ワイー!ン
拙い文章を読んでくれてありがとうございます。
とても嬉しいです。
コンコン、ガチャ
「食事だよ。」
「・・・・・・。」
「イーデスなんだけど。」
「!?、は、はい!すいません。」
布団を抱えて上目遣いでこっちを見てくるアリエルさん。メガネっ子JKの上目遣い・・・なかなか拝めないですね。
とはいえ、警戒していたようだな。
「なんで、兵士の格好してるんですか?」
「ちょっと探検してきた結果、かな。」
「探検!?見張りがいましたよね?」
「出し抜いて出ました(というか、丸出しで出ました。)。」
「・・・・・・。」
何か言いたげだけど、まぁいいか。とりあえず、腹ごしらえだ。
「さて、ご飯にしようか。」
「わぁ、パンにソーセージに果物ですか。こっちにはスープも。でもこれワインですか?私未成年なんですけど。」
「どうも、こちらに未成年ってのはなさそうだよ。パーティでも君くらいの子が普通に飲んでたし、大丈夫なんじゃない?水分は取っておかないと脱水になる。」
「・・・そうですね、ここは日本じゃないんですよね。」
悲しそうな顔しないでよ、戦闘員に慰めるって研修はなかったんだからどうしていいか、マジ困る。
周りの女性は女幹部しかいなかったし、あの人落ち込むことなんてないし。
妻は・・・あぁ、考えたら俺が鬱になる。やめよ。
「そうだな、現代の日本じゃないのは確定だと思う。未来の地球って線もないわけじゃないけど。」
「こんなのが未来の地球って・・・。」
「ただの可能性の話。本気にしなくて良い。ただ、見たことのない動物がいたのだけは確かだ。」
さっき見た獣舎の様子を聞かせた。少なからず驚いているようだが、本人が見たわけではないので話半分って感じか。
それと今後の国の動きを伝えておく。明日他の未鑑定者の鑑定を行ってその後お披露目パーティ2夜目、明後日までパーティはあり、明後日のパーティが召喚した”有用な召喚者”一同のお披露目となる。
そこまで聞いて、アリエルは青い顔をしていた。そうだな、俺たちが有用と思われる可能性は今のところ限りなくゼロなわけだから。
「ほらほら、とりあえず食べるぞ。腹が減ってはなんとやらっていうだろ?空腹はマイナス思考に直結だぞ。」
「でも・・・そうですね、お腹減ってたら、いい考えも浮かびませんよね。」
ひとしきり食べて、残り4人分の食事を分割して少しずつ食べるように説明する。今後も食事が来ない可能性もあるためだ。
アリエルを見ると本当に分かっているのか不安になる。さっきから目の焦点はあっておらず、ずっと微笑みながら左右に揺れてる。
これはあれだな、酔っぱらいだな。まさかコップ1杯で酔うなんて思わんやん。今どきの高校生って酒くらい飲むもんだと思ってたけど、偏見だったらしい。
明日以降のこともっと話しておきたかったんだけど、仕方ない。明日にの朝でいいか。
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「どこだ!どこに行った!?」
「いえ、自分達はここでずっと見張っていましたが、この通路を通ってはいません。」
「だったら、どこに行ったと言うんだ!なぜ、部屋にいない!?」
「それは・・・。」
騒がしいと思ったら、俺が自分の部屋にいないのがそんなに不思議らしい。そらそうか、出るとき戸締まりしたし。
ゴソゴソ
「キャッ」
「しっ」
横に寝ていたメガネっアリエルがメガネを掛けながらアワアワしてる。
「!?ぇ?ぇ!?な、なんで・・・」
「しー!大丈夫、何もシてない。」
「してない?してない!?何を!?」
「まぁまぁ、とりあえず俺に話を合わせてて、時期に兵士もこっち来ると思うから。」
よくわからないまま、顔を赤らめながらシーツを手繰り寄せて体を隠す仕草をする。
なんだかなー着衣の乱れなんてないだろうに、おじさん傷つくなぁ。おじさんが同衾してたら、そうなるか。うん、納得。
シーツで顔まで隠して・・・もしかして加齢臭するのか?
ガンガンガンガン!
「おい!返事をしろ!いるのか?」
ジェスチャーで俺が出ることを伝え、静かにしててもらう。
「はいはい、いますよ。朝からうるさいけど、どうしたの?」
「・・・は?」
「なに?」
「隊長!!いました!!隣の部屋です!」
「は!?隣!?なんでそんなとこにいるんだ!?」
「い、いえ、自分にもさっぱり・・・。扉には触ってもいませんので。」
そらそうだ、自分で出たんだからな。
「で、朝からなんの騒ぎ?朝飯?」
「ちょっと黙ってろ。・・・いや、お前なんでそこにいる?」
隊長と呼ばれた男が問い詰めに来る。30代後半くらいだが、顔に余裕がないな。典型的な中間管理職顔だ。
「おい、どうやってそこに入った?」
「ドアを開けて。」
「自分の部屋からどうやって出た!?」
「ドアを開けて。」
「どっちも鍵がかかってたはずだ!?」
「鍵を開けて。」
「お前の部屋の鍵はかかってるじゃないか!?」
「開けたら閉めるのは世界の常識。」
「馬鹿にしてんのか!?」
極力、端的に答えると癇に障ったのか、ドアをガンガン蹴りつけてくる。でもここは監禁部屋、生半可に蹴ったところでビクともしない。
「蹴るだけ無駄だと思うけど。」
「うるさい!司教様にこのことをお伝えしろ!」
「っは!」
隊長に怒鳴られ、兵士が司教様とやらに状況を伝えにいったらしい。さて、朝飯はどうなることやら。
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