周イー!を見て回る
ちょこちょこと進めますので、良ければ読んで頂ければ嬉しいです
角の通路奥の部屋な為、どうやっても兵士の前を通ることになるのだが、どうやら同僚と話しながらの見張りのようだ。緊張感がなさすぎる気もするが、泣きそうなJKとさえない男1人を監禁しているだけなんだからこんなもんか。
こちらとしてはむしろ助かる、是非侮ったままでいてもらおう。光学迷彩を使用しても見えないだけで存在しているから、足音、匂い、体温、風の動きでバレる可能性はゼロじゃないんだ。
とはいえ、潜入して破壊工作までしていた俺なので、この程度の兵士に気付かれるような動きはしません。
余裕で横を通り過ぎるが兵士の話が聞こえてきたため、足を止める。
「なぁ、なんであんな二人組みを見張らにゃならんよ?」
「さぁなぁ、なんかしでかしたような顔には見えんかったけど、片方は盗賊らしいぞ?」
「それは聞いた聞いた!女のほうだろ?王城に忍び込むなんてなぁ。ここに逃げ場なんてないのに、馬鹿な奴らだ。」
「何でもここに捉えとくように指示をしたのは姫様らしいから、これから取り調べで他所に移されるのかもな。」
「取り調べが別のとこでするんなら、さっさと移してくれたら良いのに。」
「今日はお披露目パーティだから無理っしょ。」
「はぁ〜ぁ、俺も会場警備が良かったぁ、姫様を生で見たかったぜ。」
「無理無理!会場に俺たちみたいな一般兵が入れるかよ。あそこは高レベルの近衛騎士団がしっかり守ってるし、俺たちなんかせいぜい城外の警備だって!まだ城の中のほうがマシだ。」
「ちげーねぇな。」
ふむふむ
お披露目の会場は近衛騎士団が守ってる、ね。まだレベルの違いでの強さってのが分からんが、近づけるかな。
どうにか会場の中が見られればいいんだけど。
どうしたもんか、とりあえず現在地と歩いている場所を頭の中でマッピングしながら探索を続ける。
時々、メイドさんとすれ違うけど、皆忙しそうに働いている。こちらに気づく様子もない。
パーティが好評なのか料理の搬入も多いみたいだ。
メイドさんが来た方を辿っていくと、厨房に来ることが出来た。けどなんて広さだ。でかい会議室くらいの広さの厨房で怒号が飛び交ってる。まさに戦場だ。
これだけ活気があると誰も俺に気が付かないが、人とぶつからないように進むのは骨が折れる。
厨房の中を進むと、目的のものを見つけて笑みが溢れる。
イーデスは材料搬入口を見つけた!テテレテッテテ〜!
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そっと城外に出て、周辺を探索して分かったが、この城かなりの広さだ。
周囲は庭園らしきものが囲っており、ところどころ目隠しのように木々の中に東屋?が設置されている。死角があるように見えて騎士の巡回は行われているようで時々見かける。
ツーマンセルで動くよう配置されているのか、単独でいる騎士は見かけなかった。なんで騎士だと分かったかと言うと単純に装備の違いだ。
さっきの見張りの兵とは明らかに質の高いものを見に付けている。
それから庭園を囲う城壁の門を出ると兵士の詰め所に修練場らしい場所、そこまで行ってもまだ城の全景は見えない。これはよくよく道を覚えておかないと迷子は必死だ。
さらに2つ門をくぐったところで跳ね橋から城下町へ行くことが出来るようだ。門に至っては全部で3つ、一番外側を第一門としてこちらにもいくつか兵士や城勤めの人や使用人の宿舎と詰め所らしいものが見えている。ときどきメイドさんが交代しているみたいだ。
ちょうどいい、詰所には数人いるがこちらに気がつく様子はない。奥に仮眠室があるようで中の様子を伺うが誰もいないようだ。
中には数人分の装備類が準備してあった。これは拝借しておこう。そっと窓から荷物を持って脱出する。
屋外より屋内でやりやうほうが、音が漏れずいいと考えて少数なら制圧して装備を奪うつもりだったが、穏便に済んで何よりだ。
あと驚いたのは獣舎だ、馬もいるが俺の知ってる馬じゃなかった。足が8本もあるものや、でかいトカゲみたいなの、ファンタジーおなじみのドラゴンではないみたいで翼なんかないが馬力はめちゃくちゃありそうだ。馬力?竜力?どっちでもいいが。
あとはラプトルの大きいやつ、名前は分からんが2足歩行の恐竜みたいなやつがいる。
現実味がなかったが、現代で見ることのない生き物が当たり前にいるのを目の当たりにすると、帰るのは難しいんじゃないかと思わずにはいられないな。
第2門と第3門の間には豪華な屋敷が点在している、貴族用のものなのか立派なものが多い、こちらも人の出入りは多いようで使用人と思われる人たちが忙しそうだ。
主人がパーティに出てるからって下っ端が楽できるわけではない。
上司が居ないときほど、やることが多いのは戦闘員も同じだね。
まとめると城、庭園、第3門、貴族屋敷、兵士詰め所、修練場、第2門、兵士宿舎、使用人宿舎、獣舎、第3門、城下へ。といったところか。
ある程度の位置を把握して、来た道を戻っている途中見上げるとバルコニーで話している人影が見えるような見えないような・・・
奪った装備品は茂みに隠して、と。
ここは戦闘員EYEの出番だ!
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