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ニンギョウ・エチュード  作者: たもつ
58/60

同日 19:40〝ストリングス〟幻視

 嗚呼、何度目だろう。

 ずっとこれだ。

 ずっとそうだ。

 俺は一人でずっと自分の推理を否定し続けている。 

 一人大相撲だ。

 そう。そうなのだ。


 俺は今日、イラストサイトを見て、蕗屋の投稿を知った。


 同窓会前日に大量の未完成作品がアップされていたこと。


 それを閲覧できるのが世界で俺だけであること。


 この二点を軸に、ここまで推理を構築してきた。



 ――()()()()()()()()()()()()()



 そのことに気が付いて俺は愕然とする。

 別に、関係者一同を集めて真相を看破し真犯人に罪を認めさせて司法に引き渡すのだけが探偵役ではない。事件から半年も経った後で、人知れず自分の部屋で思索を巡らせて真実に辿り着く――そんな、アディショナルタイムの解決編だって存在する。

 

 探偵役を、させられてしまった。


 どれだけ緻密な計画を立てたって、死んでしまっては計画の完遂は無理だと、数瞬前に思ったばかりだ。

 本人不在で、人を操ることなんてできっこないと、そうも思った。


 できてるじゃないか。


 ――やられた。


 アイツは、失敗などしていなかった。


 今、この瞬間。


 俺がアイツの投稿を閲覧して違和感に気が付き思索を巡らせ、真相に辿り着く――そのプロセスを経て、箱庭は完成したのだ。


 足の先が痺れるのを感じる。


 俺は慌ててウィスキーを、瓶ごと口につける。


 脳の奥が痺れる。


 自室の窓から無数の糸が伸び、俺の四肢に絡みつく幻覚を見て――俺はそのまま、気を失った。

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