表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚!戦闘員イー!  作者: まさきえき
10/29

お隣イーさんの様子。

投稿は不定期ですが、可能な限り投稿します。お目汚しを。

兵士が廊下の端に戻ったのを確認してベッドに腰を下ろす。


少しだけ情報を得ることが出来た。今晩、王侯貴族を集めた召喚者のお披露目会名目のパーティが開かれる。鑑定が全員終わっていないことを考えると、今日の勇者の称号だけでも十分な成果だったってことなんだろう。明日以降の鑑定でも良い称号が出ればお披露目会は続くってことか、貴族のパーティって一日だけで終わるとは思えんし。


あと、やはり俺たちは重要視されていない。さらに言えば紹介する気もないってことは今後の扱いも怪しくなるな。最悪、秘密裏に消される?いきなりそこまで乱暴な手段には訴えないだろうけど、用心は必要か。


それに兵士には称号のことは伝わっていないみたいだな。そもそも俺には称号なんてないし。もしかして称号がある方が珍しい、もしくは希少。そうだとしたら盗賊の称号は余計に不味いのかも。


ついでに分かったことは、今晩のご飯は遅くなるか、最悪ないな。戦闘員のときはエネルギーパックをセットするだけで良かったけど、あれってそもそも経口で作られてないから味なんて期待できないし、そもそも口から行けるとは思えん。この体になって忘れていた空腹感を感じる、懐かしいけど今はデメリットしかないな。


先行き不安だが案外冷静にいれるもんだ。戦闘員で培ったメンタルトレーニングが役に立つもんだ。訓練では山深い場所に置き去りで装備品なし、エネルギーパックも支給なし、いかに効率よく行動し仮想敵と戦うかなんてこともさせられたし・・・あのときは、仮想敵が最新型怪人の実地テストも兼ねてたから、同期の戦闘員達があっという間に脱落してって大変だったなぁ、結局実地テスト名目で3回も行われることになるし、ヤられたら怒られるって理不尽さに震えたわ。


それに比べたら屋根があって雨風しのげて安心して寝られるなんて驚異でも何でもないな。あとは自分の身の安全が確保できたら言うことなしか。



「・・・ぅぅ・・・ぅぅ・・・・・・。」

「・・・。」


不満があるとすると隣の部屋から聞こえてくるすすり泣きか。女の子のすすり泣きを聞きながらなんて精神衛生上良くない、喜がする・・・おっと違うぞ、喜んでるわけじゃない変換ミスだ。気がする、良くない気がする。ここではまだ悪の組織所属の戦闘員ではないし、そんな性癖ないし・・・ないし!


ゴホン


では、ちょっと隣に偵察に行きますか。






=============



ギギギッ


「ヒッ・・・ぐぐ・・・。」


音に顔を上げると、急に口を抑えられてパニックになって暴れるのに手を抑えられバタつく足を押さえつけるように跨がられてる自由な左手じゃ満足な抵抗も出来ずにパニックに拍車がかかる。

怖い怖い怖い怖い怖い助けて助けて!


「うぅ!・・・うぅぅぅ!うぅ!!」

「ちょっ!待て待て!大きな声だすなって!」

「ううううっぅう!」

「あぁもう。」


口を抑えていた手が顔を掴むように私の頬骨の覆って・・・ミシミシと骨がきしむ音を頭の中から聞かされる。


「うぐぐぅぐううぅぅ。」


痛い痛い痛い痛い痛い顔が壊れる壊れちゃう・・・潰れ・・・


「声は出すな、分かったな。返事は”はい”か”YES”だ。」


小さく何度も何度もうなずく、もう話して言うとおりにするから・・・。





===============



・・・・・・ぁ〜、うんまあ、あれだ。事故・・・なんだよね。


目の前には、俺に手で口を覆われて抵抗の意思をがっつり削がれて、どうにでもしての死んだ魚の眼をした女子校生がいる。むしろ汗と鼻水で完全事後・・・おまわりさん、俺がやりました。ほぼ初対面の子にこの扱いは事案ですね。どうしよう。お話できるかな?


急に大きな声出しそうだったからついつい尋問の要領で対応しちゃった。ほんとはここでもう1人優しい言葉をかける役のやつがいるんだけど・・・


(「おいおい、ハイかイエスって選択しないじゃないか、HAHAHA」みたいに緊張をほぐすやつがほしい。今のとこ脅迫しかしてない。)


「あ〜・・・すまない、本当にすまん。隣の部屋に入れられたイーデスです。覚えてる?」

「・・・・・・・・・ぇ?」


「え?イーデスです?」

「あ、はい。覚えてます。え?なんでここに?どうやって?」


「鍵開けて、ドア開けて。女子校生に叫ばれそうになってアイアンクロー的なことしました。」

「・・・・・・ほんとに、怖ムグ・・・。」


「はい、大声は駄目だ。兵士が来る。」

「ぷはっ!わかりました!でも、毎回毎回口を抑えるのやめてください!」

「静かにしてくれたら、そんなことする必要はないさ。」

「でも、ここにいるってことは、そちらの鍵は開いてたんですか?私の部屋は外から鍵が掛けられてて中からは開けられなかったのに。」

「いやいや、俺の方も同じだよ。ただそういう状況で鍵開けるのが得意ってだけ。」

「はぁ。」


まぁ、低位ナノマシンがこの体で使えたから、一時的に分離して鍵を開けたなんて言っても分からんだろう。これで俺の体はナノマシンとの同化は継続されているのは確定した。

外見は以前に戻ってるけど戦闘員EYEと戦闘員ナノマシン(低位)は標準装備と考えていていいだろう。これは他の奴らよりアドバンテージがある。称号やスキルなんて訳の分からんものより、使い慣れたもののほうがよっぽど信頼性が高い。

ただ右胸のエネルギー補給スロットはなくなってる。右胸にそんなものついてる真っ当な人間なんていないから仕方ないのか。



評価とブックマークをしていただけると嬉しいです。

モチベーションも上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ