼関係を築けるようにしていただけると助かります。」
「うげ、私はパス。こいつと一緒に寝るなんてまっぴら。」
すかさず、相川が拒否を表明してくる。こっちもまっぴらごめんだ!顔には出さんが。
大人だからな、受け流すぞ。
「その、俺も男同士でそういう関係は・・・ちょっと。」
ほらー!相川が変なこと言うから勘違いが広がってるやん
「ちょっと待て!別に同衾する必要なんてないからね!」
「は?ならなんでアンタは島津とヤッたの?」
お前はオブラートって知らんのか?道徳心は?羞恥心は?小学生からやり直せ!
「男女のことに踏み込むのはいただけないな、そこはノーコメントだ。」
「えっと、皆様・・・落ち着いてください。とりあえず交流をしていただくようお願いします。」
「分かった。」
「わっかりましたー。」
あからさまに不満そうにそっぽを向きながら返事をする相川。これで賢き人、賢者だと言うんだから世の中のすべての人が賢者だといえよう。まったく。
アリエルなんて、さっきから顔真っ赤で俯いとるやん。って俺のせいでもあるな、ごめんなさい。あとでしっかり謝っとこう。最悪、五体投地でもする所存だ。
とりあえずは、俺とアリエルの安全はある程度、担保されたと見ていいだろう。おどけて相川とじゃれ合った甲斐もあり、俺たちへの警戒感も薄れた様子だ。
俺の詐称スキルもしっかりと仕事してたようだ。
アリエルも大人しくしていてくれって指示を守ってくれたみたいで、人物的に危険視しなくてもいい印象を与えられたと思う。生粋の盗賊が下世話な話で真っ赤になるなんて思いもしないだろうし、もともと平和な日本の高校生だ、嘘はないんだからな。
むしろ、嘘だらけなのは俺のほうだ。
嘘をつくことなんて、何でもないし口だけで人が動かせられればそんな楽なことはない。パッシブスキルの悪役の心得に含まれる詐称と話術にポーカーフェイスのスキルがいい仕事している気がする。前から得意だったけど。
織田くんもニコニコこちらを見てくる、交流なかった設定なんだからあんまり見ないでほしい。
さて、これで追い出されることもないだろうから、次のイベント。
残りの召喚者の鑑定といこうか。
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その場に黙って待機していた4人に一斉に目が行く。
アリエルが言っていた殴られて退場した男に袴姿だった女の子(今は他の服に着替えている)に金髪のチャラ男に野球部のユニフォームを着ていた男の子だ、こちらも今は他の服を着せられている。
大人しくしているが、昨日のオドオドとした感じはみられない。昨日のパーティーが良かったのかわからないが引きづってはいないようだ。
今回はこちらから数値は見えないような位置で行われるようだ。
「では、皆さんには昨日の要領でこの水晶に触れてもらいます。」
「もう少し読みたい」
「早く次の話を投下して」と思ってくださった方
ブックマークとこの欄の下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えてくだされば、作者のモチベーションが爆上がりいたしますので、ぜひよろしくおねがいします。