ジェイー!ケイー!散歩
拙いですが、寛大な目で見てください。
「で、どうしてるかなって思って遊びに来たわけだけど。」
「遊びに来てあの仕打ちは酷いと思います。」
「で、改めてイーデスです。」
「え?スルー?・・・島津あ、泡姫です」
「じゃ、アリエルさんこれからのこと相談しようか。」
「あっはい。・・・これからのこと・・・これからどうなるんでしょうか?」
「アリエルさんはどうなると思う?ちなみに今、他の奴らはお披露目と言う名のパーティに出てるらしい。」
「さっき、外からそんな内容のことが聞こえてきましたね、イーデスさんだったんですか。・・・私達は呼ばれてないんですね。」
「そう、俺たちは呼ばれていないな。」
「きっと・・・あんまり良くない状況ですよね。ここまで来る間も護衛って言いながら、連行されてきましたし。私を見る目はいつでも取り押さえられるようにしてたみたいでした。」
ほぉ、よく見てる。さっきの取り乱し方から泣くだけの女の子かと思ったけど、割と冷静か?そこまで考えて膝の上で固く握った手が震えているのを見て考えを変えた。冷静にいようとしている、のが正しいか。危ういな。
「たぶん、現状で俺たちに有用性は見いだせていないからだろうな。称号だけ見たら犯罪者だ。俺は召喚されたのに称号なし、スキルもよく分からん、無用か無能か。そこら辺の認識なんだろうな。」
「だったら、これからどうしたら。」
「正直、犯罪まがいに連れてきて、自分たちに有用じゃないからっていきなりこんなところに閉じ込めるような奴らに今後を決められるのは腹立たしい。が・・・何も知らない状況では動きようがない。」
「・・・・・・。」
「それにアリエルさんは称号が、奴らをより警戒させてる。」
「・・・・・・はい。」
「だから、奴らに恭順したフリをしよう。」
「え?」
「俺たちの有用性を証明し、身の安全を確保する。」
「でも、私・・・盗賊ですよ?」
そうだよねー自分が盗人ってレッテルを貼られると不安になるよねー。
「アリエルさんはゲームとかしないの?ゲームで盗賊って結構有能なんだよ?ダンジョンの罠を発見したり、宝箱の鍵開けをしたり、これってスキルにもあったんじゃない?他の召喚者がどこまで気がついてるのか分からないけど、偵察とかのスカウトとして技能は生きていく上でかなり有用だと思う。」
「そ、そうでしょうか?でもそんなことしたことないですよ?」
「それは他の召喚者だってスキルを使って生活したりしてなかったんだから、同じスタートラインなんだから気にすることないんじゃない?気にすべきは、有用だと気付かれる前に処分されること。」
「しょ、処分?」
ほんとに平和なところで育ってきたんだな。
「そう、処分。」
「誰にも紹介されないってことは居なくなっても気が付かれないってこと。他の召喚者には適当な理由・・・別の場所で訓練しているとか、称号の関係で城下町で暮らしているとか理由はいくらでも付けられる。そのまま、消される。」
「消される!?いくらなんでもそんなこと・・・。」
「ならない理由は見つからないけど。俺たちがここにいるだけで、警戒をしないといけない。場所も人手も取る、生かしておく理由がない。なら、生かしておく理由を作るしかない。」
「それで、恭順・・・。」
「一応、部屋も用意されてるし今日明日でどうにかされるわけじゃないと思うけど、召喚者の鑑定全てが終わわるくらいまでに有用性は証明したほうがいいだろうな。」
「・・・・・・どうすれば、いいでしょうか?」
さっきより目に力が見て取れるな。やる気になってくれて嬉しい。これで俺も動きやすくなる。
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自室と言う名の監禁部屋に戻ってきたけど、待てど暮らせど夕食が来る様子はない。これは俺たちのことなんて眼中にないこと確定か。嫌がらせをする意味もないわけだし。俺にはこの程度の空腹は問題ないが、隣のアリエルはまた別か、空腹だとマイナス思考に陥りやすい。成長期のJKだし、ここは大人の余裕を見せておこうか。
ベッドに人が寝てるくらいの偽装をして、そっと部屋を出る。兵士もこちらを気にしている様子もないため、余裕だ。ちなみに解錠は指先からナノマシンの分離で行い、出たら全身の表面のナノマシンを光学迷彩化して周囲の風景に同化させている。これは戦闘員の必須技能だ。
よくヒーローと怪人が戦うときにワラワラと戦闘員が出てくるのは、この技能を使って周囲に潜み、ここぞというときに突入するためである。
あのときは、戦闘スーツがそれを行っていたが、今はただの服を着た状態である。つまり、この技能を使う場合は全裸にならないと服だけ浮いた状態になるのだ。
「アリエルさん、ちょっとでかけてくるから、部屋の中でスキルの使い方を試してて。」
「え?は、はい。わかりました。」
全裸でJKに話しかけるおじさん・・・事案ですね、わかります。では、通報される前に動きますか。
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